講演・公開講義など アーカイブ
第100回京都大学丸の内セミナー特別講演会で河合俊雄センター長が司会を務め、広井良典教授が講演を行いました
2018年11月1日、京都アカデミアフォーラムin丸の内で「第100回京都大学丸の内セミナー特別講演会〔人文・社会科学の未来〕」が開催されました。「京都大学丸の内セミナー」は2010年6月から毎月1回開催されており、今回、第100回目を迎えました。
本セミナーでは、河合俊雄センター長が司会を務め、「人文社会学系」の先生方3名による講演のうち、広井良典教授は「人口減少社会のデザイン」と題した講演を行いました。
広井教授の講演では、日立京大ラボとの共同研究である「AIを活用した持続可能な日本の未来に向けた政策提言」の内容から始まり、人類史の中のポスト成長・人口減少社会、今後目指すべき「持続可能な福祉社会」という社会モデル、そして「グローバル定常型社会」という展望について、具体例を交えつつ幅広い視点からの議論を展開されました。 また、総合討論の時間では、河合センター長より各講演内容における今後の展望などが語られ、参加者からの疑問や質問を加えながら討論が行われました。広井教授には、AIを活用した社会構想で示された「地方分散型シナリオ」について質問があり、シミュレーションでは財政の効率性や環境・資源に関するマイナス面も出たが、人口や地域の持続可能性そして格差・健康・幸福という観点からは地方分散型が望ましいという結果が示されたという点についてディスカッションが行われました。
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新潟青陵大学で開催された日本箱庭療法学会第32回大会にて粉川尚枝特定研究員が河合俊雄教授・畑中千紘特定講師らと口頭発表を行いました
2018年10月20、21日、新潟青陵大学で開催された日本箱庭療法学会第32回大会にて、粉川尚枝特定研究員が河合俊雄教授・畑中千紘講師らと口頭発表を行いました。
この発表は、「発達障害の子どものプレイセラピーと発達検査の比較検討」という題で、当センターの平成29年度教員提案型連携研究プロジェクトである「子どもの発達障害へのプレイセラピー」プロジェクトにより行われたものです。 発表した研究では、プレイセラピーのプロセスと発達検査の結果を比較するという、数量的な視点を含めた方法で、客観的にセラピーの有効性を検討することを試みました。
今後もプロジェクトでは、発達上の問題で来談する子どものプレイセラピーについて、実証研究・治療機序の検討を積み重ねていくことを目指しています。 また、今回発表した研究の成果は、論文等の形で発表していきたいと考えています。
なお、この研究成果は上廣こころ学研究部門(2012-2016年度)、上廣倫理財団寄付研究部門の成果を元にしたものです。
粉川尚枝・畑中千紘・梅村高太郎・皆本麻実・田附紘平・鈴木優佳・西珠美・山﨑基嗣・大場有希子・松岡利規・豊原響子・文山知紗・長谷雄太・水野鮎子・河合俊雄・田中康裕(2018)発達障害の子どものプレイセラピーと発達検査の比較検討(日本箱庭療法学会第32回大会. 2018.10.20-21.新潟青陵大学)
新潟青陵大学で開催された日本箱庭療法学会第32回大会にて畑中千紘特定講師が河合俊雄教授らと口頭発表を行いました
2018年10月20、21日、新潟青陵大学で開催された日本箱庭療法学会第32回大会にて畑中千紘特定講師が河合俊雄教授らと口頭発表を行いました。
この発表は「心理療法におけるこころの変容とその波及―心理療法事例のメタ的分析からー」と題され、心理療法の中で「こころが変わる」際に起こってくる動き、抵抗などについて100事例のメタ的分析を通して分析した結果について発表を行いました。
心理療法についての研究は情報保護等の問題からなかなか数量的に扱われることが少ないのですが本研究では抽象レベルから評定するという方法論の工夫によって臨床的な本質をわかりやすい形でとりだすことを目指しています。成果については論文等の形で今後、発表していく予定です。
畑中千紘・河合俊雄・田中康裕(2018)心理療法におけるこころの変容とその波及 -心理療法事例のメタ的分析から-(日本箱庭療法学会第32回大会.2018.10.20-21.新潟青陵大学)
広井良典教授が熊本市で開かれた第6回日仏自治体交流会議において基調講演を行いました
2018年10月10日、広井良典教授が熊本市で開かれた第6回日仏自治体交流会議において基調講演を行いました。
日仏自治体交流会議は、両国の地方自治の発展に寄与することを目的に行政課題や先進施策等について発表・議論するもので、2年に一度、日本とフランスで交互に開催されるものです。第1回会議は日仏交流150周年を記念して2008年にナンシー市において開催され、第6回目となる今回の熊本会議は日仏交流160周年に当たり、全6回を通して最多となる54の自治体(日本35自治体、フランス19自治体)が参加しました。
今回の会議の全体テーマは、「成熟社会における都市の魅力と価値の向上~人口規模や経済規模の増加に頼らない持続可能なまちづくりのビジョンと手法~」で、広井教授は10月10日の開会式に続く全体会において「成熟・高齢社会の都市ビジョン」と題する基調講演を行いました。その後3つの分科会に分かれて事例発表と討論が行われ、会議最終日には今後の日仏自治体交流の発展に向けた共同宣言(熊本宣言)が発表されました。
広井教授の基調講演「成熟・高齢社会の都市ビジョン」
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第6回日仏自治体交流会議の熊本開催について 第6回日仏自治体交流会議 プログラム・日程表
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佐藤弥特定准教授がブラジル サンパウロで講演を行いました
佐藤弥特定准教授がブラジルのサンパウロで8月20~31日に開催された The São Paulo School of Advanced Science on Social and Affective Neuroscience にて講演を行いました。
同会議は、世界中から選ばれた100名の若手研究者を対象として、13名の講演者が講演を行い、社会・感情神経科学について理論的・実践的な理解を深める国際会議で、佐藤特定准教授は「すばやい感情処理の心理神経メカニズム」「自閉症スペクトラム障害の心理神経メカニズム」「表情筋筋電図で感情価を測る」について講演を行いました。
The São Paulo School of Advanced Science on Social and Affective Neuroscience
The São Paulo School of Advanced Science on Social and Affective Neuroscience
広井良典教授が中国・大連で開催された社会保障に関する国際会議で基調講演を行いました
広井良典教授が中国・大連で9月15-16日に開催された第14回社会保障国際論壇で基調講演を行いました。
同会議は、中国社会保障学会、韓国社会政策学会東アジア研究特別委員会、日本社会政策学会日本・東アジア部会および東北財経大学(大連市)が主催するもので、日中韓の研究者を中心として、東アジア各国の社会保障をめぐる課題を幅広い観点から分析し、必要な政策提言等を行うことを目的とする国際会議です。
今回の会議の全体テーマは「社会保障とガバナンス」で、広井教授は一日目午後の基調講演の演者の一人として「持続可能な福祉社会へのガバナンス」と題する報告を行いました。
二日間の会議を通じ、日本、中国、韓国ひいては先進諸国が共通の課題として直面する高齢化や経済格差の拡大等への制度的対応、また特にデジタル・エコノミーが雇用や経済社会にもたらす影響と社会保障の関わりについて、欧米諸国の研究者も参加する形で活発な報告と討議が行われました。
広井教授講演の様子 会場の様子
広井良典教授が岩手県議会において幸福度指標に関する講演を行いました
2018年9月4日、岩手県盛岡市で広井良典教授が岩手県議会の次期総合計画特別委員会において幸福度指標に関する講演を行いました。
同特別委員会は、岩手県議会の全議員45名を構成員とし、今年度に岩手県が策定予定の次期総合計画(2019~2028年度の10年間)に関する調査等を行うことを任務とするものです。
岩手県においては、一昨年(2016年)から昨年にかけて行われた『「岩手の幸福に関する指標」研究会』(広井教授は研究会のアドバイザー)の検討結果を受けて、幸福度指標の理念や考え方を県の総合計画や政策に反映させていく方向での検討を進めており、今回の議会講演はそうした流れの中で行われたものです。
広井教授の講演は「幸せはローカルから――幸福度指標をめぐる課題と展望」と題し、幸福度指標への関心が高まっている背景や国際的動向、幸福度指標の策定をめぐる具体的な論点や課題、幸福度指標と人口減少社会・地方創生に関する政策課題等、幅広い内容のもので、これについて各議員との間で活発な質疑応答や意見交換がなされました。
畑中千紘特定講師が栄養教職員を対象とした研修会で講演を行いました
2018年9月1日(土)に大阪市にて開催された 近畿圏内の学校に勤める栄養教職員を対象とした研修会において 畑中千紘特定講師が講演を行いました。
子どもの食や栄養に関する教育を行う栄養教職員は、 食の課題を通して子どものこころの問題に直面することが多くあります。 そこで講演は「子どもの食とこころの発達:発達障害と現代のこころの課題」と題され、これまでの上廣倫理財団寄付研究部門におけるプロジェクトの成果から、 現代の子どものこころの問題について、発達障害の理解とアプローチの視点を中心にお話しし、100名をこえる参加者が熱心に聴講しました。
畑中千紘特定講師がフランクフルトにて開催されたIAAPとIAJSのジョイントカンファレンスで口頭発表を行いました
20018年8月2日~5日にドイツ・フランクフルトにて開催されたIAAP(国際分析心理学会)とIAJS(国際ユング研究学会)のジョイントカンファレンスで畑中千紘特定講師が口頭発表を行いました。
"The Empirical Research of the Paradoxical Transformation in Psychotherapy"と題されたこの発表は 心理療法においてこころが変わっていくプロセスにみられる逆説性について、実証的に検討を行ったものです。 一般に心理療法は、マイナスの状態からプラスの状態へ変える(変わる)ための ものと考えられています。 しかし実際のところ、そのプロセスではいったん症状が悪くなるように見えることがあることが経験的に知られています。 心理療法は、自分の問題に向き合っていくプロセスであることから それは当然のことでもあるのですが、 一般には、症状が改善する際には一度悪くなることを想定している人はあまりいないでしょう。 しかし、何かを学んだり上達するためには楽しい思いばかりでなく ハードな練習や苦労が必要なように、こころが変わるためにも 単に右上がりのプロセスをたどることが難しいことがあります。 この研究はそうしたことを、数量的にも検討をしたものです。
本発表の成果は、今後論文等で公表する予定です。
河合俊雄教授がフランクフルトにて開催されたIAAPとIAJSのジョイントカンファレンスのPlenary Sessionで講演を行いました
2018年8月2日~5日にドイツ・フランクフルトにて開催されたIAAP(国際分析心理学会)とIAJS(国際ユング研究学会)のジョイントカンファレンスのPlenary Sessionで河合俊雄教授が講演を行いました。
講演は、"The Tension and Paradox between Determinate and Indeterminate Sate: Clinical, Social and Cultural Aspects" と題され、 Determinate (確定的な状態)とIndeterminate (不確定な状態)との間の 緊張関係・逆説性について論じました。
現代社会はますます自由度が高まり、 人々の選択の幅が広がって個別性・多様性が高まっています。 しかしその反面、心理療法においてもより具体的な方法が流行しているように 何かはっきりした答えのようなものを求める傾向が高まっています。 ユングは、その理論の中で対立物の結合の重要性について述べましたが 「反対のものが結合する」という概念が矛盾をはらんでいるように、 それは弁証法的な動きを含んでいます。 はっきりしたものにすがりたいと感じる現在の私たちの傾向も、 それに対してすぐに具体的な回答を与えればよいというものではなく、 脳科学がデフォルトモードネットワークの重要性について指摘したように、 不確定な、ぼんやりした状態からはっきりしたものが立ち上がってくるという動きが重要であることを指摘しました。
放送大学京都学習センターの公開講座に吉川左紀子教授、畑中千紘特定講師が、京都大学学生総合支援センターの杉原保史センター長・教授と共に登壇しました
7月22日(日)、放送大学京都学習センターの公開講座に吉川左紀子教授、畑中千紘特定講師が、京都大学学生総合支援センターの杉原保史センター長・教授と共に登壇しました。
「心理学からみた若者のこころと現代社会」と題されたこの講座では、まず杉原教授が「学生相談室から見たいまどきの学生の悩みー青年っぽくない青年たちの理解に苦しむ大人っぽくない大人たち」として講演を行い、続いて畑中講師が「若者のイマから現代社会を考えるー非定型化する社会とこころー」としてお話しました。
これら2つの講演では、多くの中高生・大人の相談者との臨床経験や最新の研究成果をもとに、現代を生きる人たちのこころがどのように変わってきているのか、具体的な例をあげながら論じられました。さらに、一見、理解しにくいように見える異世代の特徴が、実は社会全体のものであるかもしれないことなども指摘されました。
そして、この2つの講演を受け、吉川教授が「世代間コミュニケーションの難しさと面白さ」と題し、心理相談が、新しい時代に合わせてどのように変化しているかについて紹介し、今までのものが変わっていくことの重要性と難しさについて述べました。
さらに、中高生の悩みにテキストで答えるSNS心理相談と、認知症高齢者に対して「見る、触れる」などの感覚を活用してケアする「ユマニチュード」の技法を比較し、一見正反対のようでありながら、相手に合わせてこころの交流をはかろうとする、世代を超えたコミュニケーションのあり方としての共通点を指摘しました。
質疑とディスカッションの時間では、吉川教授が司会となり、会場から寄せられた多くの質問に対して、杉原、畑中両講師が丁寧に応答しコメントをしました。猛暑の一日でしたが、130名を超える方が来場され熱心に聴講されていました。
阿部修士特定准教授が中央大学で講演を行いました
阿部修士特定准教授が2018年7月14日、中央大学 駿河台記念館で開催された人文科学研究所主催公開研究会で「正直さの認知神経科学」と題した講演を行いました。
講演会の様子
主催の中央大学 人文科学研究所研究会「高次脳機能の総合的理解」チームは『近年、心理学的アプローチは拡大し、従来の実験心理学的手法や神経心理学的手法に加えて、脳機能イメージングによる手法が台頭してきた。研究チームでは、これらのアプローチについて相互の関係性について論議し、高次脳機能として今後の心理学的アプローチについての包括的なモデルを探求したい』としています。
阿部特定准教授は、1)正直さの個人差を規定する報酬感受性の神経基盤、2)パーキンソン病による正直さの変容、3)米国刑務所内のサイコパスにおける不正直さの特徴と神経基盤、についての認知神経科学的研究を紹介し、人が嘘をつくことで利得を得られる場面での意思決定のメカニズムについて話しました。
阿部修士特定准教授が第27回日本健康教育学会学術大会で教育講演を行いました
阿部修士特定准教授が2018年7月8日、姫路市民会館で開催された「第27回日本健康教育学会学術大会」で「より良い意思決定の実現に向けて:脳とこころの傾向と対策」と題した教育講演を行いました。
一般社団法人日本健康教育学会が主催する同大会は、毎年開催されており、今年度は「健康教育,ヘルスプロモーションを"見える化"する社会的意義-プロセスはいかにして結果に至るのか?-」をテーマに行われました。
阿部特定准教授は、意思決定のメカニズムを主に心理学と脳科学の観点から概説するとともに、どのようなストラテジーを取ることがよりよい意思決定につながりうるのかを、健康教育の視点とともに話しました。
[開催案内]
*クリックするとPDFでご覧いただけます
第27回日本健康教育学会学術大会のウェブサイト http://www.knt.co.jp/ec/2018/27nkkg/index.html
滋賀県立膳所高等学校の生徒さんがセンターを訪問し阿部修士特定准教授のレクチャーを受講しました
2018年6月15日、滋賀県大津市の滋賀県立膳所高等学校の生徒さんがこころの未来研究センターを訪問し、阿部修士特定准教授のレクチャーを受けました。
文部科学省指定「スーパーサイエンスハイスクール事業」の一環として実施されたもので、3年生が2名、2年生が13名、計15名が参加しました。
「文理融合の脳科学における意思決定の研究」と題した講義では、人間の脳の研究方法について、脳損傷患者における脳の損傷部位と認知機能の障害との対応を調べる神経心理学の手法が紹介されました。また、近年ではfMRI(機能的磁気共鳴画像法)と呼ばれる手法を用いることで、認知機能遂行中の脳の活動部位を探る研究が行われていることの説明がありました。
次に意思決定を司る脳のメカニズムについて、1人の命を犠牲にすることで5人の命を救える場面に遭遇したら、人はどのように考え、行動するのか?といった問いを生徒に投げかけながら、複雑な意思決定のメカニズムを探求する最新の脳科学の現状を文系・理系双方の視点からお話されました。
質疑応答の際には、生徒たちから「脳の働きは何に影響を受けるのか?」「依存症は理性的に考えられない、なぜおこるのか?」などの質問が出ました。
最後に阿部特定准教授から、「勉強を進めていく中で、自分が思っていなかったところに興味がわくことがあります。私は文系でしたが、途中、理系にも興味が出てきました。将来、何に興味が出てくるのかわからない。自分は、文系だから、理系だからと、視野を狭めず、いろんな分野に興味を持って、好きな学問を見つけて学んでほしい。」とアドバイスがありました。
京都大学総合博物館「Lecture series -研究の最先端-」に上田祥行特定講師が登壇します
さまざまな分野の研究をリードする京大の研究者たちに研究のおもしろさや、可能性を京都大学総合博物館館長が聞き出す「Lecture series -研究の最先端-」(主催:京都大学総合博物館)。
2018年6月16日、上田祥行特定講師が「日本人と北米人ではものの見方が違う―探索課題で明らかになる視覚認知の文化差―」をテーマに登壇します。
「日本人と北米人ではものの見方が違う―探索課題で明らかになる視覚認知の文化差―」
文化が私たちの考え方に影響するという多くの証拠がある一方で、基礎的な視知覚の動きはユニバーサルであると思われてきました。しかし、私たちの研究で思考や推論などの要素を注意深く取り除いてみると、非常に単純なものの見方にも暮らしている環境の影響があることがわかってきました。
私たちの感じたり(知覚)、考えたり(認知)する能力がどのように育まれているのかには、まだわからないことがたくさんあります。実験心理学がどのような手法でこの問いに挑んでいるのかを知り、こころの不思議と向き合ってみましょう。
◇概要
・開催日時:2018年6月16日(土)10:30~12:00
・開催場所:ミューズ・ラボ(京都大学総合博物館1階 自然史展示室内)
・参加費 :無料です。ただし、博物館への入館料は必要です。
・問い合わせ:TEL(075)753‐3272 FAX(075)753‐3277
E‐mail: info@inet.museum.kyoto-u.ac.jp / URL:http://museum.kyoto-u.ac.jp
*こころの未来研究センターでは申込受付は行っておりません
広井良典教授が兵庫県医師会医政フォーラムで基調講演を行いました
広井良典教授が2018年5月26日に兵庫県医師会館で開催された兵庫県医師会医政フォーラムで基調講演を行いました。
同フォーラムは、医療政策をめぐる様々なテーマについて兵庫県医師会委員が検討を行い、毎年発表を行うもので、今年度は「成熟社会における社会保障―公的医療保険の役割」をテーマとして行われました。
最初に広井教授が「人口減少社会を希望に――成熟社会における医療と社会保障」と題する基調講演を行い、続くシンポジウムでは5名の医師会委員より 「1.地域医療構想の社会保障への影響について」 「2.成熟社会での公的医療保険の守備範囲――高額薬剤をどう扱うのか」 「3.いわゆる混合診療圧力拡大にどう応えるのか?」 「4.社会保障は政争の具か――年金不安論がもたらすもの」 「5.成熟社会における医師の働き方」という個別テーマについての報告が行われ、それらについて広井教授がコメンテーターとして参加し、幅広いディスカッションがなされました。
吉岡洋特定教授が国立国際美術館でレクチャーを行いました
吉岡洋特定教授が2018年4月27日に国立国際美術館のプレミアム・フライデー「アート/メディア―四次元の読書」関連イベントでレクチャーを行いました。
国立国際美術館では、アーティストの藤本由紀夫氏とともに、美術館に併設された図書のコーナーの新しい楽しみ方を探る「アート/メディア―四次元の読書」を開催。第三期(2018年1月20日~5月6日)のテーマは「コマ―回転と重力」。こまの宇宙をさまざまな角度から読み解く空間がつくられました。
画像は「アート/メディア―四次元の読書」の展示風景。(撮影:福永一夫)(左下)
吉岡特定教授のレクチャーは「コマ」をテーマに、「球体と回転」「回転による神秘体験」「生物と回転機構」「車輪(Wheel)のシンボリズム」「大団円―回転と終末」と5つのサブジェクトを挙げ、それぞれから多様な話が展開しました。
「球体と回転」では詩人 八木重吉のこまを題材にした詩について、そしてギリシャ神話の完全な存在としての両性具有(アンドロギュノス)が球体のような体であったことや、スミソニアン美術館で偶然見つけた「地球ゴマ」、現代の精密な「地球ジャイロ」映像など、「球体と回転」から連想される多岐にわたる話に参加者は熱心に聞き入っていました。質疑応答後、参加者たちは吉岡教授を囲み、資料や映像を見たり、実際のコマに触れたり、「コマ―回転と重力」を聞いて見て触る機会となりました。
吉岡洋特定教授がパリ第8大学で「ポップカルチャー美学」の特別講義を行いました
吉岡洋特定教授が、2018年3月7日パリ第8大学において「ポップカルチャー美学」の特別講義を2回行いました。
1回目は午後1時からでテーマは「思考のインフラとしての〈物語〉」。推論や論理とは別な仕方で思考を導く〈物語る力〉について、主にゲームやライトノベルの研究をしているフランス人学生にむけて講義しました。(写真下・左)
2回目は午後6時から「〈私〉は存在するのか?」と題して、自我や自己意識の自明性を美学=感性学(aesthetics)の立場から批判的に解きほぐすという議論で、パリ大学の学生のほかフランス在住の日本人アーティストも何人か聴講していました。(写真下・右)
いずれの講義も参加者はとても熱心で、講義後の議論も非常に活発で面白いものでした。
