お知らせ
日英における動物福祉の捉え方の差に関する論文が出版されました(金森学振特別研究員 参画)
2026.01.21
英国と日本における動物福祉に関する考え方の違いを明らかにした研究論文が、国際学術誌 Animal Welfare に掲載されました。本論文は、日英の研究者からなる国際研究チームによる共同研究であり、金森万里子 人と社会の未来研究院 学振特別研究員PDも共著者として参画しています。
動物福祉は英国から始まった概念で「動物の精神的・身体的状態」と定義されています。近年、多様性や持続可能性への意識の高まりから、動物福祉への配慮が国際的な関心事となっています。動物福祉には基本原則があり、動物は「飢え・渇きからの自由」「恐怖・抑圧からの自由」「不快からの自由」「痛み・怪我・疾病からの自由」「正常な行動を発現する自由」の「5つの自由」が保障されることが重要です。
日英の獣医師及び動物行動/福祉学研究者を対象としたアンケート調査を行った結果、日本と英国の獣医師・動物福祉学研究者は、動物福祉に対して概ね同様の価値観を持っている一方、「正常な行動を発現する自由」への考えが異なり、その違いが両国で推奨されている動物の管理方法にも影響していることが分かりました。
動物福祉は、動物と人がより良い関係で暮らす社会の基礎となる考え方です。一方、日本で育まれてきた動物観や文化と、英国発祥である動物福祉の両立にはバランスの取れた熟議が必要です。本研究では、英国と日本の共通点・差異を可視化することで、議論の一助となる客観的データを提供しました。

本成果は、2025年8月6日にオンライン掲載されました。オープンアクセスですのでこちらよりどなたでもご覧いただけます。
日本語での詳細は、こちらの北海道大学のプレスリリースよりご覧になれます。
書誌情報:
Otani Y, Kanamori M, Kato H, Dwyer CM. Cross-cultural variation in understanding of animal welfare principles and animal management practices among veterinary and animal welfare professionals in the UK and Japan. Animal Welfare. 2025;34:e55.