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Alexander Kirchner-Häusler 特定助教が着任しました(2024年10月1日)

2025.01.06

2024年10月1日より、京都大学 人と社会の未来研究院に特定助教として着任いたしました、アレクサンダー・キルヒナー=ホイスラー(Alexander Kirchner-Häusler)と申します。

私は文化心理学を専門としており、私の研究は主に、文化、人間関係、ウェルビーイング(幸福)の多様な繫がりに注目しています。また、文化的な文脈が、私たちの心理傾向、ソーシャルダイナミクス、そして健康を、どのように形作るのかを探求しています。私の研究全体を通じる中心的な考え方は、私たちが生きる(たとえば、思考、感情、行動)方法や、幸福に生きる方法を理解するには、私たちが属する社会文化的な文脈が本質的に重要であるということです。私たちは単に「一般的に」で存在しているのではなく、「文化」(たとえば家族、性別、社会階層、国)の複雑な網の中に埋め込まれており、それが私たちの精神や社会的な世界を形作っています。これらの文化的な違いは無作為なものではなく、体系的で意味あるものです。それらは私たちの環境の中心的な価値観、目標、関心を反映しており、これらの考え方に自分を調和させることで、文化の要求や課題に対処しやすくなるのです。

現在、私はこれまでの研究をさらに発展させ、以下の3つのテーマに注力しています:

  1. 個人と文化の適合性・不適合性が、ポジティブな心理的成果(例:幸福、健康、満足のいく人間関係)に与える役割を探ること
  2. 中間レベル(例:小規模なコミュニティ、社会的ネットワーク、グループ)における文化的な違いやダイナミクスを理解すること
  3. 文化心理学の知見を、科学コミュニケーションの改善や現実の課題解決に活用すること

このような研究を進めるために、私は、多様な方法論(たとえば、標準化された実験、大規模な調査)や、統計的(多層構造方程式モデリング、一致分析、縦断的二者データ)アプローチを用いています。また、多様な文化的な文脈(たとえば、英米圏、西地中海地域、東アジア)を対象とすることで、心理学を西洋中心主義的な普遍主義から脱却させ、グローバルにおいて代表となり、公平な学問へと発展させることを目指しています。

Alexander Kirchner-Häusler

個人ページ: https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/en/archives/member/alexander-kirchner-hausler