パリ第1大学(ソルボンヌ・パンテオン)においてオルガ・キッセレーヴァ教授との意見交換も行いました。
ソルボンヌはその起源が12世紀にまで遡る世界最古の大学のひとつですが、そこでロシア人メディアアーティストであるキッセレーヴァ教授による、アートと科学に関する最先端の講義が行われていることは、まさしく21世紀を感じさせます。写真(下・左)の背景はソルボンヌでも最も古い建物のひとつ、そして教授がいつも講義している階段教室の入り口には、「1906年11月5日、マリ・キュリー教授(キュリー夫人)が、ソルボンヌで最初の女性教授による講義を行った」ことを示すプレートがありました。(写真下・右)
オルガ・キッセレーヴァ教授と吉岡教授
広井良典教授が特別区(東京23区)の新任職員を対象とする研修で記念講演を行いました
広井良典教授が特別区(東京23区)の新任職員を対象とする研修で記念講演を行いました。
同研修は、2018年4月10日、昭和女子大学・人見記念講堂にて、特別区(東京都23区)に採用された新人職員を対象に行われるもので、東京都各区から2,063名が参加して行われました。
広井教授の記念講演は「人口減少社会のデザイン――これからの日本社会と都市・地域・幸福」と題し、日本が2011年から本格的な人口減少社会となり、東京もまもなくそうした局面に入る中で、これまでの拡大・成長時代とは異なる、成熟時代の新たな豊かさや幸福をデザインしていく時代に入るという時代状況を指摘した上で、「コミュニティとまちづくり」、「若者支援とこれからの社会保障」、「自然と伝統文化の重要性――鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想」、「どのような社会を目指すのか――『持続可能な福祉社会』の可能性」、「グローバル定常型社会の展望」という話題にそくして行われました。
広井良典教授 会場の様子
清家理助教が京都地域包括ケア府民講座のパネルディスカッションにパネリストとして登壇しました
清家理助教が2017年12月8日にKBS京都ホールで行われた京都地域包括ケア府民講座「さいごまで自分らしく生きる」のパネルディスカッション(ラジオ公開録音)にパネリストとして登壇しました。
京都地域包括ケア推進機構が主催するこの講座は、高齢になっても住み慣れた場所でいつまでも暮らしたい。そのためにはどのようにすればよいかを考えるものです。
第一部は木澤義之氏(神戸大学医学部付属病院緩和支援治療家特命教授)が「自分らしく生きるとは」と題して基調講演をしました。続く第二部のパネルディスカッションでは、どのようにして自分の考え方をまとめていくのかについて、さまざまな視点から議論されました。清家助教は、エンディングノートを書くことを通して「どのような性格か、どのようなことを大切にしているのか、価値観などを再確認できる」また「自分の人生の考えの記録」として活用するのは意義があると述べました。
京都地域包括ケア推進機構のホームページではこの講座のダイジェスト映像をご覧になることができます。
http://www.kyoto-houkatucare.org/mitori/seminar/
この講座の様子は『週刊トマト&テレビ京都』と京都地域包括ケア推進機構 看取り対策プロジェクトが企画・制作した冊子『リレートーク集 さいごまで自分らしく 医療・介護・福祉の立場から』に掲載されました。
『週刊トマト&テレビ京都』
『リレートーク集 さいごまで自分らしく 医療・介護・福祉の立場から』
[開催案内]
内田由紀子准教授が作業療法神経科学研究会の第4回学術集会に登壇します
内田由紀子准教授が作業療法神経科学研究会の第4回学術集会で「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の効果と実践:作業療法現場における援用を考える」と題して特別講演をします。また元センターの学振特別研究員で現在、ヨーク大学心理学部の伊藤文人氏による招待講演「より効果的な作業療法実践を探る:社会脳科学によるコミュニケーションのコツ」もございます。日時は2018年6月16日(10時~17時30分)で、場所は北海道大学学術交流会館です。
作業療法神経科学研究会は臨床と基礎の融合・異分野との交流を通して作業療法の更なる発展を目指すため、OT免許を持つ臨床家・大学教員・研究者によって設立された研究会です。
広井良典教授が東京自由大学でのゼミナール「人口減少社会のデザイン」で講義します
広井良典教授がNPO法人・東京自由大学(鎌田東二初代理事長、島薗進学長)でのゼミナール「人口減少社会のデザイン」で講義します。日時は2018年3月10日・17日の全2回(いずれも13時~17時)で、人口減少社会をめぐる諸課題について、以下のような趣旨のもと幅広い視点から議論を進める予定です。なお本講義は、上廣倫理財団寄付研究部門における社会還元事業の一環としても位置づけられています。
(東京自由大学ホームページより)
「日本は2011年から本格的な人口減少社会となり、すべてが「拡大・成長」の下で展開してきた明治以降の百数十年とは全く異なるベクトルの時代に入った。資本主義/ポスト資本主義あるいは人類史的な視座も踏まえつつ、日本が世界の"フロントランナー"として歩んでいく人口減少社会のデザインを、具体的な政策・制度(社会保障、コミュニティ、地域再生など)や思想・理念(含死生観)とともに考えたい。」
[こちらをクリックするとお申込みフォームに移ります](東京自由大学のウェブサイト)
河合俊雄教授が龍谷大学世界仏教文化研究センター公開研究会で講演。京都新聞、中外日報で取り上げられました
河合俊雄教授が2018年2月11日、龍谷大学世界仏教文化研究センター公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」で「ユング派心理療法と華厳経」と題した講演を行いました。
雪がちらつく中、会場は満員の熱気につつまれました。第一部は龍谷大学世界仏教文化研究センターの3人の先生方の発表、第二部で河合教授、明治大学野生の科学研究所中沢新一所長のお話が続きました。河合教授はユング心理学からみた華厳の考え方や、その日本人にとっての意味について講演を行いました。たとえば、一の中に一切があるという華厳の基本的な考え方は日本人の発想に非常に近く、だからこそ箱庭療法が意味をもちます。つまり、箱庭を作るということは、その具体的な作品を作るということではなくてその人のこころや魂のすべてでもありえるということかもしれないのです。
第三部の登壇者全員で行われたディスカッションでも、象徴の介在なしに直接的にものとつながる日本人のあり方が話題となり、西洋で発展した象徴解釈をもとにした箱庭療法とは異なり、日本での箱庭は、置くことそのものに治療的な意味が生じるという議論にもなりました。その他にも、無から何かが生じてくることについてなど、興味深い議論が繰り広げられ、このシンポジウムが継続的に開催されることに期待が高まる中、幕が閉じられました。
この様子は京都新聞、中外日報で取り上げられました。京都新聞の記事はウエブで閲覧可能です。下記のリンク先にてご一読ください。
「南方熊楠、知の空間先取り 科博企画展に京都の研究反映」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20180226000117
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
広井教授が国際高等研究所で行われたKGIフォーラム設立3周年シンポジウムで記念講演を行いました
広井良典教授が国際高等研究所で行われたKGIフォーラム設立3周年シンポジウム(2月15日)で記念講演を行いました。
KGIフォーラムとは「けいはんなグリーンイノベーションフォーラム」の略称で、けいはんな学研都市を拠点として、高度経済成長時代とは異なる新たな社会のデザインや定常型の"もう一つの文明"を構想する趣旨で2015年4月に設立された「産官公住」のネットワーク組織です。
今回のシンポジウムはその設立3周年を記念して開催されたもので、「社会的共通資本としての「自然資本」について」をテーマとし、第Ⅰ部では池内了氏(KGIフォーラム代表代行、総合研究大学院大学名誉教授)の冒頭あいさつ、中桐万里子氏(親子をつなぐ学びのスペース リレイト代表)の特別講演に続き、広井教授が「人口減少社会を希望に―もう一つの日本・世界へ」と題する記念講演を行い、さらに第Ⅱ部では地域資源「伝統的未来技術」に関する4事例の報告がなされました。
[開催案内]
[リンク:けいはんなグリーンイノベーション]
http://www.kgi-forum.org/home/kaicuianneikgiforamusheli3zhounianribennoweilaifakanjinianshinpojiumupingcheng30nian2yue15rimu13301830
広井教授が「いわて 総合計画 県民フォーラム」で基調講演を行いました
広井良典教授が2018年1月28日に行われた「いわて 総合計画 県民フォーラム――みんなで、幸福を守り育てるために」(岩手県盛岡市)で基調講演を行いました。
(写真:つくろう!いわて総合計画 Facebookページより)
同フォーラムは、岩手県が次の総合計画を策定するにあたり、同県において一昨年から昨年にかけて行われた『「岩手の幸福に関する指標」研究会』(広井教授は研究会のアドバイザー)の検討結果を受けて、幸福度指標の理念や考え方を県の総合計画に反映させていくことを趣旨の一つとして開催されたものです。
フォーラムでは、達増拓也・岩手県知事の主催者挨拶、岩手県政策地域部の趣旨説明を受けて、広井教授が「幸せはローカルから――幸福度指標をめぐる課題と展望」と題する基調講演を行い、さらに達増知事ら4名のパネリストによる「これからの岩手、岩手の幸福」をテーマとするパネルディスカッションがなされ、広井教授がコメンテーターを務めました。
つくろう!いわての総合計画(岩手県)ウェブサイト
http://www.iwate-nextplan.jp/index.html
広井教授が市町村アカデミーで人口減少社会に関する講演を行いました
広井良典教授が2018年1月10日、市町村アカデミーの市町村長特別セミナーで「人口減少社会を希望に――グローバル化の先のローカル化」と題する講演を行いました。
市町村アカデミー(市町村職員中央研修所、千葉市美浜区)は、全国の市町村職員や議会議員、市町村長を対象に、その政策立案能力の向上を図る目的で様々な研修を行う機関で、公益財団法人全国市町村研修財団が運営しています。今回の講演は市町村長を対象として2日間にわたって行われた「市町村長特別セミナー~自治体経営の課題」及び管理職特別セミナーの一環をなすもので、全国の各市町村から市町村長35名、副市町村長32名、管理職30名の計97名が参加しました。
広井教授の講演では、「人口減少時代の社会構想――真の「豊かさ」に向けて」とのイントロダクションに始まり、コミュニティとまちづくり、伝統文化の再評価(鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想)、ローカライゼーションとコミュニティ経済、若者支援と社会保障、都市と農村の持続可能な相互依存、グローバル定常型社会の展望といった話題にそくして、人口減少社会における政策課題と対応の方向が提起されました。
広井教授が「『しあわせの経済』世界フォーラム2017 in 東京」に登壇しました
広井良典教授が2017年11月11日に日本教育会館で行われた「『しあわせの経済』世界フォーラム2017 in 東京」で報告を行いました。
同フォーラムは、世界40か国で翻訳されている『懐かしい未来(Ancient Futures)』の著者ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ氏が、2009年よりアメリカ、イタリア、インドなどで開催してきたもので、日本では初の開催となるものです。
今回の会議は、「Local is Beautiful」を標語としつつ、気候変動や経済危機、富の格差、心の病の増加など、世界共通の課題解決に向け、地域のコミュニティや生態系を基盤とした「ローカル経済」の役割や重要性を議論する内容となっています。事務局は、『スロー・イズ・ビューティフル』等の著書で知られる文化人類学者の辻信一氏(明治学院大学教授)が世話人の環境NGO・ナマケモノ倶楽部(東京)が務めました。
広井教授は、「日本からの視点」と題するセッションに登壇し、「人口減少社会を希望に―グローバル化の先のローカル化」と題する報告を行ったほか、山崎亮氏(コミュニティ・デザイナー、東北芸術工科大学教授)、吉原毅氏(城南信用金庫顧問)、野々山理恵子氏(パルシステム東京理事長)とのパネル討論に参加しました。
フォーラムの模様が動画サイト YouTube で公開されています。下記リンク先にてご覧ください。また、広井教授の発言内容が2017年11月12日付の河北新報の記事で紹介されました。
◇しあわせの経済 世界フォーラム4 | YouTube (投稿者:Shinichi Kusajima様より掲載許諾)
https://youtu.be/zn8EAB1KaVw?t=440
◇「経済循環ローカルへ」世界フォーラム都内で開幕 |河北新報ONLINE
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201711/20171112_73029.html
◇しあわせの経済 世界フォーラム 2017 公式サイト
http://economics-of-happiness-japan.org/
公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」に河合教授が登壇します
2018年2月11日に龍谷大学で開催される公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」(主催:龍谷大学世界仏教文化研究センター)に河合俊雄教授が登壇します。
華厳思想をテーマに、第一部は若手研究者らによる発表、第二部は河合教授と中沢新一明治大学野生の科学研究所所長が講演し、その後、ディスカッションが行われます。河合教授は「ユング派心理療法と華厳経」というタイトルで講演します。
現在、参加申込受付中です(無料・要申込)。下記リンク先をご覧のうえお申し込みください。
世界仏教文化研究センター公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」
http://rcwbc.ryukoku.ac.jp/activity/1130
◇コーディネーターより
華厳思想は、大きな可能性を秘めています。
現代において、それは、仏教の枠を超え、現代哲学、深層心理学、量子力学、アートなど、さまざまな視座から捉え直されようとしています。(中略)
<第一部>では、龍谷大学所属の若手研究者3名による研究発表を行います。まず、知の巨人と言われた南方熊楠の生命観と華厳思想とのかかわりについて、唐澤太輔が発表します。次に、明恵による夢記に見られる華厳思想の影響と意味について、野呂靖氏が発表を行います。最後に、東アジアの密教と華厳思想の結びつきについて、亀山隆彦氏が発表します。
<第二部>では、まず河合俊雄氏から、現在の臨床心理学、特にユング派心理療法と華厳思想のつながりについてご講演いただきます。次に中沢新一氏から、華厳思想をベースとした「レンマ学」とはいかなる学かについてご講演いただきます。
<第三部>では、発表者によって「華厳思想のこれから」と題したディスカッションが行われます。
本研究会を通じて、ご来場のみなさまと、華厳思想から現代を捉え直す根本的な意義などについて考えていくことができれば幸いです。
(唐澤太輔世界仏教文化研究センター博士研究員/イベントポスターより)
◇概要
・開催日時:2018年2月11日(日)13:00~18:00
・開催場所:龍谷大学 大宮学舎 清和館3Fホール
・講演者:
中沢新一(明治大学野生の科学研究所所長)
河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授、副センター長)
・発表者:
唐澤太輔(龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員)
野呂靖(龍谷大学文学部准教授)
亀山隆彦(龍谷大学世界仏教文化研究センター リサーチ・アシスタント)
◇詳細・申込先
http://rcwbc.ryukoku.ac.jp/activity/1130
※こころの未来研究センターでは申込受付は行っておりません
内田准教授が岩手県滝沢市で「幸福感」について講演。岩手日報に掲載されました
内田由紀子准教授が2017年11月16日、岩手県滝沢市主催の講演会に登壇し、「幸福の研究から見る幸福感を育む環境づくり」と題した講演を行いました。
滝沢市では、第1次滝沢市総合計画として、「幸福感を育む環境づくり」を掲げています。今後、内田研究室と連携し、市民への意識調査をはじめとする調査研究等により、計画を推進することとしています。
滝沢市のウェブサイトでは、同市の取り組みや当日の講演会での様子が写真と共に紹介されています。また、11月26日付の岩手日報でも同市の取り組みと共同研究が詳しく報じられました。
◇報告記事
総合計画に関する講演~京都大内田准教授による「幸福感を育む環境づくり」 | 岩手県滝沢市ウェブサイト
幸福感 学術的に検証 滝沢市と京都大准教授 愛着、交流度合い問う
滝沢市は、第1次市総合計画(2015〜22年度)に掲げる市民の「幸福感」について、京都大こころの未来研究センターの内田由紀子准教授(社会心理学)と調査に取り組んでいる。市民主体の地域づくりを促そうと幸福実感の指標や目標値を導入しているが、計画期間の折り返しを前に、さらなる取り組みの活性化が課題となっていた。専門家によるアンケート調査などを通して、学術的な視点から市民の「幸福」を改めて検証し、地域づくりの糸口とする。....
(『岩手日報』2017年11月26日付朝刊)
河合教授が日本心理臨床学会第36回大会一般公開シンポジウムでシンポジストとして登壇しました
河合俊雄教授が2017年11月19に横浜パシフィコで開催された日本心理臨床学会第36回大会の一般公開シンポジウム「発達障がいの子どものプレイセラピーと子育て支援」でシンポジストを務めました。
【一般公開】子育て支援合同委員会企画シンポジウム
「発達障がいの子どものプレイセラピーと子育て支援」
シンポジスト:河合俊雄(京都大学)
平井正三(御池心理療法センター)
指定討論者:青木 紀久代(お茶の水女子大学)、吉田弘道(専修大学)
司会者:平野 直己(北海道教育大学)、吉川眞理(学習院大学)
シンポジウムは、発達障害の子どもへのプレイセラピーの有効性と子育て支援との関連をテーマにしたもので、300人の定員を超える多くの参加がありました。
河合教授はユング派心理療法の立場と、またこころの未来研究センターにおける発達障害へのプレイセラピーのアプローチの成果から話しました。従来の心理療法が主体を前提にするのに対して、どのようにして発達障害の子どものプレイセラピーにおいて主体が生まれてくるか、また発達障害の増加に関する時代性という背景、さらには通常の親子関係でカバーしきれないものなどについての子育て支援の必要性について話しました。ディスカッションでは、子育て支援、発達臨床の立場の指定討論者と、様々な接点を探りつつ、意義のある意見の交換がなされました。
◇日本心理臨床学会第36回大会 一般公開プログラム(PDF)
https://www.ajcp.info/pdf/36_autumn_ippankoukai.pdf
畑中助教が平成29年度栄養教諭支援セミナー(主催:大阪府学校給食会)で講師を務めました
畑中千紘助教(上廣倫理財団寄付研究部門)が、2017年9月29日、10月27日の両日、公益財団法人大阪府学校給食会が開催した「平成29年度栄養教諭支援セミナー」で講師を務めました。
平成29年度栄養教諭支援セミナー
第1回:2017年9月29日/第2回:10月27日
会場:大阪府学校給食会会議室
テーマ:「児童・生徒に対する指導等における心理療法の有効的な活用方法についての研修」
講師:畑中千紘(京都大学こころの未来研究センター特定助教)
本研修会では、大阪府内の栄養教諭、学校栄養職員に対して、児童・生徒との関わり方、発達障害の子どもの理解とアプローチ、食とこころのつながり等について本研究部門の成果をもとに2回にわたって講義と演習を行いました。
受講生の方々はとても熱心に参加されており、それぞれの勤務校でその成果を活かした実践が行われることが期待されました。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
広井教授が「定常型・高齢化社会の"創造的"生き方を考える」(12/17・ロームシアター京都)に登壇します
広井良典教授が、2017年12月16日にロームシアター京都(京都市左京区)で開催される「『いま』を考えるトークシリーズ vol.1 定常型・高齢化社会の"創造的"生き方を考える」に登壇します。
京都市音楽芸術文化振興財団と京都市の主催による「多様な角度から同時代の社会を知り、捉え直すためのトピックを挙げ、それにまつわるゲストを招く」イベントの第一回となります。当日は、広井教授と俳優、介護福祉士でOiBokkeShi主宰の菅原直樹氏がそれぞれレクチャーし、その後ディスカッションと質疑応答が行われます。
現在、ロームシアター京都のウェブサイトにて申込受付中です(無料・定員80名)。下記のリンク先をご覧のうえお申込み下さい。
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○公演日時
2017年12月16日(土)16:30~19:30
○会場
パークプラザ3階共通ロビー
○ゲスト
広井良典(京都大学こころの未来研究センター教授)
菅原直樹(OiBokkeShi主宰、俳優、介護福祉士)
○スケジュール(予定)
16:30~17:15 広井良典氏レクチャー 「創造的定常型社会とケア・コミュニティ」
17:15~18:15 菅原直樹氏レクチャー&ワークショップ 「老い・ボケ・死を芸術文化で捉え直す」
18:20~19:30 ディスカッション、質疑応答
○定員
80名(事前申込制・先着順)
主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市 共催:京都岡崎 蔦屋書店
◇イベント概要(ロームシアターウェブサイト。ページ内に申込フォーム有り)
http://rohmtheatrekyoto.jp/program/7122/
河合教授が日本箱庭療法学会第31回大会シンポジウムでシンポジストとして登壇しました
河合俊雄教授が2017年10月7日、上智大学四谷キャンパス(東京都千代田区)で開催された日本箱庭療法学会第31回大会一般公開シンポジウム『こころの新時代と心理療法』でシンポジストとして登壇しました。
◆一般公開シンポジウム
基調講演:大澤真幸(社会学者)
シンポジスト:河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
司会:横山恭子(上智大学総合人間科学部)
テーマ:『こころの新時代と心理療法』
ー現代の意識のあり方とそこに内在する問題とは?こころの新時代において、箱庭療法はどのように用いられうるのか?
