お知らせ
佐藤弥特定准教授らが執筆した論文が出版されました
2019.11.20
佐藤弥特定准教授らが執筆した論文が出版されました.文化による食物への無意識感情反応の調整を解明しました.
Sato, W., Rymarczyk, K., Minemoto, K., Wojciechowski, J., & Hyniewska, S. (in press).
Cultural moderation of unconscious hedonic responses to food.
Nutrients.
https://www.mdpi.com/2072-6643/11/11/2832/pdf
あらまし
先行の心理学研究は,食物画像が意識的・無意識的に感情反応を引き起こすこと,被験者の文化要因が食物への意識的感情反応を調整することを報告している.しかし,文化要因が食物への無意識の感情反応に影響するかどうかは不明であった.
我々はこの問題を,ポーランドと日本の被験者を対象とし,閾下感情プライミング法で調べた.文化普遍的なファーストフードおよび文化特異的な日本食の画像が,プライム刺激として閾下呈示された.被験者は後続の無意味図形に対して選好評定した.閾上呈示された食物画像に対しても選好評定した.
閾下での評定課題において,ポーランド人被験者は,ファーストフードがプライム刺激の条件で日本食の場合よりも高い選好評定を示した.日本人被験者では,ファーストフードと日本食で同等の選好評定であった.閾上での評定課題においては,ポーランド人も日本人も,ファーストフードと日本食に同等レベルの選好評定を示した.
こうした結果は,文化経験が食物への無意識の感情反応を調整すること,およびそうした効果が健在評定では検出できない可能性があることを示唆する.