「立ち止まって、考える」昆虫学

講義概要

これまでの人間の歴史は昆虫との戦いであった。農作物を餌とする農業害虫との戦いや感染症を媒介する衛生害虫との戦いである。20世紀には、化学農薬の使用を中心にこれらの害虫を防除し一定の成功を収めてきたが、そのやり方には限界があるとともに生態系への悪影響等の弊害も生じてきた。一方で、昆虫は絹糸の供給や作物の送粉などの形で人間に利益も与えてきた。21世紀を迎え、昆虫と人間の関係を立ち止まって考えるべき段階に来た。化学農薬の使用量を最小限度に留めながら農業における害虫被害をなくすにはどうしたらよいのか、多様な昆虫の持つ生物機能を利用して新たな研究や産業を起こせないのか、昆虫と人間が共存しながら生きていく関係を、みなさんと共に考えてみたい。

講義詳細(全4回)

講義リンク

講義はYouTube上でオンライン配信され、アーカイブにて終了後もご覧いただけます。

第1回「昆虫と人間のかかわりおよびマゴットセラピーの話」

第2回「農薬に頼らない害虫防除を目指して1:レーザー狙撃」

第3回「農薬に頼らない害虫防除を目指して2:天敵の利用」

第4回「昆虫のゲノム編集:その未来を立ち止まって考える」