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第32回韓国箱庭療法学会にて、河合俊雄教授が講演を行いました

2021.06.21

第32回韓国箱庭療法学会にて、河合俊雄教授が“Sandplay and talking in Psychotherapy”の題で講演を行いました (2021年6月13日/オンライン講演)。

 

韓国箱庭療法学会のHPはこちらです。
http://www.sandplay2004.or.kr/home/

 

この発表で教授は、箱庭療法が、非言語的な心理療法であることにまず着目しています。深層心理学では、心には、意識(≒言語的な次元)と無意識(≒非言語的な次元)という二つの層が想定され、心理療法によって、言語的な次元からより心の深層へと進んでいくプロセスが目指されます。しかし、心理療法に訪れた相談者が自身の問題や感情に気付き、言葉にして表現することによって、心の深層へと進んでいくことには、相談者の混乱や抵抗を招いてしまうという難しさがあり、それを避けるためにも、イメージ表現を通したアプローチが役立つことを、教授は指摘しています。

特に箱庭療法では、相談者が箱庭について明確に言葉で説明する必要はなく、象徴的なイメージの表現を通して、心の深層での変容が起こっていくことに、教授は言及しています。また、自身の臨床実践での経験を交えながら、箱庭制作後に、相談者の現実生活や生育歴などに関する語りが徐々に変化していく傾向にも触れ、イメージでの表現は、相談者が自身の問題や感情に気付き、言葉にしていくための“容器”や“仲介者”としての役割も担っているのではないかと論じました。

 

Toshio Kawai. Sandplay and talking in Psychotherapy. (第32回韓国箱庭療法学会. 2021.6.13. オンライン開催)