本シンポジウムでは、大澤真幸先生が基調講演として覇権的なものが消滅した現代社会における不安のあり方や、そこでの安住の問題点と脱却の契機等について、卑近な例を用いながらも重厚な哲学的基盤をもとにした刺激的な論を展開されました。
河合教授はそれに対して臨床的な立場からコメントし、今の社会でのこころの問題の現れ方や病態の理解についてまで議論は盛り上がり、まだまだ時間がほしかったという声が客席から多くきかれるシンポジウムとなりました。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
◇一般社団法人日本箱庭療法学会 年次大会
http://www.sandplay.jp/conference.html
河合教授が聞き手をつとめた「谷川俊太郎さんが語る河合隼雄」が開催されました
河合俊雄教授が代表理事を務める河合隼雄財団と学習院大学心理相談室によるイベント「谷川俊太郎さんが語る河合隼雄 仕事仲間・あそび友達」が2017年10月9日、学習院創立百周年記念会館(東京・豊島区)で開催されました。
河合隼雄財団のウェブサイトでは、当日の模様が臨場感のあるあたたかい文章で綴られています。下記のリンク先にてお読みください。
畑中助教が東大阪市立男女共同参画センターで講演しました
畑中千紘助教(上廣倫理財団寄付研究部門)が、2017年9月9日、東大阪市立男女共同参画センター・イコーラムで開催された公開学習講座で講演を行いました。
東大阪市立男女共同参画センターが主催する講座「正しく知ろう!大人の発達障害~家庭、職場、社会でサポート~」の講師として登壇した畑中助教は、上廣部門の研究プロジェクトでの成果をもとに、大人の発達障害についての基本的な知識と理解、アプローチについてお話ししました。当日は、東大阪市内に在住・在勤・在学する一般の方が集まり、熱心に聴講されていました。
(報告:畑中助教)
◇講座の概要(東大阪市立男女共同参画センター・イコーラムのサイト)
http://www.ikoramu.com/html/event.php?mode=show&seq=187
広井教授が京都市会議員研修で「人口減少社会を希望に」と題する講演を行いました
広井良典教授が2017年9月27日、京都市会本会議場で行われた京都市会議員研修で「人口減少社会を希望に――これからの日本社会とコミュニティ」と題する講演を行いました。
本議員研修は、議会を活性化させ、議員一人一人の議会活動を充実させる目的で、毎年京都市会において開催されているものです。講演には京都市会議員67名に加え約80名の市民・京都市職員の傍聴がありました。
講演は「はじめに:人口減少時代の社会構想―真の「豊かさ」に向けて」に始まり、「1.コミュニティとまちづくり、2.若者支援とこれからの社会保障、3.ローカライゼーションと「コミュニティ経済」、4.伝統文化の再評価―鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想、5.どのような社会を目指すのか―「持続可能な福祉社会」の可能性、おわりに:グローバル定常型社会の展望」を骨子とするもので、1時間半の講演の後、活発な質疑応答が行われました。
研修の模様は京都市会のウェブサイトやFacebookページ、産経新聞、毎日新聞で取り上げられました。下記のリンク先にアクセスしてご覧ください。
■京都市会Facebook「議員研修を実施しました(9月27日)」
https://www.facebook.com/kyotoshikai/posts/1825843957706290
■京都市会ウェブサイト「議員研修を行いました」
http://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/news/index29.html#news34
■産経新聞「京大教授が「人口減少社会」テーマに講義 京都市議会」
http://www.sankei.com/west/news/170928/wst1709280031-n1.html
■毎日新聞(案内記事)「人口減少社会を希望に 京大教授・広井良典さん 来月27日、京都市会議場」
https://mainichi.jp/articles/20170822/ddl/k26/040/558000c
下條特任教授が第16回ひと・健康・未来シンポジウム2017金沢(10/15・金沢市)で講演します
下條信輔特任教授(カリフォルニア工科大学教授)が、10月15日に石川県金沢市の石川県文教会館で行われる第16回ひと・健康・未来シンポジウム2017金沢で講演します。また、総合討論において、吉川左紀子センター長が司会進行を務めます。
ひと・健康・未来研究財団が主催し、こころの未来研究センター他が後援するシンポジウム「第16回ひと・健康・未来シンポジウム2017金沢」は、テーマを『身体とこころの不思議な関係-「健康」の未来を考える』とし、認知科学、東洋医学、精神医学の3名の専門家による講演と討論が行われます。
センターからは下條信輔特任教授(カリフォルニア工科大学教授)が登壇。「こころはからだを変え得るか?~プラセボ効果、自己達成予言をめぐって」という演題にて講演します。普段は米国で研究する下條特任教授が、認知神経科学・知覚心理学における最新の知見をもとに「こころ」と「からだ」の関係を紐解きます。
ほかに、谷川醫院・谷川聖明院長による講演「身体とこころに優しい漢方」、京大医学研究科脳病態生理学講座の野間俊一講師による講演「思惟する身体/夢想する身体~こころの病にみるからだの役割~」が行われ、その後、吉川センター長の司会進行による総合討論が行われます。
本テーマにご興味のある方は、ぜひ秋の金沢で行われるシンポジウムにご参加ください。現在参加申込受付中(無料・定員になり次第締切)です。
※右上の画像をクリックするとポスターPDFが開きます。
詳細・申込方法はこちら(ひと・健康・未来研究財団ウェブサイト)
第16回ひと・健康・未来シンポジウム2017金沢『身体とこころの不思議な関係-「健康」の未来を考える』開催のお知らせ
広井教授が東アジア社会政策研究ネットワーク年次大会で基調講演を行いました
広井良典教授が名古屋大学で開かれた第14回東アジア社会政策研究ネットワーク年次大会(The 14th East Asian Social Policy Research Network Annual Conference)で基調講演を行いました。
東アジア社会政策研究ネットワーク(East Asian Social Policy Research Network, EASP)は、東アジア諸国における社会政策を研究する研究者等の国際的組織で、2005年に創設されました。今回の大会は「East Asian Social Policy in a Changing Environment: Comparisons, Visions and Futures (変化する環境の中での東アジアの社会政策:比較、展望、未来)」を全体テーマとして8月2・3日の2日間にわたって開催されました。
広井教授は、2日目の全体セッションにおいて、ユニセフのSarah Cook博士と並んで基調講演者となり、「Possibility of Sustainable Welfare Societies: Integration of Social Policy and Environmental Policy in the Post-growth Society(持続可能な福祉社会の可能性:ポスト成長社会における社会政策と環境政策の統合)」と題する講演を行いました。
シンポジウムで発表した広井教授の資料を公開します。下記PDFをダウンロードしてご覧ください。
《広井教授の講演要旨》
Possibility of Sustainable Welfare Societies: Integration of Social Policy and Environmental Policy in the Post-growth Society
Welfare state models in the latter half of the 20th Century presupposed the continuous economic growth, and have been constructed on the assumption that economic growth and increasing income equality are mutually reinforcing. But currently, as most of the industrialized countries are experiencing chronical economic stagnations owing to the maturation of consumptions and more fundamentally, the finite nature of natural resources and environments in the global level are being recognized, welfare state models combined with the continuous economic growth are put into question.
In such a context emerges the concept of "sustainable welfare society," which means that the concept and discourse of "sustainability" should be incorporated into the discussions and policy paradigms of social policy. This also means that the integrations of social policies which deal with distributional justice and environmental policies which deal with sustainability of human economic activities should be in some way or other designed and pursued.
The concept of sustainability has multiple dimensions and among them, 1) environmental sustainability under the conditions of finite natural resources, 2) financial or institutional sustainability of social protection systems, 3) demographic and inter-generational sustainability in the times of aging population and population decrease, 4) sustainability of work or employment in the age of innovation are included. And when we look at the present situation of Japan, whose current administration having the "growth-maniac" orientations, all of these dimensions of sustainability are placed in jeopardy.
Based upon such concerns and conceptual frameworks, and drawing on some international comparisons and historical evolutions of capitalism, I will explore the possibility of sustainable welfare societies as well as policies to be taken, and draw some implications for the East Asian societies.
《講演資料》
EASP年次大会 広井講演資料.pdf"
《大会プログラム》
http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/~kamimura/easp2017.pdf
河合教授が日本ユング心理学会第6回大会ケースシンポジウムで発表しました
2017年6月17-18日に鳥取県米子市 米子コンベンションセンターで開催された日本ユング心理学会第6回大会のケースシンポジウムに河合俊雄教授が登壇しました。
◻︎大会企画ケース・シンポジウム
2017年6月18日(日)12:45-15:15 / 米子コンベンションセンター 国際会議室
テーマ : 「無気力の裏側にあるもの ー 河合隼雄先生のコメントとともに考える」
事例提供者:岩宮 恵子(島根大学)
指定討論者:角野 善宏(医療法人社団 新川医院)
河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
このシンポジウムでは、大会委員長でもある岩宮恵子教授が事例発表を行い、河合教授はコメンテーターとして登壇しました。
この事例は、岩宮教授と故・河合隼雄先生との出会いともなったケースで、河合隼雄先生のかつてのコメントを振り返りながらの貴重な発表となりました。現在の時点から見直しても、人のこころの豊かさと複雑さが感じられると共に、時代に応じたこころの変化も感じさせられる貴重なシンポジウムとなりました。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
日本ユング心理学会(JAJP)第6回大会 in 米子
http://psy-shimane.org/jajp2017/index.php/191
河合教授が2017年度第1回日本箱庭療法学会研修会全体会に登壇しました
河合俊雄教授が、2017年度第1回日本箱庭療法学会研修会の全体会に河合教授が講師として登壇しました(2017年7月9日/東京・大正大学)。
◻︎全体会:2017年7月9日(日)12:00~14:00
テーマ: 「世界のなかの日本の箱庭療法:伝統的背景と可能性」
講 師:河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
概 要:ユング派の心理療法は、日本において箱庭療法として導入されたとして過言ではなく、おそらく世界で最も早く箱庭療法が盛んになり、発展したと思われる。また世界各地の箱庭と比べてみて、日本には独自の箱庭表現があると考えられる。そのような日本での箱庭療法の展開を可能にした、自然観、こころ観について、日本における曼陀羅の理解、内面化の特殊性などから解説し、今後の箱庭療法の可能性について考えたい。
河合教授は全体講演として「世界のなかの日本の箱庭療法:伝統的背景と可能性」と題する講演を行いました。この講演では、箱庭療法が前近代的な心性と関わっていることに触れつつ、箱庭が自己表現として捉えられる西欧とは異なり、置かれたものがそのまま「こころ」であるような日本的なあり方について論じられました。
日本の箱庭は象徴的解釈には適さないと言われますが、それには中間項を経ない分節が関係していると述べ、個々のイメージがそのまま無あるいは全のイメージに直結している華厳的なあり方について論じられ、非常に刺激的な講演となりました。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
2017年度第1回日本箱庭療法学会研修会 | 一般社団法人日本箱庭療法学会
http://www.sandplay.jp/training.html
畑中助教が日本ユング心理学会第6回大会で研究発表を行いました
2017年6月18日に鳥取県米子市にて開催された日本ユング心理学会第6回大会において、畑中千紘助教が発表を行いました。
「分離を後にすること:モノとの分離が難しい女性との心理療法」と題した発表で、発達障害的ともいえるこだわりをもちながらもイメージの変化を軸として変化していった事例を素材に検討が行われました(指定討論者は川嵜克哲学習院大学教授) 。
発達障害の心理療法において分離の契機は特に重要とされますが、意識的に分離しているだけでは不十分であり、分離という契機自体から分離していくことが必要であることが論じられました。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
日本ユング心理学会(JAJP)第6回大会 in 米子
http://psy-shimane.org/jajp2017/index.php/186
広井教授と熊谷准教授が「幸せリーグ」実務者会議に参加し、講演および意見交換を行いました
2017年7月19日、東京都荒川区ホテルラングウッドにて、「幸せリーグ」第12回実務者会議(平成29年度第1回実務者会議)が開催され、広井良典教授(上廣倫理財団寄付研究部門・兼任)と熊谷誠慈准教授(上廣倫理財団寄付研究部門)が参加しました。
会議の冒頭、幸せリーグの西川太一郎会長(東京都荒川区長・特別区長会会長)の挨拶に続き、幸せリーグ顧問として広井教授が挨拶を行いました。その後、熊谷准教授が「ブータンのGNH(国民総幸福)政策とその思想的背景」と題して基調講演を行いました。
続けて、以下の6つのグループに分かれ、住民の幸福実感の向上に向けた全国自治体実務者によるグループ討議が行われ、広井教授と熊谷准教授が議論に加わり、全国自治体の実務者と活発な意見交換を行いました。
1. 幸福度調査結果の政策反映
2. 幸福度指標の活用、行政評価
3. 人口減少・少子高齢化・雇用問題
4. 子育て支援
5. 町おこし・観光振興
6. 地方創生・公共施設の総合的管理
(報告:熊谷誠慈准教授/上廣倫理財団寄付研究部門)
幸せリーグ ~住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合~
http://rilac.or.jp/shiawase/
広井教授が第1回日玖(キューバ)統合医療シンポジウムで報告を行いました
広井良典教授が日本統合医療学会主催の第1回日玖(キューバ)統合医療シンポジウム(2017年7月17日、稲盛財団記念館3階大会議室)で報告を行いました。
統合医療とは心身の相関やケアの全体性を重視し、非西欧的医学の知見も視野に入れた医療のあり方を意味しますが、キューバは公的な医療保障を充実させつつ、予防や伝統医療等を積極的に取り入れた医療政策を展開し、WHOなどでも高く評価されています。今回のシンポジウムは、高齢化に伴う医療費の増加など共通の課題に直面する日本とキューバでの統合医療そして医療システムのあり方を包括的な視点から吟味するもので、東京(2017年7月15日、東京大学鉄門記念講堂)と京都において催されました(後援:キューバ共和国大使館、日本キューバ経済懇話会、京都大学こころの未来研究センター)。
広井教授は第2セッション「政策に於ける統合医療 The Policy toward Integrative Medicine」に登壇し、「「持続可能な医療」と統合医療 Sustainable Healthcare and Integrative Medicine」と題する報告を行いました。シンポジウムには150余名が参加し、総合討論では会場も含め活発な議論が行われました。
《追記》広井教授の発表資料
シンポジウムで発表した広井教授の資料を公開します。発表の概要及び参考文献リストが掲載されています。
広井発表資料「持続可能な医療」と統合医療.pdf
広井教授が国際高等研究所シンポジウム「激変する地球時代をいかに生きるか」でコメンテーターを務めました
広井良典教授が国際高等研究所シンポジウム「激変する地球時代をいかに生きるか――「けいはんな」からの発信」(東京・時事通信ホール、2017年6月29日)で総合討論のコメンテーターを務めました。
けいはんな学研都市に位置する国際高等研究所は、「何を研究すべきかを研究する」研究所として1984年に創設されましたが、2015年より、これからの激変する地球時代が直面する深刻な課題の解決に貢献するために、基幹プログラムとして以下の4つの課題について研究を進めています。
A)21世紀地球社会における科学技術のあり方
B)人類生存の持続可能性の探究
C)多様性世界の平和的共生の方策
D)30年先のけいはんな未来都市はいかにあるべきか
今回のシンポジウムは、これまでの研究成果の報告と最終報告書に向けた議論を行うもので、橋爪大三郎・東京工業大学名誉教授の基調講演を受け、上記4つの基幹プログラムのリーダーである有本健男・国際高等研副所長、佐和隆光・同研究参与、位田隆一・同副所長、松本紘・同副所長より報告がなされました。以上を踏まえた総合討論では広井教授がコメンテーターとして参加し、モデレーターの長尾真・国際高等研所長のもとで会場も交えた活発な意見交換が行われました。
公益財団法人国際高等研究所
https://www.iias.or.jp/
広井教授が日本社会福祉学会第65回春季大会で基調講演を行いました
広井良典教授が日本社会福祉学会第65回春季大会(2017年5月28日、明治学院大学)において「教育と福祉の連携――ポスト成長時代の社会構想とケア」と題する基調講演を行いました。
今回の大会は、子どもの貧困、児童虐待、いじめ、少年非行など子どもを取り巻く課題が大きく浮上している中で、これまで十分に連携がとれてきたとは言えない「福祉」と「教育」の二分野の間でいかに協働を図っていくかを主テーマに置くものです。
広井教授の基調講演の趣旨は以下のとおりです。
「教育と福祉という二つの領域は、いずれも"人が人をケアする"代表的な分野でありつつも、これまで互いに「遠い」存在だったのが現実である。実際、教育と福祉は、その基本的な理念や近代社会システムの中での位置づけのほか、制度、資格、人材養成システム、学問研究のパラダイム等多くの面で異なる性格の2領域だった。
しかし近年、経済成長が鈍化し、雇用の不安定化や格差の世代間累積等といった問題が顕在化し、かつてのような「成長」型モデルの中でのライフコースや支援の仕組みが維持困難となる中で、教育と福祉の2領域は大きくクロス・オーバーしつつあり、連携やシステムの再編が不可避のものとなっている。こうした状況と今後の展望について、歴史的展開や若干の事例分析、「人生前半の社会保障」、「ケア」という視点や「持続可能な福祉社会」と呼ぶべき社会構想などを含め、幅広い観点から考えてみたい。」
広井教授の基調講演に続き、山野則子・大阪府立大学教授、小川正人・東京大学名誉教授、原田正樹・日本福祉大学教授、松本伊智朗・北海道大学教授がシンポジストとして参加し、山懸文治・関西大学教授のコーディネートのもと、「教育と福祉における協働の論点を探る」と題するシンポジウムが行われ、広井教授がコメンテーターを務めました。
■第65回春季大会(2017年度)開催概要 | 一般社団法人日本社会福祉学会
http://www.jssw.jp/event/65_spring-info.html
広井教授が顧問を務める「幸せリーグ(住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合)」総会が開催されました
広井良典教授が顧問を務める「幸せリーグ(住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合)」第5回総会が2017年6月7日、東京都荒川区で開催されました。
「幸せリーグ」とは、幸福度に関する指標づくりや政策展開を進めようとしている全国の市町村が集まり、互いに情報交換や連携を行うネットワークで、荒川区自治総合研究所(RILAC)が事務局を務めています。2013年に52の自治体が参加して発足し、現在では94自治体に広がっています。
今回の総会では、参加自治体がテーマにそくして6つのグループに分かれ(①幸福度等意識調査の政策への反映グループ、②各自治体が実施した幸福度調査結果の比較分析グループ、③行政評価や総合計画等への幸福度指標の反映グループ、④地方創生に関する総合戦略の策定における幸福指標の活用と計画策定後の実践グループ、⑤地域間連携の在り方や実践グループ、⑥少子高齢化対策、雇用対策等グループ)、これまで検討されてきた内容の成果報告が行われるとともに、幸せリーグ顧問の広井教授、坂田一郎東京大学教授、神野直彦東京大学名誉教授から総括的な講評がなされました。またセンターから河合俊雄教授、熊谷誠慈准教授、清家理助教、畑中千紘助教、松葉ひろ美連携研究員が出席するとともに、幸福度指標に関する展開に今後様々な形で連携していくことが確認されました。
当日の模様は、下記リンク先にある荒川区のウェブサイトにも掲載されています。また、RILAC Newsでは、広井教授による実務者会議での講演録が発表資料と共に掲載されています。
「住民の幸福実感度向上に向けて(6月7日、幸せリーグ第5回総会、サンパール荒川)」 | 荒川区ウェブサイト
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/kusei/koho/hodohappyo/20170607.html
RILAC News No.17(発行:荒川区自治総合研究所)
http://rilac.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/04/rilacnews17_thumbnail.pdf
広井教授が市町村アカデミーで人口減少社会に関する講演を行いました
広井良典教授が2017年5月10日、市町村アカデミーの市町村議会議員特別セミナーで「人口減少社会を希望に――グローバル化の先のローカル化」と題する講演を行いました。
市町村アカデミー(市町村職員中央研修所、千葉市美浜区)は、全国の市町村職員や議会議員、市町村長を対象に、その政策立案能力の向上を図る目的で様々な研修を行う機関で、公益財団法人全国市町村研修財団が運営しています。今回の講演は議会議員を対象として2日間にわたって行われた「市町村議会議員特別セミナー ~地域における政策課題~」の一環をなすもので、全国の各市町村から120名の議員が参加しました。
広井教授の講演では、「人口減少時代の社会構想――真の「豊かさ」に向けて」とのイントロダクションに始まり、コミュニティとまちづくり、若者支援と社会保障、ローカライゼーションとコミュニティ経済、伝統文化の再評価(鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想)、都市と農村の持続可能な相互依存といった話題にそくして人口減少社会における政策課題と対応の方向が提起されました。
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[DATA]
平成29年度 第1回 「市町村議会議員特別セミナー~地域における政策課題~」
日時:平成29年5月10日(水)13:00から11日(木)12:20まで
場所:市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)
■5月10日 (水)
「中国の動向を踏まえた我が国の政治の行方」講師:元在中華人民共和国特命全権大使 宮本雄二
「少子・高齢社会における基礎自治体での社会保障 政策のあり方」講師:政策研究大学院大学教授 (元国立社会保障・人口問題研究所政策研究調整官)小野太一
■5月11日 (木)
「人口減少下のまちづくりと地方議会」講師:日本経済新聞社編集局編集委員兼論説委員、日本自治学会理事 谷隆徳
「人口減少時代の社会構想――真の「豊かさ」に向けて」講師:京都大学こころの未来研究センター教授 広井良典
市町村アカデミー
http://www.jamp.gr.jp/
第7回「京大おもろトーク」で吉岡教授が講演。動画が公開されました
2017年3月21日、京都大学百周年時計台記念館にて大学主催による第7回「京大おもろトーク: アートな京大を目指して」が開催され、吉岡洋教授が講演、吉川左紀子センター長がパネルディスカッションのモデレーターとして登壇しました。
京大おもろトークは、京都大学の「おもしろい=独創的な」発想と国内外の「おもしろい」文化芸術家が集い、文化芸術との連携を発信する取り組みとして始まり、7回目を迎えた今回は、「芸術と毒の微妙な関係」をテーマに学内外から244名が参加。吉岡教授は「毒と付き合う」と題し、思想・美術・文学を貫く「毒」のテーマと、それと不可分な両義性の思考について論じました。3名の講演者と内丸幸喜文化庁文化部長、山極壽一総長が加わったパネルディスカッションでは、客席から出された質問を吉川センター長が紹介する形で、終始活発な討論が行われました。
イベントの詳しい報告は京大公式サイトに掲載されています。また、動画サイトYouTubeでは動画が閲覧可能です。
第7回「京大おもろトーク:アートな京大を目指して」を開催しました。(2017年3月21日) | 京都大学
吉岡教授の講演動画
パネルディスカッションの動画
その他の動画も「第7回京大おもろトーク」で検索すると閲覧可能です。
河合教授が島根県臨床心理学研究会特別研修会で講演しました
河合俊雄教授が、2017年3月12日に島根県松江市で開催された島根県臨床心理学研究会主催の特別研修会で講演しました。
講演の題目は「アウトリーチとしての心理療法と現代のこころ」でした。
心理療法は、相談室にセラピスト(カウンセラー)がおり、クライエント(来談者)が訪れるという方法を基本としています。
しかし、現在ではスクールカウンセラーやターミナルケア、災害時の専門家の派遣等をはじめとして臨床心理士の方が現場に出て行くというかたちも多くなってきています。
それは言葉を換えれば、心理療法の基本からはずれることであるとも言えますが、心理療法の基本的な訓練を深めていくこと、短期的な視点と長期的な視点の両方をもっていることなどが大切でそれぞれの現場に対応するための力になっていくと、河合教授は論じました。
(報告:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)
[DATA]
島根県臨床心理学研究会 特別研修会
日時 : 2017年3月12(日) 13:30〜18:30
場所 : テクノアークしまね本館4階大会議室(島根県松江市)
講師 : 河合俊雄 (京都大学こころの未来研究センター教授)
「アウトリーチとしての心理療法と現代のこころ」
事例検討会 : 中島直哉(島根県こころの医療センター)
「治療枠の切れ目と自己感 ~終わらないプレイセラピーが終わる時~」
河合教授が英国エセックス大学で開催されたSociety of Analytical Psychology年次講演会に登壇しました
2017年3月25日、イギリスで最も大きなユング派の組織である Society of Analytical Psychology の年次講演会に河合俊雄教授が登壇し、アンドリュー・サミュエル氏のメインレクチャーのレスポンデント(respondent)として40分のレクチャーを行いました。
タイトル:The historicity and possibility of Jungian analysis: another view of SWOT
(ユング派心理療法の歴史性と可能性:SWOTのもうひとつの見方)
アンドリュー氏の講演は " The Future of Jungian Analysis: Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats ('SWOT') " と題され、強み、弱み、機会、脅威という4つの視点から要因分析する手法に則ってユング派の心理療法の未来について述べたものでした。
これに対して河合教授はそもそもユング心理学の考えるこころが前近代的なものであることに触れつつ、個性化(individuation)というユング心理学の掲げるひとつのゴールの強みと弱みについて述べました。
また、それに加え、Oppoturnitiesとしてアウトリーチ、Threatsとしてエビデンス主義やグローバルシステムをあげ、独自の視点からユング心理学の未来を論じました。
(報告:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)
吉岡教授が企画する「明倫茶会」が京都芸術センターで開催。吉川センター長がゲスト登壇します
2017年4月30日、吉岡洋教授の企画による「明倫茶会『共通感覚論』」が京都市下京区の京都芸術センターで開催されます。茶会にむけて、同会場にて4月20日から29日までの期間、画家の末冨綾子氏の公開制作とトークイベントがおこなわれ、4月22日には吉川左紀子センター長がトークゲストとして登壇します。
茶会は事前申込が必要(トークイベントは不要)です。詳しくは京都芸術センターのイベントページをご覧ください。
明倫茶会『共通感覚論』| 京都芸術センター
http://www.kac.or.jp/events/20695/
ともに静かにお茶を飲むとき、わたしの味わいとあなたの味わいは、どのように同じであるだろう?
