第3回 「究極の複製」

話題提供者

宇佐美文理(人と社会の未来研究院長/文学研究科 教授)

参加者

6名
[内訳]
1回生1名(文学)
2回生2名(文学・総合人間学)
3回生2名(いずれも理学)*うち1名は留学生
4回生1名(法学)

談議メモ

使用テキストに「芸術作品のコピーをどう考えるか」との記述があったことを受けて、「芸術作品は普遍的価値をそれ自身が持っているのか」というテーマで話は終始持ちきりに。おおよそ文系のみなさんは「持っている」とするいっぽう、理系のみなさんは「鑑賞者に依存する」との論調が目立った図式が印象的でした。「普遍的な価値を持っている」とする参加者も、鑑賞者に依存する可能性自体は否定しないものの、対して「普遍的なものとは何か」を提示することは難しく、「持っている」側は苦戦気味の結果となりました。

なお、話題提供者から、「普遍的な価値」に関連して、昔ある先生が美学の定期試験で「夕焼けはなぜあんなに美しいのか」を問題として出していたとの話が紹介されました。会の終了後、その採点方法に関心を寄せる写真好きの参加者からは、農学部にある農場から見た夕焼けが美しく、よく撮影している、とのコメントも。さまざまな切り口から「普遍的な価値とは何か」という難問に挑んだ回となりました。

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