2023年3月12日、京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールにて「河合俊雄教授 最終講義」を開催しました。
河合教授は1995年に京都大学教育学部に助教授として着任し、以来、28年にわたって京都大学で研究・教育活動を行ってきました。こころの未来研究センター（2022年より人と社会の未来研究院に改組）には、2007年４月の設立時に教授として着任し、臨床心理学を専門にしつつも、さらに広い視野から実践活動と研究活動を展開しました。
最終講義当日はお天気もよく、ホールは全国各地から集まった聴衆で満席となりました。司会の内田由紀子教授のご挨拶に続き、広井良典教授よりあたたかいメッセージとともにご経歴・ご業績の紹介がありました。

その後、「発達障害の心理療法と物語の縁起」という演題にて河合教授が70分の講義を行いました。河合教授の担当された心理療法事例の検討をもとに講義は展開され、セラピストとクライエントとの深い次元での関わりについて深く考えさせられる本質的なお話をうかがうことができました。

休憩をはさんだ後のディスカッションでは、総合地球環境学研究所所長の山極壽一京都大学名誉教授、京都大学大学院教育学研究科の田中康裕教授がディスカッサントとして加わり、最終講義の内容について河合教授とともに議論を行いました。その中では、まさに命をかけて行う心理臨床家という仕事の深さについて話が展開し、特に心理療法過程でのセラピストの夢を通して人間のこころの奥底でうごめくイメージの力について考えさせられる議論となりました。

最後に、山極名誉教授より河合教授に花束が贈られ、閉会となりました。

閉会後は、国際交流ホールにて懇親会が行われました。京都大学理事の時任宣博教授より開会のお言葉をいただいた他、これまで連携研究を行ってきた企業の方々、研究や臨床実践の現場で切磋琢磨してきた同僚や、これまでの指導学生たちがはなむけの言葉を送りました。パーティーは終始和やかな雰囲気で、河合教授を囲んであたたかな歓談のひと時を持ちました。

◆ご経歴紹介動画

◆最終講義動画

◆ディスカッション動画

▽日時：2023年3月12日（日）　15:00～17:30（受付開始14:30）
▽場所：京都大学　百周年時計台記念館　百周年記念ホール
▽参加者数：440名
▽プログラム
15:00-15:10　開会の辞並びに河合教授ご経歴紹介　
　　　　　　 広井良典（京都大学人と社会の未来研究院・教授）
15:10-16:20　最終講義「発達障害の心理療法と物語の縁起」
　　　　　　 河合俊雄（京都大学人と社会の未来研究院・教授）
16:20-16:35　休憩　
16:35-17:20　ディスカッション
　　　　　　 河合俊雄
　　　　　　 山極壽一（総合地球環境学研究所・所長）
　　　　　　 田中康裕（京都大学大学院教育学研究所・教授）
17:20-30　花束贈呈・閉会の辞
総合司会　　 内田由紀子（京都大学人と社会の未来研究院・教授）