毎回各界で活躍されている方を席主にお迎えし、さまざまに工夫を凝らした独自のしつらえでお客様をもてなす京都芸術センターの「明倫茶会」。今回は、吉岡洋氏の企画による、画家の末冨綾子氏の公開制作をふまえたお茶会を開催します。
~席主からの一言~
友人の画家末冨綾子さんと 、明倫茶会「共通感覚論」を催します。趣向は美術と哲学です。共通感覚というのは、「常識」と訳される英語の「コモンセンス」が元々持っていた意味で、人々に共通の感覚、また五感に共通する感覚を意味します。それは、当たり前のものではありません。「そんなの常識だろ!」と迫るのは、いわば共通感覚を無理強いしていることになります。それでは、静かにお茶を共にする時には、世界はどんな風に変わるでしょう?(吉岡洋)
□公開制作 2017年4月20日(木) ー 29日(土) 11:00 - 17:00
□明倫茶会 2017年4月30日(日) 11:00/14:00/15:00/16:00
□トークイベント
第1回:2017年4月20日(木)吉岡洋×末冨綾子
第2回:2017年4月22日(土)ゲスト:吉川左紀子(認知心理学、京都大学こころの未来研究センター長)
第3回:2017年4月25日(火)ゲスト:中原豊(中原中也記念館館長)
主催・問合せ先:京都芸術センター
電話:075-213-1000
Eメール:info@kac.or.jp
京大附置研・センターシンポジウムで吉岡教授が講演。読売新聞に掲載されました
2017年3月11日、京都大学附置研究所・センターシンポジウム「京都からの挑戦 -地球社会の調和ある共存に向けて」が金沢市の石川県文教会館で開催されました。
当日は7名の研究者らがそれぞれの研究成果を紹介。センターからは吉岡洋教授が「芸術とはどんな〈出来事〉なのか?」という演題で講演しました。また、山極壽一総長らが登壇したパネルディスカッションのコーディネーターを吉川左紀子センター長が務めました。
当日の模様は、3月31日付の読売新聞に大きく見開きで紹介されました。下記リンク先の京都大学のウェブサイトでも詳しい報告記事と写真をご覧いただけます。
第12回京都大学附置研究所・センターシンポジウム/京都大学金沢講演会を開催しました | 京都大学
京都からの挑戦 -地球社会の調和ある共存に向けて
人間活動の多くが作品 吉岡洋 こころの未来研究センター特定教授
「美学芸術学」という、少し聞き慣れない研究分野を通して、哲学的に芸術作品と向き合ってきた。
美学とは、人間が何かを直接感じる能力の研究だ。私たちの直感は、実際は知識や経験などの影響を大きく受けている。花壇で目にしたミミズに驚くのはその役割を理解していないからで、生物学的にミミズを学べば「かわいい」という直感が生まれるかもしれない。
本当の意味で物事を直感的に感じるには、既存の概念から解き放たれる必要がある。異なる時代や文化の価値観を学び、感じる能力を高めることが重要だ。
直感的な美によって見いだされる、何の役に立つか分からないものが芸術だ。私たちは多くの存在に意味を求めがちだが、そうした常識的とされていることが実は非常に不自由だということに触れさせるきっかけになるのが芸術だと思う。....
(2017.3.31 読売新聞朝刊)
広井教授が「ヘルシーエイジング社会の設計」シンポジウム(於:東京大学)で特別講演を行いました
広井良典教授が東京大学で2017年3月4日に行われた「ヘルシーエイジング社会の設計」シンポジウムで特別講演を行いました。
(写真提供:生涯現役株式会社)
本シンポジウムは、東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)が博士課程教育リーディング・プログラム「活力ある超高齢社会を共創するグローバル・リーダー育成プログラム(GLAFS)」の一環として開催したものです。
午前には「GLAFS共同研究成果報告」、午後にはまず前半に「IOG /GLAFS最先端研究報告」が行われました。広井教授はそれに続くシンポジウムにおいて「2040年、日本は持続可能か――定常型社会への展望」と題する特別講演を行い、続いてGLAFS学生3名からの報告がなされ、さらに会場を交えたパネルディスカッションが行われました。最後に秋山弘子・東京大学高齢社会総合研究機構特任教授が総括的なコメントを行いました。
東京大学高齢社会総合研究機構
http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/
畑中助教が大阪、京都で学校給食に携わる栄養士や教職員に向けて講演しました
畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、大阪、京都で学校給食に携わる栄養士や教職員に向けて2つの講演を行いました。
2017年3月3日、大阪の貝塚市教育研究センターで開催された「平成28年度貝塚市栄養教諭・食育担当教職員研修会」では、上廣こころ学研究部門の「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」の成果から講演を行いました。講演のレポートと参加者の感想が、貝塚市教育研究センターのウェブサイトに掲載されています。
栄養教諭・食育担当教職員研修会を開催しました! | 貝塚市教育研究センター
http://www.kaizuka.ed.jp/kyoi-cn/
また、2月17日には京都府学校給食会で開催された「学校関係栄養士研究会」(主催:全国学校栄養士協議会京都府研究会)で、「現代の子どもと発達の非定型化」をテーマに栄養教諭・学校栄養職員の方々を対象に講演を行いました。
内田准教授が岩手県で講演。岩手日報、岩手めんこいテレビで紹介されました
2017年2月2日、内田由紀子准教授が岩手県盛岡市で開催された、ブータンの生活を通して幸福について考える講演会で講演を行いました。講演会は、岩手県民会館で開催中のブータンの展覧会にあわせて県が開催し、約100人が参加しました。
当日のレポートは、地元紙の岩手日報に掲載され、岩手めんこいテレビのニュースで放映されました。FNNウェブサイトでニュース動画を視聴でき、講演内容をご覧いただけます。
ブータンを通し幸福について考える講演会「いま、幸福を考える」- FNN(岩手めんこいテレビ)
共生や充足感が幸福へのヒント
盛岡・ブータン展講演会
県は2日、盛岡市内丸の県民会館、講演会「いま、幸福を考える」〜「しあわせの国」」ブータンを通して見る日本〜を開き、京都市の京都大こころの未来研究センター准教授の内田由紀子さん(41)=社会心理学=が、健康や経済力など、それぞれの文化で幸福のために重視することが異なることを語った。
約100人が参加。内田さんは、経済力が必ずしも幸福度の高さに結びついていないことを指摘。ブータンを訪れた際の写真を紹介しながら、同国の人々は他者との共生や長期的視点で充足感を得られていることを紹介した。....
(2017.2.3付「岩手日報」より)
吉岡教授がスペイン、ポルトガルで3つの講演を行いました
吉岡洋教授が、2017年1月26日から30日にかけて、スペインとポルトガルの3都市で3つの講演を行いました。
◆マドリードの国際美術フェスティバル「Publica 17」で講演
1月26日・27日にスペイン・マドリードで開催された大規模な国際美術フェスティバル「Publica 17」が開催されました。世界各国から芸術の専門家が集まり、シンポジウム、ワークショップ等が行われ、吉岡教授は初日、「How To Do Things with Arts? - Creative Activities and Social Contexts」(英題)という演題にて講演しました。
ARTE DE COMPARTIR. LA CULTURA COMO ESPACIO DE CONVIVENCIA EN JAPÓN
JUEVES 26 17:30 / H SALA RAMÓN GÓMEZ DE LA SERNA
Hiroshi Yoshioka, Universidad de Kioto, Japón
Trata de explorar el significado básico de compartir el arte en la sociedad, en todos sus parámetros, pasando por diversas realidades que van desde proyectos de arte independientes a grandes festivales de arte en Japón; desde la idea tradicional de "obra conservada" en un museo como una herencia cultural hasta otras prácticas, bien diferentes, de actividades artísticas compartidas en tiempo real con el público. Todos estos factores nos recuerdan el potencial del arte para crear relaciones humanas democráticas. Se abordan temas diversos como la relación de los festivales de arte con la sociedad local, la cultura popular que "patrocina" el arte, el arte comunitario y el arte de fuera. Su tesis principal es que el arte logrará desempeñar un papel importante dentro de la esfera pública y a la escala global.
PÚBLICA 17 Encuentros Internacionales de Gestión Cultural
http://www.fundacioncontemporanea.com/publica-17/programa/
◆サラゴサ大学で特別講義
1月27日、スペイン・アラゴン州サラゴサにあるサラゴサ大学(Universidad de Zaragoza)で、「Nuclear Imagination in Art and Pop Culture」と題して特別講義を行いました。
Universidad de Zaragoza
https://www.unizar.es/
◆ポルトガル・リスボン地理協会で講演
1月30日、ポルトガル・リスボンにあるリスボン地理協会(Sociedade de Geografia de Lisboa)の招へいにて、講演を行いました。「How to do Things with Art? : Creative Culture and the Social Context」という演題で、日本におけるアートの現場での事例と研究活動からの知見をもとに、社会において芸術を分かち合うことの本質的な意味について論じました。
講演は、在ポルトガル日本国大使館のウェブサイト(日本語/ポルトガル語)でも紹介されました。
在ポルトガル日本国大使館の告知ページ
http://www.pt.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000323.html (日本語)
http://www.pt.emb-japan.go.jp/itpr_pt/00_000325.html (ポルトガル語)
リスボン地理協会の告知ページ
http://www.socgeografialisboa.pt/2017/01/how-to-do-things-with-art-creative-culture-and-the-social-context/
第12回京都大学附置研究所・センターシンポジウムで吉岡教授が講演します('17 3/11開催)
2017年3月11日、石川県金沢市で開催される「第12回京都大学附置研究所・センター シンポジウム」で吉岡洋教授が講演します。また、吉川左紀子センター長が後半に行われるパネルディスカッションで司会を務めます。
京都大学には20の附置研究所と研究センターがあり、それらの研究成果を社会に還元する目的で、2005年度より毎年1回、全国の主要都市においてシンポジウムを開催しています。12回目となる今回は、「京都からの挑戦 -地球社会の調和ある共存に向けて 『自由風格(フリースタイル)、京大』」というテーマのもと、金沢市で開催します。
吉岡教授は、「心の動きをたどる」研究者のひとりとして、「芸術とはどんな〈出来事〉なのか?」と題し、次のような内容で講演します。
「芸術とはどんな〈出来事〉なのか?」
吉岡洋 こころの未来研究センター 教授
芸術は人に美を経験させ、癒しや心の豊かさを与えると言われます。しかし多くの現代芸術、とりわけ研究者や批評家が問題にするような作品は、普通の意味では美しくもなく、人を不安にさせたり不快や嫌悪の感情を起こさせるものも少なくありません。また芸術作品と言っても「モノ」ではなく、所有も保管もできないような「作品」もあります。いったい何が起こっているのでしょうか? 実例を見ながら考えてみたいと思います。
(シンポジウムポスターより)
シンポジウムは、どなたでも参加可能です(無料)。下記リンク先の主催者ページよりお申し込みください。
第12回京都大学附置研究所・センターシンポジウム「京都からの挑戦 -地球社会の調和ある共存に向けて 『自由風格(フリースタイル)、京大』」
http://kurca.kyoto-u.ac.jp/sympo2017/
第80回京都大学丸の内セミナー「意思決定の脳科学」に小村教授が登壇します('17 3/3開催)
京都大学東京オフィスでは、関東地域在住の社会人を対象に毎月1回「京都大学丸の内セミナー」を実施しています。2017年3月3日、こころの未来研究センターの小村豊教授(神経科学、認知心理学)が「意思決定の脳科学」というテーマで講演します。
参加申込は京都大学研究連携基盤のウェブサイトで受付中(先着順)。多くの方のご参加をお待ちしています。
第80回 京都大学丸の内セミナー
「意思決定の脳科学」
小村豊(京都大学こころの未来研究センター教授)
○講演者より
我々の日常は、意思決定の連続である。その本質は、反射や習慣とは対照的に、迷いを抱きながら、合目的的に行動を決定するところにある。実際、私たちは、迷いに合わせて、様々な適応行動をとる。例えば、より正確な情報を得るために、異なるソースを探索したり、煮詰まるほどの迷いであれば、逃避することだってあろう。しかし、これまで、脳がどのように、意思決定における「迷い」を検知し、それをもとに、様々な適応行動につなげているのかは、不明だった。講演者は、まず、動物実験において、脳深部にある視床領域に、その迷いの程度(確信度)をコードしているニューロン群を発見し、その信号を使って、動物が逃避するか、探索するかの行動を決定することを明らかにした。この手法を、ヒト実験に応用すると、動物同様の心理物理関数が得られた。これらの結果をもとに、私たちの意思の機構論と適応論を考察したい。
日時:2017年3月3日(金)18:00〜
場所:京都大学東京オフィス(千代田区丸の内)
アクセス→ http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.html
※2016年に品川オフィスより移転しました
▽概要(申込ページへのリンクあり)
http://www.kurca.kyoto-u.ac.jp/seminar/80
河合教授が韓国箱庭療法学会で講演しました
河合俊雄教授が2016年12月10日、韓国・ソウル市のソウル市立大学で開催された第19回箱庭療法学会で講演しました。
「Various developmental disorder and sandplay」というタイトルで河合教授は、近年の発達障害の増加とその多様性を、臨床的視点および社会文化的観点から捉えると共に、心理療法での変化のポイントについて話しました。
イメージ機能が弱いとされている発達障害に対してイメージを用いた箱庭療法を行うことは一見、矛盾しているように聞こえるかもしれません。しかし、箱庭療法では、限定された枠組みの中で具体物を通してイメージが現れるために発達障害の事例においても主体性が立ち上がるような動きは生じやすく、抽象的に課題について話すよりもよっぽど有効的なことがあります。この講演ではこうしたことについて、箱庭療法の具体例をあげながらわかりやすく論じられました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
プログラム(表紙)
広井教授が立命館大学稲盛経営哲学研究センター主催の第2回国際シンポジウムで基調講演を行いました
広井良典教授が12月8日に立命館大学で行われた立命館大学稲盛経営哲学研究センター主催第2回国際シンポジウム「稲盛経営哲学に基づく社会の実現に向けて」で基調講演を行いました。
今回のシンポジウムでは、楊壮・北京大学国家発展研究院教授の「稲盛経営哲学の中国起業家への影響 An Empirical survey of key Inamori Management Philosophy adopted in Chinese enterprises, Opportunities and Challenges」および広井教授の「ポスト成長時代の経済・倫理・幸福 Economy, Ethics and Happiness in the Post-Growth Era」という二つの基調講演を軸に、中島隆博東京大学教授や野中郁次郎一橋大学名誉教授等を含め、哲学、経営学、教育学、心理学、文化人類学、神経科学等多様な分野の研究者が参加し、活発な報告と議論が行われました。
広井教授の講演要旨は次の通りです。
「ポスト成長時代の経済・倫理・幸福
Economy, Ethics and Happiness in the Post-Growth Era」
広井 良典 京都大学こころの未来研究センター教授
Professor Yoshinori Hiroi, Kokoro Research Center, Kyoto University
要旨:日本は世界に先駆けて人口減少社会に移行し、"高齢化のフロントランナー"ともなっている。先進諸国も構造的な低成長期になりつつあり、並行してGDPに代わる豊かさや「幸福」指標に関する議論や政策が活発化している。
ここで大きく人間の歴史を振り返ると、そこに「拡大・成長」と「成熟・定常化」のサイクルを見出すことができ、特にその移行期において、従来になかったような新たな観念や思想、倫理が生成するのを見出すことができる。現在という時代は、工業化ないし産業化というベクトルが外的・内的な限界に直面している時代であり、新たな社会システムの構想とそこでの価値原理が求められている。
こうした関心から浮かび上がってくるのは、環境・福祉・経済の三者を統合した「持続可能な福祉社会」とも呼ぶべき社会像と、「地球倫理」と呼びうるような価値原理ではないか。日本が有するポテンシャルや課題を視野に入れながら、そうした展望について幅広い視点から考えてみたい。
After becoming the first society to have a decreasing population, Japan is now a front runner in terms of aging populations. As advanced countries enter a structurally low-growth period, discussions and policy-making are switching away from their traditional focus on GDP and toward a more invigorated focus on affluence and happiness indexes.
Looking back at human history, we see cycles of "expansion and growth" and "becoming mature and steady." Particularly during periods of transition, we can identify generations of unprecedented concepts, philosophies, and ethics. Modern times mean an era in which the movement of industrialization faces external and internal limits, demanding the conceptualization of new social systems and value principles therein.
