演劇的手法を用いた道徳×SDGs教育に関する実践研究

プロジェクト代表者:
蓮行(京都大学経営管理大学院・特定准教授)

連携研究員・共同研究員:
・末長 英里子(京都大学経営管理大学院・特定助教)
・紙本 明子(大阪大学人間科学研究科・特任研究員)
・堀 啓子(東京大学未来ビジョン研究センター・特任助教)
・柴田 惇朗(立命館大学 先端総合学術研究科・特別研究員(DC1))

プロジェクト紹介

今回私たちは「演劇的手法を用いた道徳×SDGs教育に関する実践研究」というタイトルで、萌芽的・探索的実践研究に従事しました。

私たちのプロジェクトは、新しい(怪しい?)言葉がいくつか出てきます。

1. パラシュート方式・パラシュート研究会
2. 多変数コラボ
3. エスノメトリー

1.パラシュート方式・パラシュート研究会
パラシュート方式とは、さまざまな分野・立場の参加者が1つのテーマについて分野横断的に対話する方式です。プロジェクト代表である蓮行が「「演劇×〇〇パラシュート部隊」というネーミングで発案し、これまでに様々な研究会を行っています。そして、その過程で「『パラシュート部隊』という、軍隊を想起させる語彙は不適切ではないか」という指摘を受け、非常に納得し、それ以降は「パラシュート探検隊」という呼称を用いています。
「演劇×〇〇パラシュート部隊」サイトURL https://www.accd-c.org/bunyaoudan2021/

2.多変数コラボ
「コラボレーション」という言葉もすっかり定着しましたが、「何かと何かのコラボ」つまり「a×b」などもう当たり前で、「a×b×c×…」と、多くのものが掛け合わせられていかないと新しいインパクトが生み出せないのでは?という仮説の下、そんな多くのもののコラボを「多変数コラボ」と名付けました。今回のプロジェクトは「演劇×道徳×SDGs」という多変数コラボです。

今回私たちのプロジェクトでは、教育哲学者・公立自然体験施設長・俳優・学生など様々な立場の方にご参加いただき「演劇的手法を用いた道徳×SDGs教育」について分野横断的に議論した上で、小学校の現場に降下して実践するという「パラシュート方式による多変数コラボ研究活動」を行いました。

3.エスノメトリー
エスノメトリー法とは、大阪大学の藤川信夫先生が開発中の研究手法であり、アンケートやインタビューへの回答などの言語表現ではななく、ファシリテーターや研究者が重要だと考える身振り手ぶり・表情の変化を数値化する手法です。https://hts.hus.osaka-u.ac.jp/kyoinshokai.html こちらの(7)に記載があります。

成果としては、小学校では難しい「詩を読む」授業で、全体は押しつけがましくなく、どうやって感情込めて読むか、ということが実現し、そこで障害がある子も同じように受けられて、発言もできていました。とてもいい授業でした。そして、どうしてそれが実現したのか?そもそも「いい授業」とは何なのか?という根源的な問題で、大いに議論しました。
今後の研究の発展及び社会への発信としては、2023年6月に日本道徳教育学会での発表を行います。2024年6月には論文化を行います。
研究のためのリソース(お金・フィールドなど)を確保し、少しでも早く社会で活用されまたそれをアカデミックに効果検証していくというサイクルにのせられるよう努力します。