メンバー

広井 良典

Yoshinori Hiroi

教授

専門分野:上廣倫理財団寄付研究部門及び社会的共通資本と未来寄附研究部門・兼任 公共政策・科学哲学

私の専攻領域は公共政策と科学哲学となりますが、大きくは「人間についての探究」と「社会に関する構想」を架橋することが基本的な関心です。そうした問題意識からこれまで行ってきたのは、第一に医療や福祉、社会保障などの分野に関する政策研究で、これは次第に環境、まちづくり、地域再生等の領域に広がっていきました。第二は死生観や時間、ケア、コミュニティなどのテーマに関する原理的な考察で、自分の中では関心の核に位置しています。第三は以上の二つをつなぐもので、具体的には「定常型社会=持続可能な福祉社会」と呼びうるような社会像の構想です。 最近は、以上とも関連するものですが、「鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想」など”鎮守の森”に関するプロジェクトをささやかながら進めています(「鎮守の森コミュニティ研究所」のホームページ参照)。

E-Mail: hiroi.yoshinori.5u*kyoto-u.ac.jp
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略歴

1984年
東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)
1986年
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(相関社会科学専攻)
1986〜96年
厚生省勤務
1996年
千葉大学法経学部助教授
2001〜02年
マサチュ-セッツ工科大学(MIT)客員研究員
2003年
千葉大学法経学部教授
2016年
京都大学こころの未来研究センター教授
2022年
京都大学人と社会の未来研究院教授

著書・論文

著書(単著)
〇『商店街の復権――歩いて楽しめるコミュニティ空間』、筑摩書房、2024年。
○『科学と資本主義の未来』、東洋経済新報社、2023年。
〇『無と意識の人類史』、東洋経済新報社、2021年。
〇『人口減少社会のデザイン』、東洋経済新報社、2019年。
〇『持続可能な医療』、筑摩書房、2018年。
〇『ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来』、岩波書店、2015年。
〇『人口減少社会という希望――コミュニティ経済の生成と地球倫理』、朝日新聞出版、2013年。
〇『創造的福祉社会』、筑摩書房、2011年。
〇『コミュニティを問いなおす――つながり・都市・日本社会の未来』、筑摩書房、2009年。〔第9回大仏次郎論壇賞受賞〕
〇『グローバル定常型社会――地球社会の理論のために』、岩波書店、2009年。
〇『持続可能な福祉社会』、筑摩書房、2006年。
〇『ケアのゆくえ 科学のゆくえ』、岩波書店、2005年。
〇『生命の政治学――福祉国家・エコロジー・生命倫理』、岩波書店、2003年。
〇『死生観を問いなおす』、筑摩書房、2001年。
〇『定常型社会 新しい「豊かさ」の構想』、岩波書店、2001年。
〇『ケア学――越境するケアへ』、医学書院、2000年。
〇『日本の社会保障』、岩波書店、1999年。〔第40回エコノミスト賞受賞〕
〇『ケアを問いなおす』、筑摩書房、1997年。
〇『医療保険改革の構想』、日本経済新聞社、1997年。
〇『遺伝子の技術、遺伝子の思想―医療の変容と高齢化社会』中央公論社、1996年。
〇『医療の経済学』、日本経済新聞社、1994年。
〇『生命と時間――科学・医療・文化の接点』、勁草書房。
〇『アメリカの医療政策と日本』、勁草書房、1992年。〔吉村賞受賞〕
編著
〇広井良典編『商店街の復権――歩いて楽しめるコミュニティ空間』、筑摩書房、2024年。
〇広井良典編『ケアとは何だろうか(講座ケア:第1巻)』、ミネルヴァ書房、2014年。
〇広井良典・小林正弥編『コミュニティ(持続可能な福祉社会へ〔公共性の視座から〕第1巻)』、勁草書房、2010年。
〇広井良典編『「環境と福祉」の統合』、有斐閣、2008年。
〇広井良典・沈潔編『中国の社会保障改革と日本――アジア福祉ネットワークの構築に向けて』、ミネルヴァ書房、2007年。
〇広井良典・駒村康平編『アジアの社会保障』、東京大学出版会、2003年。
〇広井良典・山崎泰彦編『社会保障論(社会福祉士養成テキストブック)』、ミネルヴァ書房、2001年。
〇広井良典編『「老人と子ども」統合ケア』、中央法規、2000年。
論文
・広井良典「医療におけるイノベーションと医療制度」、『研究 技術 計画』第30巻(2015)1号.
・広井良典「自治体・地域の幸福度指標への視点」、『ガバナンス』166号(2015年2月).
・広井良典「「孤独」と「つながり」をめぐる諸相」、『建築雑誌』130巻(2015)1666号.
・広井良典「これからの地域コミュニティと医療・福祉」、『病院』73巻(2014)9号.
・広井良典「人口減少社会と統合医療」、『日本統合医療学会誌』7巻(2014)1号.
・広井良典「人類史における拡大・成長と定常化」、『環境思想・教育研究』7巻(2014).
・広井良典「生命化する世界:近代科学のその先へ」、『科学』84巻(2014)8号.
・広井良典「環境・福祉・幸福と地球倫理」、『環境研究』169号(2013).
・広井良典「新時代のコミュニティ論」、『建築と社会』94巻(2013)5号.
・広井良典「「もうひとつの科学」は可能か」、『科学』83巻(2013)2号.
・広井良典「社会保障と福祉国家の未来」、『歴史地理教育』2012年11月号
・広井良典「コミュニティ醸成型のまちづくり」、『市街地再開発』2012年9月号.
・広井良典「低炭素都市と医療・福祉・コミュニティ」、『新都市』66巻(2012)5号.
・広井良典「成長のための「科学」を超えて」、『科学』82巻(2012)3号.
・広井良典「エネルギー自治と地域再生」、『季刊政策・経営研究』2012年3月号.
・広井良典「なぜコミュニティなのか。どうしていま、文化なのか」、『こころ』2012年7月号.
・広井良典「復興後のコミュニティモデル」、『地域福祉研究』40巻(2012).
・広井良典「定常型社会における農村社会の課題」、『農村計画学会誌』29巻(2011)4号.
・広井良典「地域再生への視点―自治体アンケート調査結果を中心に」、『公共研究』第7巻(2011)1号.
・Yoshinori Hiroi, “Visions of the Sustainable Welfare Society: Extending Social Quality into an Asian/Developmental Context,” International Journal of Social Quality, Volume 1(2011), Number 1, pp.19-31.