From such interests, a vision of society seems to emerge which integrates the environment, welfare and economy and which should properly be called a "sustainable welfare society." This is accompanied by the emergence of value principles that may be called "global ethics." In view of the potential and actual issues faced by Japan, I want to consider such an outlook from a diverse range of viewpoints.
シンポジウム概要
https://www.iqform.jp/riprc2016/pc/page/top/
内容詳細(登壇者の講演要旨が読めます)
https://www.iqform.jp/riprc2016/pc/page/detail/
広井教授が「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」で基調講演を行い、福井新聞に掲載されました
広井良典教授が「第8回 人と環境にやさしい交通をめざす全国大会~つなげよう人と地域、めざそう夢のあるまちづくり」in 福井(2016年11月27日)で基調講演を行いました。
同全国大会は、2005年に宇都宮市で開催されたのを皮切りに、京都市、横浜市、東京都等においてこれまで7回開催されてきており、車に過度に依存した交通体系からの脱却、公共交通を柱とした交通体系への転換を基本的な方向にすえて市民、行政、研究者等が連携した幅広い活動を進めてきています。
広井教授の基調講演は、「人口減少社会を希望に――ローカル化時代のコミュニティとまちづくり」と題し、日本の都市が、アメリカの都市をモデルとして高度成長期を中心に圧倒的に「自動車中心」に作られてきたことを確認しつつ、"歩いて楽しめる街"は本来は高齢化とは無関係に「都市」本来のあり方として実現されていくべきものだが、日本の場合は、高齢化への対応が社会全体の重要課題として認識される中、高齢化をチャンスとして"コミュニティ空間という視点を重視した、歩行者中心の街"を実現していくべきという内容を、ドイツなどの動きに関する写真や動画を交えて報告する内容のものでした。
基調講演のあと、宇都宮浄人関西大学教授をコーディネーターに、原田昇東京大学教授や福井県庁、福祉市役所、福井鉄道、えちぜん鉄道、市民団体の代表によるパネルディスカッションが行われました。
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講演の内容が11月28日付の福井新聞、Yahoo!ニュースに掲載されました。下記リンク先の福井新聞のウェブサイトで全文をお読みいただけます。
「高齢化は脱車社会の好機と強調 福井で京都大学の広井良典教授」 (2016.11.28)| 福井新聞ONLINE
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/109883.html
河合教授が県立奈良高等学校平成28年度創立記念講演会で講演しました
2016年11月2日、奈良県立奈良高等学校で開催された平成28年度創立記念講演会で河合俊雄教授が講演を行いました。
同校では毎年、様々な業界で活躍する卒業生の著名人を迎えて講演会を開催しています。河合教授は、「こころの病と対処法・今昔」と題して、こころの病と近代の心理療法の成立についての概略を話すと共に、こころにまつわる症状が時代によってどのように変遷してきたのかについて、現役高校生に向けてお話ししました。
奈良県立奈良高等学校
http://www.nps.ed.jp/nara-hs/
広井教授が地球システム・倫理学会シンポジウムで報告を行いました
広井良典教授が、2016年11月12日に麗澤大学(千葉県柏市)にて開催された地球システム・倫理学会第12回学術大会シンポジウムで報告を行いました。
同学術大会では、午前の自由論題発表、午後の中西進氏(高志の国文学館館長)による「日本人と「無」」と題する基調講演に続いてシンポジウムが行われ、中村桂子氏(JT生命誌研究館館長)、広井教授、薗田綾子氏(株式会社クレアン代表取締役社長)、秋山知宏氏(東京大学大学院助教)が報告を行い、コメンテーターとして川勝平太氏(静岡県知事)が総括コメントを行いました。
広井教授の報告は「「持続可能な福祉社会」と地球倫理」と題するもので、一般に日本の伝統文化が「自然との共生」に優れているとされる点は生かしながらも、実際には環境汚染や原発問題等において様々な問題を生んできた状況を直視し、「持続可能な福祉社会」と呼ぶべき姿を社会システムとして実現していくことに注力しなければならないという趣旨のもので、そうした方向の関連で鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想や地球倫理と呼びうる思想の可能性が提起されました。
◇大会ポスター・ウェブサイト
◇関連書籍
『グローバル定常型社会 ―地球社会の理論のために ―』(岩波書店/2009年)
『人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理』(朝日新聞出版/2013年)
(広井教授の著書一覧は「スタッフページ:広井良典」の業績欄に掲載)
広井教授が世界鍼灸学会連合会学術大会で基調講演を行いました
広井良典教授が、2016年11月5日・6日につくば国際会議場(茨城県つくば市)で行われた世界鍼灸学会連合会(WFAS, World Federation of Acupuncture-Moxibustions Societies)学術大会で「持続可能な医療と統合医療・鍼灸への期待 Sustainable Health Care and the Expectations to Acupuncture, Moxibustion and Integrative Medicine」と題する基調講演を行いました。
世界鍼灸学会連合会は鍼灸分野においてWHOと公的関係を持つ唯一の学術団体で、学術大会は1987年以降毎年実施されており、日本での開催は1993年(開催地京都)以来23年ぶりとなるものです。今大会には30数か国より約2000名の参加があり、うち約300名が海外からの参加者でした。
広井教授の講演は7本の基調講演のうちの一つで、「持続可能な医療」というコンセプトがなぜ今重要かという話題から始まり、持続可能な医療と鍼灸・統合医療との関わりを(1)科学の新たな方向と統合医療、(2)高齢化とコミュニティ・地域、(3)ターミナルケアと死生観という3つの領域にそくして述べ、最後に「グローバル定常型社会の展望」という視点を踏まえてまとめる内容となっています。
当日の講演で発表されたスライド(PDF)を公開します。下記の画像もしくはリンクにアクセスしてご覧ください。
■講演スライド(PDF)
「持続可能な医療と統合医療・鍼灸への期待 Sustainable Health Care and the Expectations to Acupuncture, Moxibustion and Integrative Medicine」(PDF・5.4MB)
■大会ポスター・ウェブサイト
世界鍼灸学会連合会学術大会 東京/つくば 2016 ウェブサイト
畑中助教が平成28年度栄養教諭支援セミナー(主催:大阪府学校給食会)で講演しました
畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2016年10月28日に公益財団法人大阪府学校給食会主催による「平成28年度栄養教諭支援セミナー」で大阪府内の栄養教諭、学校栄養職員の方々を対象に講演を行いました。
<講演内容>
発達の問題を抱えるお子さんに対する食育、お子さんや保護者の方との関わり方、理解の仕方について、上廣こころ学研究部門の「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトの成果などをもとにレクチャーしたものです。
最近の学校現場では、発達障害という診断を受けたお子さんもたくさんおられます。発達障害についての基本的な理解に加え、診断の有無にかかわらず、発達のあり方が多様なパターンをとるようになってきているという現状についてもお話ししました。この講習会は11月にも第2回が行われる予定です。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
河合教授が第4回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会 公開インタビュー『河合雅雄に聞く-弟・河合隼雄の宇宙:自然、サイエンス、物語』に登壇しました
河合俊雄教授が、2016年10月30日に開催された第4回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会 公開インタビュー『河合雅雄に聞く-弟・河合隼雄の宇宙:自然、サイエンス、物語』(稲盛財団記念館大会議室)に登壇しました。河合隼雄京大名誉教授の思い出を兄である河合雅雄京大名誉教授が語るイベントで、河合教授は聞き手を務め、山極壽一京大総長をはじめとする多くの聴講者が集いました。(写真提供:河合隼雄財団)
河合隼雄財団のウェブサイトに掲載されたイベントレポートには、当日の様子が臨場感たっぷりに報告されています。ぜひお読みください。
【イベントレポート】河合雅雄に聞く 弟・河合隼雄の宇宙:自然、サイエンス、物語 | 河合隼雄財団
◇メディア掲載
霊長類学者・河合雅雄さん、亡き弟・隼雄さんを語る 4歳下、共に京大理学部進学6畳一間、議論の日々/京都 | 毎日新聞
「弟は『見抜き人』」 京都、故河合隼雄さん兄の雅雄さん講演会 | 京都新聞
河合教授、畑中助教、梅村研究員らが日本箱庭療法学会第30回大会で発表しました
2016年10月15日、16日、帝塚山学院大学(大阪府堺市)で日本箱庭療法学会第30回大会が開催され、河合俊雄教授が公開シンポジウムに登壇し、畑中千紘助教、梅村高太郎研究員らがそれぞれ研究発表を行いました。また、梅村研究員が同大会にて「第17回日本箱庭療法学会河合隼雄賞」を受賞しました(受賞に関する記事はこちら)。
シンポジウム、各発表の概要は以下の通りです。
1. 30回記念ケースシンポジウム「事例から見る箱庭療法の30年」
2. 個人発表「大学生のSNSコミュニケーション場面にみられる対人不安とアグレッションの分析-PFスタディ風質問紙を用いて-」(畑中千紘)
3. 個人発表「家屋画・室内画から見た青年期女子心身症患者の心理的特徴-アレキシサイミアとの関連から-」(梅村高太郎)
4. 共同発表「発達障害のプレイセラピーにおけるネガティブな事象-発達検査、日常生活の検討を含めて-」)
5. 共同発表「夢見手の自己感の様相と夢の構造の関連」
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1. 30回記念ケースシンポジウム「事例から見る箱庭療法の30年」
○開催日:2016年10月16日(日)
○シンポジスト:高野祥子(高知心理療法研究所)、前川美行(東洋英和女学院大学)、東山紘久(帝塚山学院大学)、河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
○司会:森田 慎(帝塚山学院大学)
<概要>
日本箱庭療法学会が30回の記念大会を迎えたことを記念して企画されたもので、約30年前の事例と最近の事例を比較しながら検討することによって、箱庭療法の歩んだ30年を振り返ると共に、箱庭療法の未来を考えることを主旨としたシンポジウムです。
高知心理療法研究所の高野祥子先生によって発表された30年前の事例、東洋英和女学院大学の前川美行先生によって発表された最近の事例はそれぞれに興味深いものでしたが、30年の時代の違いという視点から検討してみると、30年前の事例では、必ずしも専門家の対応がなくても、家族や社会の方に個人を受け入れる土壌があったことが感じられることが指摘されました。
(報告:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門 以下2,4,5も同じ>
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2. 研究発表「大学生のSNSコミュニケーション場面にみられる対人不安とアグレッションの分析-PFスタディ風質問紙を用いて-」(畑中千紘)
<概要>
近年、発達障害に限らず、大学生世代において内省的意識の弱さが指摘されています。学生相談においても、即時的な解決を求める学生と、漠然と不安を訴えるが何が問題か意識することが難しい学生へ2極化していると言われてきました。このように漠然とした不安を抱える学生が多い一方で、ネットでの炎上やLINEいじめなどに象徴されるような攻撃性の暴発現象も目立ってきています。
本研究は、大学生世代にみられる対人不安とアグレッション(攻撃性や主張性)の関連を調べるため、「LINE」を通したコミュニケーション場面を想定した質問紙調査を行ったものです。友人から不快な感情を引き起こすメッセージがきたとき、どのような返信をし、その背景でどのように感じるのかについて投影法の手法を援用して調べたものです。
この結果は、論文等を通じて今後発表していく予定です。なお、本研究は上廣こころ学研究部門「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトとして進められた研究成果のひとつです。
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3. 研究発表「家屋画・室内画から見た青年期女子心身症患者の心理的特徴-アレキシサイミアとの関連から-」(梅村高太郎)
<概要>
これまでアトピー性皮膚炎やバセドウ病などの心身症患者には、自らがどんな感情を抱いているのかを気づきにくいアレキシサイミアという特徴があると指摘されてきました。心身症の患者に対して心理療法を提供していく際には、こうした彼らの心理的特徴に応じた対応が必要になります。
そこで、本研究では、心身症患者の心理的特徴をより一層詳らかにし、心理療法的アプローチを適用する際の一助となるよう、心身症患者のアレキシサイミア傾向と、家屋画・室内画という投影描画法に示される特徴がどのように関連しているのかということについて、青年期の女性を対象とした調査から検討しました。
その検討から、心身症のなかには,アレキシサイミア傾向が弱く、周囲との密接な情緒的交流のなかで生じる心理的な軋轢や葛藤が症状の発現につながりやすいタイプと、アレキシサイミア傾向が強く、より生理的・実体的に反応して症状が発現するタイプが共に含まれている可能性を指摘しました。
本研究は今後も継続され、論文として成果を発表する予定です。なお、本研究は上廣こころ学研究部門「身体疾患・症状に関する心理療法の研究」プロジェクトとして進められた研究成果のひとつです。
(報告:梅村高太郎研究員)
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4. 研究発表「発達障害のプレイセラピーにおけるネガティブな事象-発達検査、日常生活の検討を含めて-」
<概要>
本発表は、上廣こころ学研究部門「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトのメンバーにより、プロジェクトの研究成果として発表されたものです。
発表では、発達障害の子どもへの心理療法(プレイセラピー)の中で起こってくるネガティブな事象に注目しました。プレイセラピーは、子どもの自発的な動きを大切にしますが、その中では楽しいことばかりではなく、おもちゃが壊れてしまう、作った山が崩れてしまう、子どもが部屋を出たがらない、など、様々に(一見)ネガティブな事象が起こることがあります。
一般には、このようなことは起こらないほうがよいものとされますが、本研究は、セラピーのプロセスを見なおすことで、一見ネガティブな事象が子どもの発達や変容のプロセスにどのような役割を担っていたのかを分析したものです。子どものこころが変容するときには、思わぬ偶発的な出来事や、うまくいかないこと・出来ないことに直面することが契機となることがあります。しかし、それは危険を伴うものでもあるため、安全な枠組みの中で行われる必要があります。
心理療法の専門家が、こうしたネガティブな事象のもつ可能性について改めて認識し、子どもと共にそれを体験し、プロセスを歩んでいくことの大切さについて発表を行いました。
(研究メンバー:田附紘平・畑中千紘・梅村高太郎・皆本麻実・松波美里・岡部由茉・粉川尚枝・鈴木優佳・西珠美・大場有希子・松岡利規・望月陽子・河合俊雄・田中康裕)
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5. 研究発表「夢見手の自己感の様相と夢の構造の関連」
<概要>
この研究では、大学生を対象に、自己感と夢の構造がどのように関連しているかについて検討したものです。
一般に夢分析というと、「蛇が出てきたらこのような意味がある」といったように、内容を分析するものと考えられる傾向が強いと思われますが、夢を分析する際に、夢の構造に着目することは夢見手のこころの構造を理解する上で有用な視点となります。
本研究はこのような前提から、夢見手の自己感のタイプにより、夢の構造がどのように異なるのかを小さい頃の夢と最近の夢についてたずねた質問紙調査から分析を行いました。
研究結果については、改めて論文等で公開予定です。なお本研究は文部科学省科学研究費事業:「夢の構造分析」に関する発達的・比較文化的・心理臨床的研究(研究代表者:田中康裕教育学研究科准教授)の成果です。
(研究メンバー:粉川尚枝・松岡利規・田中康裕・河合俊雄・畑中千紘・梅村高太郎)
日本箱庭療法学会第30回大会
日本箱庭療法学会 | The Japan Association of Sandplay Therapy
第39回日本精神病理学会大会で河合教授が講演しました
2016年10月7日・8日に静岡県浜松市で開催された第39回日本精神病理学会大会で河合俊雄教授が教育講演を行いました。
タイトルは「自閉症スペクトラム障害への心理療法の試みと時代性」で、自閉症スペクトラム障害の増加について、時代背景から読み解くと共に、社会構造の弱まりと共に発達が「非定型化」していることを指摘しました。子どもの描画の発達を見ても、時代を経るに連れ、従来の発達段階とは異なる変化を見せるようになっています。
このような流れの中、自閉症スペクトラム障害に見える(が本質的にはそうではないと考えられる)ような子どもが増えているのだと思われます。本講演では、自閉症スペクトラム障害と診断されたり、それに近い状態を呈するお子さんに対してどのような心理療法的アプローチが可能かについても、「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトの成果をもとに具体的にそのポイントが話されました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
◇関連書籍
『発達の非定型化と心理療法 (こころの未来選書) 』(河合俊雄・田中康裕/編、創元社/2016年)
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[DATA]
第39回日本精神病理学会大会
日程:2016年10月7日(金)・8日(土)
会場:アクトシティ浜松コングレスセンター
テーマ:「臨床記述の復権」
▽教育講演
10月8日(土)A会場
教育講演Ⅰ 「看取りの実践から見えてくる生の哲学―訪問看護師の語りを例に」
村上 靖彦(大阪大学大学院 人間科学研究科)
教育講演Ⅱ 「人工生命化する社会の中で、われわれはいかに生きるべきか」
池上 高志(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府)
教育講演Ⅲ 「自閉症スペクトラム障害への心理療法の試みと時代性」
河合 俊雄(京都大学 こころの未来研究センター)
司会:生田 孝(聖隷浜松病院 精神科)
第39回 日本精神病理学会大会 | 総合病院聖隷浜松病院ウェブサイト
http://www.seirei.or.jp/hamamatsu/guidance/activity/event/psychopatho/
広井教授が日仏国際会議「Innovation beyond Technique」で報告を行いました
広井良典教授が、2016年9月12日〜14日に東京大学で行われた日仏国際会議「Innovation beyond Technique」で報告を行いました。
同会議は、フランス国立科学センター(CNRS)、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)日仏財団、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)が共催したもので、3名の基調報告者(村上陽一郎、原山優子、レオニダス・ピペリス)のほか、ヨーロッパ側から13名、日本側から16名の研究者等が参加しました。
会議の基本にある関心は、イノベーションという概念は19世紀には「進歩」の概念と結びつけられ、1960年代~70年代には「成長」と結びつけられ、かつ技術の変化と重ねて考えられてきたが、今後は狭い意味での技術を超えた、社会的な側面を重視した学際的なアプローチが求められているという問題意識です。
広井教授はセッション2「社会的イノベーションの過程をデザインする」で登壇し、「Science, Innovation and Policy for Sustainable Welfare Society(持続可能な福祉社会のための科学、イノベーション、政策)」と題する報告を行いました。報告では、ポスト成長社会という文脈において科学や技術の目的の再定義が求められているという問題提起がまずなされ、それを踏まえて「持続可能な福祉社会」という社会像とそこでの科学・技術のありようが①医療、②再生可能エネルギー、③貧困と雇用という3つの領域にそくして論じられ、最後に「ケアとしての科学(Science as Care)」という新たな科学像の可能性が示されました。
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■広井教授の報告資料PDF(英語パワーポイント)
Hiroi_frjp2016.pdf
■会議概要:ristex 社会技術研究開発センターウェブサイト
http://www.ristex.jp/eventinfo/frjp/2016forum/
河合教授が「日本心理臨床学会第35回秋季大会」プレコングレスに登壇しました
河合俊雄教授が、2016日9月4日に横浜市のパシフィコ横浜で開催された「日本心理臨床学会 第35回秋季大会」のプレコングレス:シンポジウム1に指定討論者として登壇しました。
大会初日のメインホールにて一般公開で行われたプレコングレスは、「文化のトラウマとその癒し・世界における心理療法家のアプローチ」をテーマとし、ユング派分析家で国際分析心理学会倫理委員長の Ann Casement氏が基調講演を行い、引き続き3名のシンポジストが報告を行いました。その後、指定討論者を務めた河合教授と共にディスカッションが行われました。
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[DATA]
日本心理臨床学会 第35回秋季大会 プレコングレス:シンポジウム1
9月4日(日)13:00~16:15/メインホール
テーマ:「文化のトラウマとその癒し・世界における心理療法家のアプローチ」
▽第1部 基調講演
講演者: Ann Casement(ユング派分析家 国際分析心理学会倫理委員長 英国在住)
「文化と不死鳥:灰からのよみがえり-文化における世界大戦のトラウマとその回復」
司会者: 吉川 眞理(学習院大学)
▽第2部 シンポジウム
シンポジスト: Eva Pattis Zoya(臨床心理士 ユング派分析家 箱庭療法家 イタリア在住)
「子どもの箱庭に表現された個人および集団のトラウマ」
シンポジスト: Henry Abramovitch(テルアヴィヴ医科大学教授 臨床心理士 ユング派分析家 イスラエル在住)
「文化間紛争の深層に動く兄弟コンプレックス」
シンポジスト: Murray Stein(ユング派分析家 元 International School of Analytical Psychology 代表)
「文化のトラウマと向き合う癒し手の役割」
指定討論者: 河合 俊雄(京都大学こころの未来センター教授 臨床心理士 ユング派分析家)
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日本心理臨床学会ウェブサイト
http://www.ajcp.info/
河合教授が「第34回いのちの電話相談員全国研修会なら大会」で講演しました
河合俊雄教授が、2016年9月15日に奈良県天理市の天理大学で開催された「第34回いのちの電話相談員全国研修会なら大会」で基調講演をおこないました。「アウトリーチとしての心理療法と現代のこころ」という演題でした。
いのちの電話と心理療法は、話を聞くことによって相手を支える機能をもつものという共通点がありましたが、現在では、ある意味でより近くなってきているところがあります。それは、元々クローズドなこころに対して行われていた心理療法がこころがオープンになるにつれ、アウトリーチの形をとるようになりつつあるからです。
心理療法は、相談者が自らの意志で出かけていく場から、与えられるサービスになりつつありますが、スーパービジョンの大切さなどをはじめ、そうした新しいかたちの心理療法のポイントについてお話ししました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
ーー当日は地元の奈良新聞、奈良テレビ放送など多数のメディアが取材に訪れました。大会についての記事は、下記リンク先をご覧ください。
広井教授が「環境未来都市」構想推進国際フォーラムでコーディネーターを務めました
広井良典教授が、2016年8月30日に横浜市で開催された第6回「環境未来都市」構想推進フォーラムでコーディネーターを務めました。
「環境未来都市」構想推進国際フォーラムは、国内外の各都市や有識者が参加し、世界共通の課題である環境問題と超高齢化の課題解決に向けて議論する国際会議です。第6回目になる今回のテーマは「地方創生に向けた『まちづくり』~誰もが暮らしたいまち~」で、内外から約800名の参加がありました。
午前中の全体会議に続き、午後には4つの分科会に分かれて議論が行われましたが、広井教授は第2分科会「健康寿命の延伸のために――健康づくりとまちづくりの連携による総合的アプローチ」でコーディネーターを務め、冒頭で「都市政策と健康・福祉政策の統合」と題する報告を行いました。続いて国内都市から新潟市、松山市、横浜市が事例報告を行い、さらに環境首都としても知られるドイツのエアランゲン市から参加したウルスラ・ハーン氏(NPO「エアランゲン市の医療と健康」代表)が同市での政策展開をもとに、健康と持続可能性、あるいは医療と環境を統合したアプローチの意義を訴えました。
これらの報告を通じ、都市の中心部での自動車交通を大胆に抑制し、歩行者中心の"歩いて楽しめる"まちやコミュニティ空間づくりを進めていくことが健康や福祉にとってもプラスとなり、結果的に医療費や介護費を節減する予防的効果ももつことが示され、こうした方向を全国的に広げていくことの重要性が確認されました。
概要・プログラム - 「環境未来都市」構想ウェブサイト
http://future-city.jp/forum/2016_06/
河合教授が第4回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会「公開インタビュー 河合雅雄に聞く」に登壇します
2016年10月30日、第4回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会「公開インタビュー 河合雅雄に聞く 弟・河合隼雄の宇宙:自然、サイエンス、物語」が、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されます。河合隼雄財団の代表理事を務める河合俊雄教授が、インタビューの聞き手として登壇します。
講演会の詳細・申し込み方法は、同財団のウェブサイトに掲載されています。下記リンク先をご覧ください。
一般財団法人河合隼雄財団主催・第4回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会
公開インタビュー
『河合雅雄に聞く-弟・河合隼雄の宇宙:自然、サイエンス、物語』
日時:2016年10月30日(日)
13:30~(受付 13:00~)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
参加費:1500円
定員:150名(申込みによる先着順。定員になり次第、締め切らせていただきます。)
詳しくはこちら(河合隼雄財団ウェブサイト)
http://www.kawaihayao.jp/ja/event/event-1353.html
河合教授が「日本遊戯療法学会 第22回大会」にシンポジストとして登壇しました
2016年8月20日・21日、日本遊戯療法学会第22回年次大会が奈良県天理市の天理大学で開催され、初日の公開シンポジウム「発達障害と遊戯療法」(於:陽気ホール)で、河合俊雄教授がシンポジストとして登壇しました。
