お知らせ
Hoi-Lam Jim特定助教が着任しました(2025年3月)
2026.03.24

2026年3月より、京都大学 人と社会の未来研究院に特定助教として着任しましたHoi-Lam Jimと申します。
私は、群れで生活する哺乳類における社会的認知と協力行動の研究を専門とする比較認知科学者です。ヒトは非常に協力的であり、ときに自分に不利益があっても他者を助けます。この行動が、ヒト特有のものなのか、どの程度ほかの動物と共有されているものなのかに関心があります。ヒトらしい社会の進化的起源を探るために、高い社会性と協力性をもつヒト以外の動物を研究しています。
特に、ヒトとは進化的に遠い関係にありながら、収斂進化(しゅうれんしんか)によって類似した特性を独立に発達させた動物、たとえばゾウ、イヌ、オオカミなどに関心があります。現在は、おもにゾウの認知のさまざまな側面に焦点を当て、彼らがどのように社会環境を認識し意思決定をおこなうのか、そしてそれが示唆する協力行動の進化について、実証研究を基に考察を深めています。
ウィーン獣医大学在学中は、イヌとオオカミを対象に、なぜイヌがヒトに対してこれほどまでに協力的なのか、それは家畜化の産物なのか、それとも祖先形質に由来する協力性を反映しているものなのかを検討しました。現在は、この研究を発展させ、イヌとヒトとの特異的な関係についても研究を進めています。
野生動物・家畜動物・伴侶動物を問わず、私たちは動物たちと世界を共有しています。私の研究が、野生ゾウとの軋轢軽減から飼育ゾウの福祉向上、さらにはイヌとの関係性改善に至るまで、ヒトと動物のより良い共存社会の実現に貢献するとともに、進化的および比較認知的観点からヒトの本性への理解をさらに深められることを願っています。
個人ページ: https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/archives/member/hoi-lam-jim-2