お知らせ
Huang 博士課程学生、内田教授、金森研究員らによる、社会的なつながりの負の健康影響についての論文が出版されました
2026.01.21
周囲からの評判を気にすると、地域のつながりによる健康効果が打ち消されてしまう可能性
~地域のつながりが必ずしもメンタルヘルスに良いと限らないのはなぜなのか~
Huang, Kuan-Ju(内田研究室 博士課程学生)、内田由紀子(京都大学 人と社会の未来研究院 教授)、金森万里子(京都大学 学振特別研究員PD)らの研究グループによる、社会的なつながりの負の健康影響についての論文が、国際学術誌Social Science & Medicineより出版されました。
地域における信頼や助け合い、愛着は、メンタルヘルスに役立つ可能性があります。しかし同時に、こういった地域の結束が強いからこそ、周囲の人からの評判が気になるなど、負の影響も生じる可能性が指摘されてきました。このたび私たちは、高齢者約2万3千人の一時点のデータを分析し、「地域の結束」と「評判への懸念」と「うつ症状」の関係を明らかにしました。その結果、地域の結束が強い地域では、周囲の人からの評判を気にする傾向も高まり、そのことが、地域の結束がもたらすメンタルヘルスの良い効果を打ち消していました。また、このような負の効果は教育歴の短い人においてより顕著でした。こういった地域の結束の「光と影」の両面に注目することで、つながりを促進しながらも、周囲からの評判を気にする傾向を助長しないような、開かれた地域づくりを目指すことが大切です。

本成果は、2025年5月21日にオンライン掲載されました。オープンアクセスですのでこちらよりどなたでもご覧いただけます。
日本語での詳細は、こちらのJAGESプロジェクトのプレスリリースよりご覧になれ
書誌情報:
Huang, K.-J., Uchida, Y., Takemura, K., Fukushima, S., Aida, J., Hanazato, M., Kanamori, M. (2025). Paradoxical effects of community social cohesion on mental health and help-seeking among older adults: The role of reputation concern and socioeconomic status. Social Science & Medicine, 380, 118234.