河合教授は「発達障害の見立てと遊戯療法における転機」というタイトルで発表しました。これは上廣こころ学研究部門・子どもの発達障害への心理療法的アプローチの成果をもとにしたものです。
発達障害が時代の変遷と共に増加してきた流れがある中で、昨今では、発達障害と診断を受けていてもそうは見立てられない事例が増えていることを指摘し、そのような事例の状態像について具体的に示しました。一般的な子どもの発達を俯瞰してみても、従来の心理学理論よりも発達が遅れているようにみられる現象が描画の発達的研究から読み取れることを例にあげ、現在では発達が「非定型化」してきていることについて述べました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
日本遊戯療法学会 第22回大会ホームページ
http://www.tenri-u.ac.jp/gr/chs/pt/symposium.html
広井教授が日本医療政策機構のフォーラムで「持続可能な医療とこれからの社会構想」と題する講演を行いました
広井良典教授が、理事を務める日本医療政策機構(HGPI)のフォーラムで「持続可能な医療とこれからの社会構想」と題する講演を行いました(2016年8月3日、千代田区・大手町フィナンシャルシティグランキューブ3F Global Business Hub Tokyo)。
(写真提供:日本医療政策機構)
日本医療政策機構(代表理事:黒川清政策研究大学院大学客員教授)は、医療政策に関する調査研究や政策提言を行うNPOとして2004年に設立されました。今回のフォーラムは同機構の大手町へのオフィス移転を記念して、医療における「イノベーションと持続可能性」をテーマに開催されたものです。フォーラムでは小野崎耕平理事・事務局長の開会の辞(「これまでのHGPI、これからのHGPI」)に続いて、広井教授の上記講演と黒川代表理事の講演(「Japan: Health Care Reform in Globalization」)が行われました。
講演では、「持続可能な医療sustainable healthcare」というコンセプトのもつ意味が提起された後、それに関する課題が①医療技術革新(イノベーション)と医療費、②医療費の配分、③高齢化とコミュニティ・都市・地域、④ターミナルケアと死生観という4つのテーマにそくして展開され、これらを踏まえて国際的に見た日本のポジションの特徴と方向性が論じられました。
なお、詳しいレポート記事が医療政策機構のウェブサイトに掲載されています。また、広井教授の講演資料を公開しました。参考文献も記載されています。下記リンクにアクセスしてご覧ください。
(開催報告)日本医療政策機構オフィス移転記念フォーラム | 日本医療政策機構(HGPI)
https://www.hgpi.org/report_events.html?article=546
広井教授の講演資料(パワーポイント)
https://www.hgpi.org/handout/20160803広井スライド.pdf
吉岡教授が京都市立芸術大学の展覧会「通りぬけフープ」トークイベントに登壇します(開催:8/27)
2016年8月20日から9月4日まで、京都市中京区の京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで、グループ展「通りぬけフープ」(主催:京都市立芸術大学)が開催されています。本展覧会では、8名の作家による様々な「通過すること」の形を鑑賞することができます。
8月27日(土)14時からは、吉岡洋教授がゲストとして登壇するトークイベントが開催されます。「通りぬけフープ」のタイトルに含まれる"通りぬけ"について、様々な観点から考察します。
展覧会、トークイベント共に観覧料は無料です。詳しくは、ギャラリー@KCUAのウェブサイトをご覧ください。
2016年度申請展「通りぬけフープ」 | 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
http://gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20160820_id=8604#ja
広井教授が日本学術会議の公開シンポジウム「ケアサイエンスとは何か、その必要性を議論する」に登壇しました
広井良典教授が日本学術会議・看護学分科会の公開シンポジウム「ケアサイエンスとは何か、その必要性を議論する」で報告をおこないました(2016年7月23日、お茶の水女子大学)。
広井教授と並んで報告をおこなったのは上野千鶴子・立命館大学大学院特別招聘教授と西村ユミ・首都大学東京大学院教授で、それぞれ「公共政策、科学哲学の視点から見たケアサイエンス」「当事者学の視点から見たケアサイエンス」「看護学、現象学の視点から見たケアサイエンス」という題目で報告したのち、南裕子・高知県立大学学長の司会のもとで会場も交えた活発な討議がおこなわれました。
(写真:報告風景、討議風景 ― 右から2番目が広井教授)
□関連する広井教授の書籍(著書一覧は「スタッフページ:広井良典」の業績欄に掲載)
『ケアとは何だろうか (講座ケア―新たな人間‐社会像に向けて)』(ミネルヴァ書房/2013年)
『生命の政治学―福祉国家・エコロジー・生命倫理』(岩波書店/2015年)
吉岡教授が第20回国際美学会議(20th International Congress of Aesthetics)に登壇します
吉岡洋教授が、韓国のソウル大学で開催される第20回国際美学会議(20th International Congress of Aesthetics, July 24 - 29, 2016)に登壇します。
大会テーマは「美学とマスカルチャー "Aesthetics and Mass Culture"」です。吉岡教授は本国際学会の副事務局長を務めており、大会では個人研究発表と、2つのパネルディスカッションに登壇します。登壇スケジュールは次の通りです。
The 20th International Congress of Aesthetics
"Aesthetics and Mass Culture"
24-29 July 2016 (Sunday-Friday)
Seoul National University, Seoul, Korea
http://www.ica2016.org/main/main.php
○July 26 Tue 11:00 ~ 12:20
Session【GS-13】Topic1(Mass Art) Moderator: Hanseung Kim
Speaker: Kirwan, James "The Aesthetics Of Art And Mass Culture: Does Art Have Any Aesthetic Value?"
Fang, Duan Ji "Surpassing Modernity:Aesthetic Issues At The Era Of Aesthetic Capitalism"
Yoshioka, Hiroshi "Aesthetics Of The Incomprehensible: A Reflection On The "Mass" In Culture"
○July 26 Tue 15:00 ~ 16:20
Session【RT-6】The Transformative Aesthetics of New Media Arts Moderator: Jos de Mul
Speaker: Yoshioka,Hiroshi "Aesthetics of New Media Arts in East Asia"
Lee, Zune "New Relationships between Human and Non-Human in the Digital Arts"
DeMul,Jos "The Modular Body. New media deconstruction of the Opposition of Art and Science"
○July 28 Thu 11:00 ~ 12:20
Session【RT-14】Emergence of Artistic Creations in Everyday Life Moderator: Hiroshi Yoshioka
Speaker: Yoshioka,Hiroshi "Implosion of Mass Culture? :the disappearance of borders and the formation of new tribes."
Miki, Okubo (participate as commentator)
Seo, Hyojeong "Possible participation and interaction with the public for the future of media art."
広井教授が「幸せリーグ」(住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合)実務者会議で講演しました
広井良典教授が顧問を務める「幸せリーグ」(住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合)実務者会議で「人口減少社会を希望に――幸福度指標とこれからの日本社会」と題する講演等をおこないました(7月8日、日暮里サニーホール)。
「幸せリーグ」は、幸福度指標の策定あるいは関連する政策を進めている全国の自治体が作っているネットワークで、2016年7月現在95の市町村が加盟しており、東京都荒川区が事務局を務めています。
今回の実務者会合では62自治体から73名が参加し、広井教授の講演の後、昨年から検討を進めている6つのテーマグループ(①幸福度等意識調査の政策への反映、②各自治体が実施した幸福度調査結果の比較分析、③行政評価や総合計画等への幸福度指標の反映、④地方創生に関する総合戦略の策定における幸福度指標の活用と計画策定後の実践、⑤地域間連携の在り方や実践、⑥少子高齢化対策、雇用対策等)に分かれて議論がなされ、広井教授が助言と総括コメントをおこないました。今後は来年6月開催の幸せリーグ総会に向けて、各々のテーマに関する報告書をまとめていく予定となっています。
地域における幸福度指標の策定については、先進諸国の集まりであるOECD(経済協力開発機構)がHow's Life in Your Region?: Measureing Regional and Local Well-being for Policy Making (2014) と題する報告書をまとめていますが、自治体が独自の幸福度指標を策定しつつ連携するという試みは世界的に見ても珍しく、先駆的な意義をもつものと言えます。
□参考ページ
幸せリーグ〜住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合〜ウェブサイト
荒川区提唱の「幸せリーグ」の背景取材 | 自治体.com Topics
□関連書籍
『「幸せリーグ」の挑戦』(「幸せリーグ」事務局 編/三省堂)
第1章 なぜ、いま基礎自治体が「幸せ」に取り組むのか
ポスト成長時代の幸福政策─幸せはローカルから・・・・・顧問 広井良典 36
河合教授、畑中助教、梅村研究員が日本ユング心理学会第5回大会に登壇しました
河合俊雄教授、畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)、梅村高太郎研究員が、2016年6月11日・12日に学習院大学(東京都豊島区)で開催された日本ユング心理学会第5回大会に登壇しました。
河合教授は、11日のプレコングレスのシンポジストを務め、12日の研究発表の指定討論をおこないました。プレコングレスでは、学習院大学教授で民俗学者の赤坂憲雄氏が、「海の彼方より訪れしものたち」という題で講演し、それについて川戸圓氏(川戸分析プラクシス、大阪府立大学名誉教授)とともに討論しました。
シンポジウムの題は、赤坂氏の著書『ゴジラとナウシカ』の副題で、震災を意識したものです。講演の中で赤坂氏は、海岸線というのがいかに動きやすいものであったか、古代の日本人はすぐれた航海術をもっていたけれども、星によるものではなくて、目に見える山や島を頼りに航海していたこと、南の海という意識はなくて、そこは虚無であったこと、数少ない津波の昔話で、ものを言う魚を食べると津波がきて村が呑み込まれることなど、海から訪れるもの、海についての日本の古来の表象について興味深い話を披露しました。そして浄化してくれる海が、キャパを超えたり、それを文明が傷つけた現代の問題を指摘しました。それを受けて河合は、動く海岸線などの話を心理学的に受けとめると、生死や意識と無意識の境界があいまいであること、星による絶対的なオリエンテーションではなくて、島などによる具体的な関係性が大切なこと、自然は偉大で、それを支配する(食べる)という行為はありえなかったこと、しかし自然に対する無垢さを失ってしまった現代の課題を指摘しました。
研究発表では、河合教授は「夢と現実の接点―セラピストが夢を通じてクライエントに出会ったと考えられた事例」における指定討論者としてコメントをおこないました。
畑中助教は、「現代における物語と心理療法のかたち -イメージの断片化と自己再生産の視点から」というタイトルで口頭発表をおこないました。これは、「物語」というパラダイムが通用しにくくなっている現況を踏まえつつ、現代を「物語がない」時代とみるのではなくて、「物語の形が変わってきている」とみることによってどのような可能性が見えてくるかについて議論したものです。この中では現代の物語の形として、「寄り添い合う物語」「自己再生産する物語群」「瞬間の物語」の3つをとりあげ、それぞれの物語が互いに関わり合うことに敏感になりつつある傾向を指摘しました。そして最後に「他者との交差のなかに生まれる物語」として、自己や物語という枠組みが弱くなってきている昨今では、「自分の物語」「自分が語ること」に固執することなく、自他が交錯し合うその間に物語が生まれる可能性があるのではないかと提案をおこないました。
また、同じく12日に梅村高太郎研究員は、事例研究発表として「悪に目覚める発達障害男児とのプレイセラピー」というタイトルで発表をおこないました。
日本ユング心理学会第5回大会
http://www.jajp-jung.info/conference.html
熊谷准教授がベルゲン大で研究集会「Buddhism, culture and society in Bhutan」を開催しました
熊谷誠慈准教授が、2016年6月19日から25日にかけてノルウェー・ベルゲン大学で開催された第14回国際チベット学会に参加しました。6月22日には、熊谷准教授主催の研究部会「Buddhism, culture and society in Bhutan」がおこなわれ、各国の研究者らがブータンの社会、文化に関する研究発表と討論をおこないました。
Panel7 - Buddhism, culture and society in Bhutan
Wed 22 June (Auditorium Q)
Convener: Seji Kumagai
9.00-9.15: Opening of panel.
9.15-9.45: Seiji Kumagai: A study through biographies and chronicles on Tsangpa Gyare (1161-1211), the founder of the Drukpa Kagyu School.
9.45-10.15: Felicity Shaw: The National Library and Archives of Bhutan: from literary repository to guardian of collective memory.
10.15-10.45: Brian Shaw: Becoming a modern Bhutanese: the continuing development of civil society and social media in a time of change 1972-2015.
10.45-11.15: Tea and coffee break.
11.15-11.45: Johanna Prien: Ritual paraphernalia used by pawo and neyjorma spirit mediums in rural Western Bhutan.
11.45-12.15: Per Sørensen and Hou Haoran: Transnational kinship network: history of the ruling rGya family at the Ra-lung seat between the 15th and 16th centuries.
12.15-12.45: Dagmar Schwerk: Tracing the life and intellectual agenda of a 20th century Bhutanese scholar and yogin, the Sixty-Ninth rJe mKhan-po dGe-'dun-rin-chen (1926-1997).
12.45-13.45: LUNCH
13.45-14.15: Lungtaen Gyatso: Holistic education: redefining the purpose of education in the Royal University of Bhutan.
14.15-14.45: Tashi Tshering: The Tashigomang: portable shrines of Bhutan.
14.45-15.15: Françoise Pommaret: The Bumthang web: migrations, alliances, economy and religion.
15.15-15.45: Tea and Coffee break.
15.45-16.15: Akiko Ueda: Symbolic, monetary and nutritional values of rice: "food security" re-examined in Bhutan's rural context.
16.15-16.45: Akinori Yasuda: Some remarks on the lTa ba klong yangs discovered by Dorje Lingpa.
吉岡教授が美術分野を担当、登壇する第3回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウムが開催されます(7/9,10開催)
吉岡洋教授が美術分野担当リーダーを務める「第3回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム 未来への窓―バイオ・メディカルテクノロジー、数学、美術の眼を通して―」が2016年7月9日・10日、京都大学百周年時計台記念館で開催されます。
同シンポジウムは、京都大学の主催、公益財団法人稲盛財団の共催により、2014年から開催している国際シンポジウムです。京都賞の3部門12分野のうち,毎年、2年後の京都賞授賞分野となる3分野を対象として,最先端あるいは現在注目される研究者や専門家を迎えて実施されます。今回は、バイオテクノロジー及びメディカルテクノロジー、数理科学、美術の3分野が対象で、吉岡教授は美術分野の担当リーダーを務め、2日目の14時からおこなわれるシンポジウム「過酷な世界を切り抜けるアート」で司会者として登壇し、講演者と討論をおこないます。
詳細、参加概要は下記の公式ウェブサイトをご覧ください。
第3回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウムウェブサイト
http://kuip.hq.kyoto-u.ac.jp/ja/
京都賞ウェブサイト
http://www.kyotoprize.org/
京都伝統文化の森推進協議会公開セミナー「森を活かす」が開催されます(6/4開催)
2016年6月4日、京都伝統文化の森推進協議会第16回公開セミナー「森を活かす」が、京都大学稲盛財団記念館3階大会議室で開催されます。こころの未来研究センターが後援するセミナーで、広井良典教授、吉岡洋教授が講演をおこない、司会進行は鎌田東二上智大学グリーフケア研究所特任教授(2015年度までこころの未来研究センター教授)が務めます。
現在、参加者を募集中です(無料、要申込)。下記をご覧のうえ、主催者の京都伝統文化の森推進協議会事務局(京都市産業観光局農林振興室林業振興課内)までお申し込みください。
京都伝統文化の森推進協議会第16回公開セミナー「森を活かす」
京都伝統文化の森推進協議会では, 学識者, 寺院, 地元団体, 行政等の参画により, 東山を中心とした森林整備を推進するとともに, 京都三山の景観的・文化的価値の発信などに取り組んでいます。
この度, 「森を活かす」をテーマに, 人と森との新たな関わり方を紹介する講演や総合討論などを行う公開セミナーを開催しますのでお知らせします。
▽日時:2016年6月4日(土)13時~17時
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム:
開会挨拶・趣旨説明:鎌田東二(京都伝統文化の森推進協議会会長、上智大学グリーフケア研究所特任教授・京都大学名誉教授)
講演①:広井良典・京都大学こころの未来研究センター教授(公共政策)「鎮守の森のプロジェクトから見えてくる森の公共性」60分
講演②:吉岡洋・京都大学こころの未来研究センター(美学・芸術学)「こころの豊かさ」寄附部門特定教授「森とアート」60分
ディスカッション:広井良典+吉岡洋;鎌田東二(コーディネート・司会)90分
【参加申込】
⑴ 受付期間
2016年6月2日締切
⑵ 申込方法
ファックス又は電子メールで (1)氏名 (2)電話番号 (3)同伴者の人数(複数名で申し込む場合)を京都市産業観光局農林振興室林業振興課(FAX:075-221-1253, メールアドレス: ringyosinko@city.kyoto.lg.jp )まで
⑶ 募集人数等
200名, 先着順(ただし,高校生以上に限ります。)
⑷ 参加費
無料
主催:京都伝統文化の森推進協議会
共催:京都市
後援:京都大学こころの未来研究センター・京都新聞・KBS京都・FM京都・NHK京都放送局
京都市広報資料
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000197189.html
京都伝統文化の森推進協議会ニュース
http://www.kyoto-dentoubunkanomori.jp/news/280604.html
河合教授が米国・Pacifica大学院でのシンポジウムとユング研究所での公開講座に登壇しました
2016年4月23日、河合俊雄教授が米国・カリフォルニア州サンタバーバラ近郊のPacifica大学院の40周年記念シンポジウムで講演し、翌24日、ロサンゼルスのユング研究所での公開講座で講義をおこないました。
講演、講義は英語でおこなわれました。畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)によるまとめをご紹介します。
Pacifica大学院でのシンポジウムは"Climates of Change and the Therapy of Ideas"(気候変動と概念の心理療法)がテーマとなり、河合教授は東日本大震災と日本の自然観をテーマに、"A Traditional View of Nature and its Transformation: Lessons of the 2011 Earthquake in Japan"(伝統的な自然観とその変容:2011年東日本大震災の教え)というタイトルで講演しました。
この講演ではまず、狐や狸に化かされていたような前近代の日本の世界観が現代において自然の否定・内在化によって人間が自然をコントロールするような見方にとってかわったことが指摘されます。
自然の内在化とは、そもそも西洋文明に典型的なことですが、日本文化ではミニチュア化という独自の仕方で生じており、すべての自然が象徴的に表現された庭園や仏教の布教に使われた絵図、狸谷山不動院にみられる小さな巡礼の道などにも、その特徴をみることができます。
しかしながら、2011年の東日本大震災の衝撃は、我々の自然観を再び大きく変えることになります。震災後のこころのケアの活動の中で出会った子どもの作品にも自然の大いなる力に圧倒され、それを畏怖し賛美さえするような作品がみられたように、自然とは人の手の内に入ってしまうようなものではなかったということなのでしょう。
また単に自然の脅威に圧倒されただけではなくて、原発の問題に示されているように、われわれが自然を傷つけ、自然に対するイノセンスを失ったというのも大きな打撃です。では、自然に圧倒されただけではなくて、自然を傷つけてしまった我々はどのような新たな自然観を身につければよいのでしょうか。
村上春樹はエルサレムの講演で、彼の父親が戦争で亡くなったすべての人に祈り続けていたことを話しました。このような課題にとりくんでいくには、とてもとても長い時間がかかるのかもしれません。村上春樹が物語をかきつづけることで父の仕事を引き継いでいるようにこの大きな仕事には、世代を超えて取り組み続けることが大切なのかもしれません。
また、これに続き、ロサンゼルスのユング研究所において、"Haruki Murakami and the State of Psyche Today"(村上春樹とこころをめぐる昨今の状況)というタイトルにて、3時間にわたる講義をおこないました。
この講義では、ポストモダン的な世界を描いている村上春樹の小説を題材に、日本の中世の物語やユング心理学の考え方と比較しながら、現代における異界のあり方、他者との相互浸透とインターフェース物語のネットワークなどのテーマについて議論を展開しました。また、特に最近の村上春樹作品にみられる主体の立ち上がりと「自然(じねん)」、偶然の出会いのテーマは現代の心理療法におけるポイントにも共通していることが指摘されました。
[DATA]
Saturday, April 23, 9:00-10:45 AM / Pacifica Graduate Institute
A Traditional View of Nature and its Transformation: Lessons of the 2011 Earthquake in Japan
Toshio Kawai
http://www.pacifica.edu/pp-previous-public-programs-final/item/climates-of-change-and-the-therapy-of-ideas
Western civilization is characterized by the transformation of nature from being a dominating subject to an object of human study, which lead to the natural sciences. Recent awareness of environmental issues still remains within this framework and impact us globally, nationally, and within the therapy room. In sharp contrast, the pre-modern view of nature is the enduring perspective in Japan in which the transformation of nature has gone through a different process, leading to art and healing techniques. The Japan Earthquake of 2011 caused not only unprecedented human and material losses, but also demanded a reconsideration of our relationship with nature. This catastrophe shook our human centered view of nature and reminded us of the latent, but still exiting, pre-modern view of nature with "nothingness" as basis of being. At the same time it revealed the limitedness of the pre-modern worldview, especially concerning the Fukushima disaster and radiation leakage. Climate change has to do with this last point. In the face of these difficulties Dr. Kawai will show the importance of traditional views of nature in Japan and will suggest the necessity of overcoming or transcending both traditional and scientific view of the nature.
