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Alexander Kirchner-Häusler 特定講師が着任しました(2025年5月1日)

2025.05.02

2025年5月1日より、京都大学 人と社会の未来研究院に特定講師として着任いたしました、アレクサンダー・キルヒナー=ホイスラー(Alexander Kirchner-Häusler)と申します。

私は文化心理学を専門としており、私の研究は主に、文化、人間関係、ウェルビーイング(幸福)の多様な繫がりに注目しています。また、文化的な文脈が、私たちの心理傾向、ソーシャルダイナミクス、そして健康を、どのように形作るのかを探求しています。私の研究全体を通じる中心的な考え方は、私たちが生きる(たとえば、思考、感情、行動)方法や、幸福に生きる方法を理解するには、私たちが属する社会文化的な文脈が本質的に重要であるということです。私たちは単に「一般的に」で存在しているのではなく、「文化」(たとえば家族、性別、社会階層、国)の複雑な網の中に埋め込まれており、それが私たちの精神や社会的な世界を形作っています。これらの文化的な違いは無作為なものではなく、体系的で意味あるものです。それらは私たちの環境の中心的な価値観、目標、関心を反映しており、これらの考え方に自分を調和させることで、文化の要求や課題に対処しやすくなるのです。

現在、私はこれまでの研究をさらに発展させ、以下の3つのテーマに注力しています:

  1. 個人と文化の適合性・不適合性が、ポジティブな心理的成果(例:幸福、健康、満足のいく人間関係)に与える役割を探ること
  2. 中間レベル(例:小規模なコミュニティ、社会的ネットワーク、グループ)における文化的な違いやダイナミクスを理解すること
  3. 文化心理学の知見を、科学コミュニケーションの改善や現実の課題解決に活用すること

このような研究を進めるために、私は、多様な方法論(たとえば、標準化された実験、大規模な調査)や、統計的(多層構造方程式モデリング、一致分析、縦断的二者データ)アプローチを用いています。また、多様な文化的な文脈(たとえば、英米圏、西地中海地域、東アジア)を対象とすることで、心理学を西洋中心主義的な普遍主義から脱却させ、グローバルにおいて代表となり、公平な学問へと発展させることを目指しています。

Alexander Kirchner-Häusler

個人ページ: https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/en/archives/member/alexander-kirchner-hausler

高木佐保 特定助教が着任しました(2025年4月1日)

2025.04.11

2025年4月1日より京都大学 人と社会の未来研究院/白眉センターの特定助教として着任いたしました高木佐保と申します。

私の専攻は比較認知科学です。比較認知科学は、ヒトとヒト以外の動物の心の働きを比較することで、心の進化を解明していく学問です。私は動物の中でも、ネコの社会的な認知能力に関心を持って研究を進めています。ヒトと伴侶動物として暮らしているネコが日々の生活からどのようなことを学習するのか、認識しているのかを調べるために、大学ではネコは飼育しておらず、対象はほぼ全て、家庭で飼育されている一般のネコになります。

ネコは今や日本で最も飼育されている伴侶動物となりましたが、その心の働きに関する研究はイヌと比較しても実は遅れています。その理由は単純で、ネコがとても警戒心の強い動物だからです。ネコは家につくといわれている通り、自分のテリトリーを出てしまうと行動が一変してしまうため、大学の実験室の実験は難しい場合が多いです。また、ご自宅に伺っての調査でさえ見知らぬ人(=実験者)への警戒心からソファや押し入れの中に籠城してしまうこともしばしばあります。そのような動物であるネコに対して、なんとか飼い主さんもネコも”楽しんで”もらえるような実験を工夫して行ってきました。その結果、ネコも飼い主さんの存在や言葉を認識できていることがわかってきました。

今後は元々は単独性のネコがどのように社会性を身に着けてきたのかを家畜化という視点から紐解いていきたいと思っています。具体的には、近縁種とのコミュニケーションの比較やネコ種内での認知能力の地域差や個体差に注目していきたいです。

人と社会の未来研究院では、様々な分野の研究者の方がおられるので今までになかった新しい共同研究もスタートできるのではないかと期待しています。特にネコはヒトにとても近い動物なので、ネコがヒトの心理状態へ及ぼす効果、それによるウェルビーイングの変化などにも興味があります。研究を通して、ネコやヒトも幸せになれるような社会を実現したいです。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

高木佐保

個人ホームページ:https://sites.google.com/view/sahotakagi/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0?authuser=0

Alexander Kirchner-Häusler 特定助教が着任しました(2024年10月1日)

2025.01.06

2024年10月1日より、京都大学 人と社会の未来研究院に特定助教として着任いたしました、アレクサンダー・キルヒナー=ホイスラー(Alexander Kirchner-Häusler)と申します。

私は文化心理学を専門としており、私の研究は主に、文化、人間関係、ウェルビーイング(幸福)の多様な繫がりに注目しています。また、文化的な文脈が、私たちの心理傾向、ソーシャルダイナミクス、そして健康を、どのように形作るのかを探求しています。私の研究全体を通じる中心的な考え方は、私たちが生きる(たとえば、思考、感情、行動)方法や、幸福に生きる方法を理解するには、私たちが属する社会文化的な文脈が本質的に重要であるということです。私たちは単に「一般的に」で存在しているのではなく、「文化」(たとえば家族、性別、社会階層、国)の複雑な網の中に埋め込まれており、それが私たちの精神や社会的な世界を形作っています。これらの文化的な違いは無作為なものではなく、体系的で意味あるものです。それらは私たちの環境の中心的な価値観、目標、関心を反映しており、これらの考え方に自分を調和させることで、文化の要求や課題に対処しやすくなるのです。

現在、私はこれまでの研究をさらに発展させ、以下の3つのテーマに注力しています:

  1. 個人と文化の適合性・不適合性が、ポジティブな心理的成果(例:幸福、健康、満足のいく人間関係)に与える役割を探ること
  2. 中間レベル(例:小規模なコミュニティ、社会的ネットワーク、グループ)における文化的な違いやダイナミクスを理解すること
  3. 文化心理学の知見を、科学コミュニケーションの改善や現実の課題解決に活用すること

このような研究を進めるために、私は、多様な方法論(たとえば、標準化された実験、大規模な調査)や、統計的(多層構造方程式モデリング、一致分析、縦断的二者データ)アプローチを用いています。また、多様な文化的な文脈(たとえば、英米圏、西地中海地域、東アジア)を対象とすることで、心理学を西洋中心主義的な普遍主義から脱却させ、グローバルにおいて代表となり、公平な学問へと発展させることを目指しています。

Alexander Kirchner-Häusler

個人ページ: https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/en/archives/member/alexander-kirchner-hausler