Sunday, April 24, 2016; 10:00AM - 01:00PM / C.G. Jung Institute of Los Angeles
Haruki Murakami and the State of Psyche Today
Presented by Toshio Kawai, Ph.D.
http://www.junginla.org/t/publicprograms/2016/winterspring/month/april/?submenu=0
Haruki Murakami is probably the most popular Japanese novelist whose works are translated into many languages. Deceptively easy to read, they can also be very enigmatic. Kawai, a visiting analyst from Japan, will use Murakami's novels as a basis for reflecting on the current state of the psyche today, and the kinds of relationships he thinks are possible, both between people, and with the larger transcendent world of the unconscious.
吉岡教授が会長を務める日本記号学会の第36回大会が開催されます(5/21-22開催)
吉岡洋教授が会長を務める日本記号学会の第36回大会が、2016年5月21日(土)、22日(日)に大阪大学吹田キャンパスで開催されます。
「Bet or Die 賭博の記号論」というテーマで、両日に渡り3つのセッションと学会員による研究発表がおこなわれます。吉岡教授は、2日目の分科会Aで司会を務めます。
学会非会員も参加可能です(有料・資料代500円)。詳細は、下記リンク先をご覧ください。
日本記号学会第36回大会「Bet or Die 賭博の記号論」>
賭けるということは、生きることそのものでもあります。仕事であれ遊びであれ、人生を生きていることにおいてわれわれはつねに何かを賭けており、何かの賭けに勝ち、また負けています。そうでない人生などはありません。これは、生のリアリティがどこかで必ず偶然性という様相、出逢いというあり方とむすびついていることともかかわるでしょう。そしてその偶然にどう対応するかで、われわれの自発性のありようも決まってく るのです。 今回は三つのセッションをたてて、それぞれの方向から賭けるという生のリアリティに迫れれば と考えております。 ご参加のほど、よろしくお願いいたします。(実行委員長:檜垣立哉/大阪大学教授)
期日:2016年5月21日(土)、22日(日)
会場:大阪大学人間科学研究科(吹田キャンパス)
プログラム詳細→ http://www.jassweb.jp/?p=157
Facebook→ https://www.facebook.com/events/1727738327438786/
広井教授が「岩手の幸福に関する指標」研究会で報告をおこないました
「岩手の幸福に関する指標」研究会(第1回)が4月28日に盛岡市で開かれ、同研究会のアドバイザーを務める広井良典教授が、「幸福度指標をめぐる課題」と題する報告をおこないました。
同研究会は岩手県庁が設けたもので、「岩手県政の推進に当たり、物質的なゆたかさに加え、岩手ならではの生き方やゆたかさにも着目すること、個人の幸福と集団全体の幸福の関係性といった視点を踏まえることが重要」との基本認識に立ち、「幸福に関する指標」策定に向けた検討をおこなうものです。
指標策定にあたっては、「岩手に根ざした風土や文化、暮らし、また、東日本大震災津波からの復興に大きな力となっている地域や人のつながりといった、岩手ならではのゆたかさに着目」することが重視されています。研究会は本年秋に中間報告書をまとめる予定となっています。
当日の様子は、FNNローカルニュースで報道され、公式サイトにて動画が公開されています。下記リンク先からご覧ください。
次期県民計画に導入検討「幸福に関する指標」研究会が初会合(岩手16/04/29)
岩手県が次期県民計画に導入を検討している、「幸福に関する指標」の研究会が28日、初会合を開いた。28日に行われた研究会には、社会学を専門とする大学教授やNPO(民間非営利団体)法人など、6人が参加した。
会では、専門家たちが、それぞれの分野の視点から、幸福の概念や基準について、意見を交わした。県は、県民の生活をより豊かなものにするために、「幸福に関する指標」を導入し、岩手ならではの幸せとは何かを考えることで、政策の優先順位や課題を明確にしたい考え。
FNNローカルTIME・YouTube公式サイト
https://www.youtube.com/watch?v=Jj9VibrlzYc
※クリックすると動画が始まります
▽関連サイト
岩手県知事講話「岩手コモンウェルス構想」
http://www.pref.iwate.jp/governor/hatsugen/34678/041125.html
河合教授が国際分析心理学会で開催される指揮者・佐渡裕氏への公開インタビューイベントに登壇します
2016年8月30日、河合俊雄教授が京都国際会館で開催されるIAAP(国際分析心理学会)京都大会内のイベント「佐渡裕さんにきく河合隼雄の思い出 with スーパーキッズ・オーケストラ ミニコンサート」に登壇し、指揮者の佐渡裕氏へのインタビューの聞き手となります。
IAAP(国際分析心理学会)は、世界のユング派分析家が所属する国際団体です。3年に1度定期大会が開催され、この度、2016年8月28日から9月2日にかけてアジア初の大会が京都で開催されます。同学会の副会長である河合教授は、今回の京都大会の委員長を務めます。
インタビュー・コンサートイベントはどなたでも参加可能です(有料)。詳しくは下記リンク先の河合隼雄財団のページをご覧ください。
河合隼雄財団ウェブサイト 「指揮者・佐渡裕さんのイベントを開催いたします!」
http://www.kawaihayao.jp/ja/event/event-1130.html
IAAP KYOTO 2016 August 28th - September 2nd, 2016
http://www.ajaj.info/iaap2016/index_e.html
広井教授が報徳思想と持続可能な地域経済に関する講演をおこない、小田原市長と対談しました
広井良典教授が、二宮尊徳生誕の地である神奈川県小田原市(小田原市民会館)で2016年4月24日に開かれた「協同の力で地域を創る」と題する集会で報徳思想とコミュニティ経済について講演しました。講演に続いて、加藤憲一小田原市長(京都大学出身)との間で「相互扶助の文化と経済が拓く、持続可能な地域づくり」をテーマに対談がおこなわれました。
小田原市は、報徳思想の考え方を市民主体の自然エネルギー事業に活かした「ほうとくエネルギー」株式会社や、同じく報徳思想と協同労働の理念を融合させた「報徳農場」などの先進的な取組みで知られています。
広井教授の講演では、報徳思想のもつ新たな現代的意義が、人口減少社会や地方創生との関わり、相互扶助と自然に関するテツオ・ナジタ著『相互扶助の経済』の議論との関連等において提起されました。
午後には6つの分科会(①持続可能な地域経済と報徳思想、②再生可能エネルギーが新しい社会を創る、③誰もが生きられ、働くことのできる社会へ、④人口減社会を希望に、⑤子育ての社会化と協同の力による子育ち・親育ち、⑥農のグローバル化を超えて)に分かれて報告や討論がおこなわれ、池上惇・京都大学名誉教授、鈴木梯介・エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表理事、山田正彦・元農林水産大臣等もコメンテーターとして参加しました。
当日の概要と講演写真が、神奈川県生活協同組合連合会のウェブサイトに掲載されています。
協同の力で地域を創る
2016神奈川集会 in 小田原が開催されました
高度成長から成熟社会への大きな転換期を迎える中、経済成長一辺倒では解決しえない、社会の孤立・分断を市民の協同・連帯の力で誰もが共に生きられ、働くことができる持続可能な新しい社会づくりへの様々な取り組みが広がってきています。
報徳思想と持続可能な地域づくりの先進の地・小田原において、社会の様々な困難や課題に焦点をあてつつ、共に学び、共に考え、共に行動し、人口減社会への希望となる新たな現実を作りだす契機としてこの集会は企画されました。
(神奈川県生活協同組合連合会ニュースページより引用 ※写真も)
イベント案内(PDF)
http://www.knsyk.jp/s/sanka/pdf/kngwb20160424.pdf
【5/13開催】NHKカルチャー講座「京都の美を探る」で吉岡教授が講師をつとめます
NHKカルチャー京都教室では、2016年4月より全6回の講座「京都の美を探る~アートの達人になるために」が始まりました。5月13日(金)は、吉岡洋教授が講座を担当し、「京都のアートについて」をテーマにレクチャーします。
受講者を現在募集中(※有料)です。興味のある方は、下記リンク先のNHKカルチャー講座ページをご覧ください。
NHKカルチャー京都教室「京都の美を探る~アートの達人になるために」
さまざまなアートのプロフェッショナルをお招きして、アートの見どころ、奥深さを学びます。アートを通じて、京都の魅力を感じてみませんか?
美術を気軽に、本格的にたのしむための講座です。お気軽にご参加ください。
(講座案内文より)
○場所
NHKカルチャー京都教室(京都市下京区)
○講座案内ページ
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_461762.html
河合教授が「日本遊戯療法学会 第22回大会」にシンポジストとして登壇します
日本遊戯療法学会第22回年次大会が、2016年8月20日・21日に天理大学(奈良県天理市)で開催されます。初日におこなわれる公開シンポジウム「発達障害と遊戯療法」(於:陽気ホール)において、河合俊雄教授がシンポジストとして登壇します。
当日は、公開基調講演として宗教学者の山折哲雄氏による「遊びと祈り」というテーマでの講演もおこなわれます。現在、一般参加者と学会員の参加を募集中です。詳しくは、下記リンクの大会ホームページをご覧ください。
公開シンポジウム テーマ「発達障害と遊戯療法」
2016年8月20日(土)15:15~/陽気ホール
・シンポジスト:
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
木部則雄 (白百合女子大学)、滝川一廣 (学習院大学)
・指定討論者:
山中康裕 (京都ヘルメス研究所・京都大学名誉教授)
伊藤良子 (学習院大学)
・司会:千原雅代(天理大学)
○概 要:「発達障害の見立てと遊戯療法における転機」河合俊雄
発達障害についてスペクトラムという考え方が浸透するに伴って、近年必ずしも発達障害とは見立てられない子どもにも発達障害という診断・判定がつけられていることが多く、その弊害も認められる。表面の特徴ではなくて、子どもの遊びにおいて、何が発達障害という見立てのポイントになるのかを、多くの例からまず考えたい。また発達障害と見立てられなくても、そこにある種の発達の非定型化や弱さが認められることも指摘したい。
主体の存在を前提にでき、従ってある程度のプロセスの連続性を期待できる通常の遊戯療法とは異なって、主体の発生が大切になってくる発達障害の遊戯療法においては、いわば非連続的に突然に発生してくる主体にセラピストがどう立ち会って、それを逃さないかが大切になってくる。それはreflectiveなセラピーというよりも、emergentなセラピーと呼ぶことができよう。そのような遊戯療法における転機には、セラピストのコミット、自発性、創造性が大切になることを考えたい。
日本遊戯療法学会 第22回大会ホームページ
http://www.tenri-u.ac.jp/gr/chs/pt/symposium.html
「グリーフケア公開講座 悲しみを生き抜く力」(センター協力イベント)が5月10日より開講します
2016年5月10日より全8回に渡り、龍谷大学響都ホール(京都駅前アバンティ9階/京都市下京区)にて、龍谷大学と上智大学グリーフケア研究所の共催、こころの未来研究センターの協力で「グリーフケア公開講座 悲しみを生き抜く力」が開催されます。第7回目となる6月28日には、2016年3月までこころの未来研究センター教授を務めた鎌田東二上智大学グリーフケア研究所特任教授がレクチャーします。
講座の参加申込受付は、4月28日までです。詳細は、以下の案内(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
グリーフケア公開講座「悲しみを生き抜く力」 受講生募集
●開催趣旨
大切な人やものを喪失する悲しみ(グリーフ)は、すべての人がそれぞれのライフステージで経験します。家族や自分自身の病気、生き別れ、死別、学校や職場におけるいじめ、友達との別れ、失恋、卒業、離婚、孤立、ペットの死、挫折、失業などによって引き起こされます。悲しみには後悔が伴います。しかも人は死別の悲しみを経験することを通して、亡き人から受けた愛情に気づきます。深い悲しみから、他者や自然への慈しみも生まれてきます。喪失の悲しみは、人に本当に大切なものを考えさせてくれます。
京都は日本の悲嘆文化が練り上げられた土地です。それぞれの時代に、宗教・思想・芸能が誕生した背景には、創唱者・開拓者自身の深い悲しみや迫害がありました。そしてその深い悲しみからこそ、生き抜く智慧や慈しみ、創造力が生み出されていきました。本講座では、悲しみを理解し、悲しみを見つめることを通して生きることの意味、死の意味を共に考えたいと思います。
開講期間:2016年5月10日(火)~ 7月19日(火)毎週火曜日(全8回)
開講時刻:午後6時25分 ~ 午後8時 (95分)
会場:龍谷大学 響都ホール校友会館(JR京都駅八条東口より徒歩1分;アバンティ9階)
受 講 料:事前申込 15,000円 (全8回分)当日申込 2,500円(1回分)
事前申込期間:2016年4月28日(木)まで
主催:龍谷大学 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター
上智大学 グリーフケア研究所
協力:京都大学こころの未来研究センター
熊谷准教授が「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義)テーマ:宗教と平和」で講演します(4月6日開催)
熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が、2016年4月6日に京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールで開催される「京都大学春秋講義(平成28年度 春季講義) 宗教と平和」で講演をおこないます。
春秋講義は、京都大学における知的資源を広く学内外の人々に伝えるために、一般の方に無料開講しています。今回、熊谷准教授の講演テーマは「仏教は平和に寄与しうるか?ーブータンの事例を中心に」です。仏教学を専門とし、現地に赴きインド、チベット、ブータンの仏教を研究する熊谷教授が、今回は特にブータンの国に焦点を当て、仏教の本質と仏教国の現状、仏教がいかに平和に寄与するものか、具体的事例と共に考察します。
参加費、事前申込は不要です。下記リンクにアクセスし、詳細をご覧ください。
清家助教が「第11回認知症フォーラム」「国立長寿医療研究センター公開講座」で講演しました
清家理助教が、「第11回認知症フォーラム -認知症ケアの今後-」(2016年3月16日/ウインクあいち大ホール・名古屋市/主催:認知症介護研究・研修大府センター)ならびに「国立長寿医療研究センター公開講座 最期までよりよく生きるために必要なこと」(2016年3月24日/大府市役所/主催:国立長寿医療研究センター)で講演しました。
認知症フォーラムでは「認知症ケアは九転十起 -認知症をもつ人および家族介護者と学んだ日々より-」という演題にて、国立長寿医療研究センターもの忘れセンター家族教室での取り組みとその成果を紹介し、公開講座では、「くらしの中からできること 〜京町家プロジェクト『くらしのまなび庵』より〜」という演題にて、センターで取り組んでいる「孤立防止のための互助・自助強化プログラム開発研究」について報告しました。
「第11回認知症フォーラム」での講演風景
清家助教が兵庫県立須磨友が丘高校で講演をおこないました
清家理助教が2015年10月23日、兵庫県立須磨友が丘高校で講演をおこないました。
1年生を対象とする総合学科科目「産業社会と人間」において、学問と社会のつながりを知ることで将来への意識を高める目的で開催されました。清家助教は「ココロの学問で "ココロの象使い"になれる? ー心理学・社会福祉学・医学からアプローチしてみるー」というテーマで、人間のこころをケアする仕事と学問の関連性を中心にレクチャーしました。
大学での研究や医療ソーシャルワーカーとしての現場での取り組みを紹介すると共に、人のこころを扱うことを「象使い」というイメージで伝えつつ、聴講した生徒みずからに心理テストや患者とカウンセラーのやりとりを経験してもらい、会場は終始熱気に包まれていました。
後日、寄せられた感想文には、「心理学について前から興味があったので、たくさん知ることができて良かった」「どの世代でも悩みが尽きないことがわかった。悩みとどう向き合うかが大切ということを学んだ」「相手の気持ちを聞くことが一番良いこと。私も"プチ象使い"になるための方法が分かったのでよかった」などのコメントがあり、こころに関する研究と仕事の知識を学んだ高校生にとって、印象深い講演になったようです。
[当日の様子]
[DATA]
総合学科科目「産業社会と人間」学問研究講演会
「ココロの学問で "ココロの象使い"になれる? ー心理学・社会福祉学・医学からアプローチしてみるー」
講師:清家理(こころの未来研究センター助教)
日程:2015年10月23日
場所:兵庫県立須磨友が丘高校
恵文社で鎌田東二さよならトークライブが開催されます(3月25日)
京都市左京区の恵文社一乗寺店COTTAGEで、3月25日に「鎌田東二さよならトークライブ」が開催されます。
2016年3月末で京都大学こころの未来研究センターを退職する鎌田教授が、一夜かぎりのワンマントークライブでこれまでの研究人生を振り返るとともに、オリジナルソングを披露します。
問い合わせ、お申し込みは、下記リンク先の恵文社のウェブページをご覧ください(※こころの未来研究センターの開催ではありません)。
日時 : 2016 年3 月25 日(金)18 時半~(開場:18 時)
場所 : 恵文社一乗寺店コテージ(京都市左京区一乗寺払殿町10)
料金:一般2000円、学生1500円(※要学生証)
定員:先着50 名
内田准教授が京都大学地域講演会(徳島講演会)で講演しました
内田由紀子准教授が、2015年12月19日に徳島市のあわぎんホール徳島県郷土文化会館で開催された京都大学地域講演会(徳島講演会)で講演しました。
京都大学地域講演会は、京大の学術知見や研究成果を広く社会に還元すべく大学本部が開催しています。徳島県でおこなわれた今回は、内田准教授が「地域の幸福と健康を考える:社会心理学からのアプローチ」と題して講演し、山極壽一総長と対談しました。講演についての詳細なレポートが京都大学のウェブサイトに掲載され、翌日付の徳島新聞社会面、12月29日付の徳島新聞文化面で内容が紹介されました。
「京都大学地域講演会(徳島講演会)および京都大学徳島同窓会を開催しました。」
...講演会には定員を大幅に上回る263名が参加し、徳島県内の地域の例や研究データを示しながら地域・組織の集団的な幸福の重要性について語る内田特定准教授の講演に熱心に聴き入り、講演後の対談でも活発な議論が展開され幸福について理解を深める機会となりました。
参加者からは、「徳島県上勝町にも実際に足を運んでこころの研究を積み重ねていることを聞き、現場で感じたことをシェアしていただいたことも嬉しかった」、「自分の住む地域に対する信頼、安心がとても重要な幸福の要素であると感じました」、「総長、理事と教員が自由に議論する雰囲気が印象的で、京大らしい学びの場を楽しませてもらった」などの感想が寄せられました。
(京都大学ウェブサイトより 記事全文はこちら)
◇メディア掲載
「緩く信頼し合い 幸せに 京大が『地域の幸福』講演会 徳島市」
(徳島新聞 2015年12月20日付 朝刊社会面)
「信頼関係 重要な基盤 社会心理学からみた地域の幸福 京大特定准教授 内田由紀子さん講演」
(徳島新聞 2015年12月29日朝刊文化面)
河合教授がローマで開催された「Analysis and Activism: Social and Political Contributions of Jungian Psychology」で発表しました
河合俊雄教授が2015年12月4日〜7日、イタリア・ローマで開催された学会「Analysis and Activism: Social and Political Contributions of Jungian Psychology」(分析とアクティヴィズム:ユング心理学の社会・政治的な寄与)の第2回大会で発表をおこないました。
学会はユング心理学の立場からの社会・政治参加をテーマとしたもので、河合教授は、"Social contribution of Analytical Psychology as outreach and supervision: Passivism as activism." という題で発表し、心理療法が病院でのこころのケア、震災支援など、社会的なサービスになってきていること、個々の事例はそれぞれユニークで、個々の質のよい仕事がネットワークとなっていって社会に寄与すること、またスーパーヴィジョンなどで個々の仕事を振り返るのが大切であることなどを指摘しました。
ANALYSIS AND ACTIVISM: SOCIAL AND POLITICAL CONTRIBUTIONS OF JUNGIAN PSYCHOLOGY
【2016年1月14日開催】鎌田教授が大重潤一郎監督作 『黒神』上映会&トークイベントに登壇します
鎌田東二教授が、2016年1月14日に京都市左京区の恵文社COTTAGE(コテージ)で開催される大重潤一郎監督作 『黒神』上映会&トークイベントに登壇します。
2015年7月に亡くなられた大重潤一郎監督処女作『黒神』(1970年制作)の上映会を行います。デビュー作である『黒神』から遺作『久高オデッセイ』まで、一貫して自然への恐れと尊敬、現代社会に生きる私たちの営みへの反省、そしてそれでもいのちを肯定し、人間のありのままの姿を映し続けてきました。
混乱する今の時代だからこそ、40年以上の時を経て再び大重映画の原点に立ち戻り、自然と人間がどのように関わっていくのかについて考えてみる機会となればと思います。ゲストスピーカーには『久高オデッセイ』制作副実行委員長の鎌田東二氏をお招きし、『黒神』、『久高オデッセイ』についてのトークイベントも開催いたします。
■日時:2016年1月14日(木)18:30~21:00(開場18:00~)
■料金:一般2000円、学生1500円(※学生の方は学生証のご提示をお願いいたします。)
■定員:先着50名 予約優先制/席がご用意できる場合は当日ご参加も可能です
(恵文社ウェブサイトより)
現在、主催者の恵文社COTTAGE(コテージ)にて参加者を募集中です。詳細・予約は下記リンク先をご覧ください。
吉川センター長が第35回近畿作業療法学会で講演しました
吉川左紀子センター長が、2015年11月22日に京都府民総合交流プラザ京都テルサで開催された第35回近畿作業療法学会(主催:近畿作業療法士連絡協議会)で講演しました。
近畿地方で作業療法士として活動する会員を対象とした学会で、本年度は「次世代につなぐ、次世代を担う」というテーマのもと、講演、セミナー、口述発表、ポスター発表などがおこなわれました(参加者643名)。
吉川センター長は『心理学からみた作業療法における熟達』という演題で講演し、新しい研究成果を柔軟に取り入れつつ、クライエントをサポートする力量を向上させることが作業療法の熟達であることを心理学の熟達研究を例にあげながら述べました。続いて、長岡千賀元センター助教(現追手門学院大学准教授)らとともに取り組んできた、心理カウンセラーの熟達研究および作業療法の熟達研究を取り上げ、カウンセリング中に見られるカウンセラーとクライエントの身体の同調や、作業療法における熟達者と非熟達者の発話を比較分析した結果について、ビデオ映像も交えて詳しく紹介しました。
船橋教授が第5回日本情動学会で研究発表をおこないました
船橋新太郎教授が、学習院大学(東京都豊島区)で開催された第5回日本情動学会(主催:日本情動学会/2015年11月29日)で研究発表をおこないました。「情動のイメージ表現」という大会テーマの本学会にて、船橋教授は、一般口演(1)〜(5)の座長を務めたほか、「質感の変化による先行性の変化と前頭葉眼科部の役割」という演題にて発表しました。
鎌田教授が日本未来学会2015年大会で講演しました
鎌田東二教授が、日本科学未来館(東京都江東区)で開催された日本未来学会2015年大会(主催:日本未来学会/2015年11月22日)で講演しました。
「人間に未来はあるか」という大会テーマの本学会にて、鎌田教授は、「【セッション2】人間はなぜ生きるのか ~ センテナリアン(100歳人)の時代」に登壇。「生死のエッジをどう捉えるか~『翁童』論からの提言」という演題で、みずからが提唱する「スパイラル史観」と「現代大中世論」の観点から現代社会で発生する出来事、問題にまなざしを向けて「翁童論」を展開。日本の神話や儀礼や芸能に潜在する思想性について、「翁童身体」という切り口からこれまでの研究知見を幅広く紹介し、日本社会が向き合う「老い」と「未来」について考察しました。
日本未来学会 2015年大会
■時 期:11 月22 日(日)10:30-17:00
■会 場:日本科学未来館(7 階会議室)
■大会テーマ:「人間に未来はあるか」
【セッション2】人間はなぜ生きるのか? 13:10-14:50
~ センテナリアン(人生100 歳)の時代
○問題意識
人間の寿命は延伸し続け、100 歳(センテナリアン)時代到来も視野に入ってきた。こ のような人類未踏の事態は何をもたらすのか、について進化生態医学、社会システム、 宗教哲学など多角的な視点から検討する。
○発表者
長谷川敏彦「人類最先端社会 人口遷移から人類の生存転換の未来を見る」 ((社)未来医療研究機構代表理事)
鎌田東二「生死のエッジをどう捉えるか~「翁童」論からの提言」 (京都大学こころの未来研究センター教授)
○指定討論者
古田隆彦(現代社会研究所)、堀池喜一郎(元気シニア実践者)
(「日本未来学会2015年大会」プログラムより PDFはこちら)
鎌田教授の著書『超訳 古事記』原作の舞台が上演されました
鎌田東二教授の著書『超訳 古事記』(ミシマ社)を原作とする舞台『古事記~天と地といのちの架け橋~』が、東京ノーヴィ・レパートリーシアター(TNRT)によって、2015年11月18日、東京の梅若能楽堂で上演されました。当日の上演前には、特別企画として、鎌田教授と本作の演出家であるレオニード・アニシモフ氏による対談がおこなわれました。
本作は2015年3月に上演され、今秋、「ロシア文化フェスティバル2015 IN JAPAN」公式プログラムとして再演され、盛況となりました。
『超訳 古事記』
宗教学、民俗学を専門とする鎌田教授が長年、研究題材として扱ってきた『古事記』を自らの記憶とイメージのみで口語訳し、話題を集めた書。2009年、ミシマ社発行。
出版社の書籍ページ
【11/22開催】鎌田教授が日本未来学会2015年大会で講演します
2015年11月22日(日)、日本科学未来館(東京都江東区)で開催される「日本未来学会 2015年大会」に、鎌田東二教授が登壇します。大会テーマは「人間に未来はあるか」です。 鎌田教授は、午後におこなわれる「【セッション2】人間はなぜ生きるのか ~ センテナリアン(100歳人)の時代」において発表をおこない、小野直哉未来工学研究所主任研究員、長谷川敏彦元日本医大教授らと共に討論します。
詳細・参加申し込みは、未来工学研究所のウェブサイトにあるお知らせをご覧ください。
日本未来学会 2015 年大会のお知らせ
■時 期:11 月 22 日(日)10:30-17:00
■会 場:日本科学未来館(7 階会議室、定員 84 名、アクセスは別途記載)
■大会テーマ:「人間に未来はあるか」
■参加費:無料(学会会員以外にも広く公開します)
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【セッション2】人間はなぜ生きるのか? 13:10-14:50
~ センテナリアン(100 歳人)の時代
○問題意識
人間の寿命は延伸し続け、100 歳(センテナリアン)時代到来も視野に入ってきた。こ
のような人類未踏の事態は何をもたらすのか、について進化生態医学、社会システム、
宗教哲学など多角的な視点から検討する。
○進行:小野直哉&林光(未来学会)
○発表者
長谷川敏彦(進化生態医学、研究実験国家、ケアサイクル論、元日本医大教授)
鎌田東二(宗教哲学、「翁童論」、京都大学こころの未来研究センター教授)
○指定討論者
古田隆彦(現代社会研究所)、堀池喜一郎(元気シニア実践者)
河合教授がマカオで開催された「The Seventh International Conference of Analytical Psychology and Chinese Culture 」で講演しました
河合俊雄教授が、2015年10月21日から23日にマカオ大学(中国・マカオ)で開催された「The Seventh International Conference of Analytical Psychology and Chinese Culture : Confronting Collective Trauma: Archetype, Culture and Healing」で講演しました。
最終日のシンポジウム「Cultural trauma and Treatment」に登壇した河合教授は、"Deep Psychological Confrontation with the Collective Trauma of Japanese Militalism and 2nd World War"(「日本における集合的トラウマ-第二次世界大戦と軍国主義との深い心理学的な対決」)というタイトルにて講演しました。戦争と軍国主義が日本人にもたらした集合的トラウマについて、河合隼雄名誉教授の経験談や関連する著作、研究などから紹介、解説し、作家の村上春樹氏や山極寿一京大総長らの取り組みにもふれ、日本人が世代を超えて抱え、乗り越えていくべき集合的トラウマについて考察をおこないました。
講演についての詳しい報告は、河合隼雄財団ウェブサイトに掲載されています。下記リンク先にアクセスしてお読みください。
河合教授が日本箱庭療法学会第29回大会一般公開シンポジウムに登壇しました
河合俊雄教授が2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)でおこなわれた日本箱庭療法学会第29回大会の一般公開シンポジウム「"ゆらぎの物語"を創る」に登壇しました。
シンポジウムの第一部では「おもかげ復元師」としても知られる笹原留以子さんがご自身のお仕事をもとに講演され、第二部では3名のシンポジスト(河合教授、田中康裕教育学研究科准教授、宮城県石巻高等学校養護教諭・千葉久美子先生)からのコメントをもとに、宇田川一夫東北福祉大大学院教授の司会進行でディスカッションがおこなわれました。
河合教授は笹原さんの納棺師としての仕事に対して、死を否定するのではなくて、死者の側からの視点があることに皆が感動を覚えるのではないか、また東北という地がもっている「あの世」への親和性がベースにあるのではとコメントしました。またこれまで2ヶ月に一度震災のこころのケアを学会の震災対策ワーキンググループとして石巻・仙台で続けてきた経験から、必ずしも被害の大きさにこころの傷が比例しないこころの不思議さ、時間とともに乗り越えていく心の自然な回復力について指摘しました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
【メディア掲載】
シンポジウムが毎日新聞(10月19日付/紙面、ウェブ版)、河北新報(10月9日付)などに取り上げられました。
東日本大震災:震災後の心の痛み考える シンポに500人参加 仙台/宮城
箱庭心理療法の学会が主催し、学生や養護教諭ら約500人が参加した。パネルディスカッションでは、石巻市のスクールカウンセラー、千葉久美子さんが被災した高校生を見守ってきた経験を語り「生徒は、震災後3カ月を過ぎてから喪失感や悲しみを表現し出した。大変な被害にあった生徒ほどつらさを表現できない現実もまだある」と力を込めた。
同市で援助活動を続けてきた京大こころの未来研究センターの河合俊雄教授は「直接の被害と心の痛みは必ずしも比例しない。被害に遭わなかったからこそ、無力感で苦しんだ人もいる」と話し、京大大学院の田中康裕准教授は「人間が持っている復元力を働かせることが心の専門家の仕事だ」と強調した。
(毎日新聞 2015年10月19日付 より ウェブ版はこちら)
畑中助教が日本箱庭療法学会第29回大会で研究発表をおこないました
畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)で開催された日本箱庭療法学会第29回大会において、「身体的違和感を訴える女性の夢の展開-外的な語りとイメージの関連に着目して-」と題する研究発表をおこないました。
近年、心理療法場面においても内面が語られにくい事例が増えていることが指摘されていますが、本研究発表では、身体的な訴えが繰り返される事例での夢の展開を素材として、他者や薬など、外的なもののせいにされていた違和感が身体によって引き受けられ、やがては夢のイメージとして内在化されていくプロセスについて分析しました。
現代的な事例の心理療法的展開のひとつのあり方を提示すると共に、心理学的には一見、無意味にも見える身体的な訴えが当人にとっていかに重要な意味をもちうるかについても示した発表となっています。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
梅村研究員が日本箱庭療法学会第29回大会で研究発表をおこないました
梅村高太郎研究員が、2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)でおこなわれた日本箱庭療法学会第29回大会において「青年期女子における心身症と家屋画・室内画との関連――内的世界および外的環境との関わり方に注目して」と題する研究発表をおこないました。
この発表では、女子大学生を対象とした家屋画・室内画を用いた調査に基づき、心身症疾患を抱えた青年期女子の心理的特徴について検討しました。その検討から、対照群と比べて心身症を抱えた群は、他者や環境との密接なつながりのなかに生きており、分立した個という感覚に乏しいことを明らかにし、そしてそうしたあり方が、身体的次元で問題が現れてしまうことにつながっている可能性を指摘しました。
本調査を通して得られた知見は、単に心身症がいかなるものかということにとどまらず、こころと体の関係について非常に興味深い示唆を含んでいます。今回の発表は、青年期女子の調査結果に基づくものという限定がありますが、引き続き精査をおこなっていきます。
<報告:梅村高太郎研究員>
「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」の成果を日本箱庭療法学会第29回大会で発表しました
2015年10月10日・11日に東北福祉大学(宮城県仙台市)でおこなわれた日本箱庭療法学会第29回大会において、上廣こころ学研究部門のプロジェクト「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」の成果を2つの研究発表として発表しました。
「発達障害とは見立てられない子どものプレイセラピー(1)」では、これまでプロジェクトで受け容れた事例の見立てと発達検査の結果を総合的に分析し、発達障害と診断を受けていても、そうとは見立てられないという現象がどうして近年起こりやすくなっているのかについて、検討しました。その結果、現在の診断基準は原因論を想定していないために表面的には類似したエピソードがある場合、周囲が心配するためにそう見えてしまう場合など、誤解されやすいいくつかのパターンがあることが明らかになりました。
そして、「発達障害とは見立てられない子どものプレイセラピー(2)」では、そうしたケースのプレイセラピーではどのような展開がみられるかについて、3事例をとりあげて詳細な検討をおこないました。本プロジェクトでは、自閉症スペクトラム障害の子どもさんに対して心理療法的アプローチを行っていますが、診断の有無とは別に臨床的な見立てを行い、その子に添ったアプローチをすることを重視しています。上記の研究発表では、来談時の見立てと発達検査の結果から適切に見立てをするための理論構築と、その臨床的裏付けを行いました。
臨床が主体の学会のため、基礎研究は少ない学会であるにもかかわらず、会場にはたくさんの方にお越しいただき、本研究プロジェクトへの関心の高さが感じられました。本研究結果の詳細については、今後、論文にまとめて発表する予定です。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
上廣こころ学研究部門「発達障害の子どもへの心理療法的アプローチ」
(プロジェクト概要ページ)
日本箱庭療法学会第29回大会ウェブサイト
清家助教が第34回日本認知症学会学術集会で講演しました
清家理助教が、2015年10月2日〜4日に青森市で開催された第34回日本認知症学会学術集会で講演しました。
「Alzheimer's Disease 今後の展望」というテーマでおこなわれ、清家助教は10月4日の「認知症診療ホットトピック 認知症医療・介護の現在と未来」というプログラムにおいて、「介護者の介護負担軽減へのアプローチ」という演題にて講演。介護者のこころ、からだ、生活における「しんどさ」「やりづらさ」を他職種と当事者の恊働で減らすミッションで取り組んだアクションリサーチの報告ならびに認知症患者の介護者のための教育支援の紹介ならびに成果報告をおこないました。
【11/2・3開催】鎌田教授が地球システム・倫理学会 第11回学術大会で講演します
2015年11月2日(月)〜3日(火)、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催される「地球システム・倫理学会 第11回学術大会 一般財団法人京都フォーラム25周年+0G(ゼロ世代)産学共働フォーラム」に、鎌田東二教授がパネリストとして登壇します。鎌田教授は、2日におこなわれるシンポジウム「ともに道をひらく」において「道開きと『おひらきまつり』の2つの意味」と題した発表をおこない、服部英二地球システム・倫理学会会長らと共に討論します。
地球システム・倫理学会は、地球問題群の解決、地球倫理の確立のために総合的かつ学際的な研究・教育等の活動をおこなう組織として2006年に設立され、こころの未来研究センターでは鎌田教授が同学会の常任理事を務め、協賛研究機関として参加しています。
詳しくは、下記の案内ポスターをご覧ください(画像をクリックすると大きくなります)。
本学会に関するお問い合わせ先:
地球システム・倫理学会 事務局
(※連絡先は上記ポスター内を参照ください)
【10/14開催】鎌田教授が「京都大学・筑波大学共催特別シンポジウム:日本文化を根もとから考える ー心、言葉、ワザ、身体、形ー」で講演します
2015年10月14日に筑波大学で開催される「京都大学・筑波大学共催特別シンポジウム:日本文化を根もとから考える ー心、言葉、ワザ、身体、形ー」に鎌田東二教授が登壇します。シンポジウムは、鎌田教授が研究代表者を務める「身心変容技法研究会」の分担研究者である津城寛文筑波大教授が企画したものです。鎌田教授は、共催者代表としての挨拶と共に、「日本文明の創造力――こころとからだ、ことばとかたち、わざとちから」というタイトルにて講演をおこないます。そのほか、松岡心平東京大学教授、實川幹朗姫路獨協大学教授らが日本文化にまつわるテーマで発表をおこないます。
詳しくは、下記の案内ポスターをご覧ください(画像をクリックすると大きくなります)。
本シンポジウムに関するお問い合わせ先:
筑波大学人文社会系 人文社会国際比較研究機構 (ICR)
office@icrhs.tsukuba.ac.jp
鎌田教授が日本スピリチュアルケア学会2015年度第8回学術大会で発表しました
鎌田東二教授が、2015年9月11日〜13日に高野山大学(和歌山県)でおこなわれた日本スピリチュアルケア学会2015年度第8回学術大会定義構築ワークショップで発表をおこないました。
「スピリチュアルケアの理解とその定義」というテーマでおこなわれた同学会2日目の定義構築ワークショップにおいて指定発表者として登壇した鎌田教授は、この夏、自身が二人の同志的な友人(逝去映画監督の大重潤一郎氏と大重監督作品の制作実行委員会事務局長を務めた岡野恵美子氏)を亡くした実体験について振り返り、二人の死を通して考えたスピリチュアルケアの本質について、「ものがたる」(祈ること、儀礼をすることも含む) ことと、「そばにいる」(死んでいても、生きていても、離れていても)ことと定義し、日本におけるスピリチュアルケアの在り方として「生態智」にふれ、自然の力動の感受と深く結びついている、と考察しました。
2015年度学術大会 | 日本スピリチュアルケア学会ウェブサイト
□関連情報
『講座スピリチュアル学 第1巻 スピリチュアルケア』(企画・編/鎌田東二、執筆/カール・ベッカー、鎌田東二ほか)が出版されました(2014.9.11)
鎌田教授が製作を務めた『久高オデッセイ第三部風章』上映&トークイベント【第2回】が恵文社一乗寺店で開催されます
鎌田東二教授が製作を務めた大重潤一郎監督作品『久高オデッセイ第三部風章』上映&トークイベント【第2回】が、2015年10月1日、京都市左京区の恵文社一乗寺店で開催されます。8月の第1回に定員を大きく上回る申込があったため、ご要望にお応えしての第2回開催です。前回、参加できなかった方は、ぜひこの機会に早めに主催者までお申し込みください。
□イベントについて
『久高オデッセイ第三部風章』は、2015年7月22日に69歳で亡くなった大重監督の遺作となりました。恵文社一乗寺店での上映&トークイベントでは、映画完成から旅立ちまで大重監督に寄り添った鎌田教授が登壇し、神の島と呼ばれる久高島で懸命に生き抜く人々のすがたを追った大重監督にかわって、映画にこめられた想いやみどころについてお話しする予定です。詳しくは、恵文社一乗寺店のイベント案内ページをご覧ください。
吉川センター長が作業療法神経科学研究会第一回学術集会で講演しました
吉川左紀子センター長が、2015年7月25日に北海道大学で開催された作業療法神経科学研究会第一回学術集会において、「基礎科学の知と実践知をつなぐ:作業療法への期待」というテーマで基調講演をおこないました。当日は、作業療法学の研究者、臨床作業療法士など約50人が集まり、研究成果の共有と意見交換および交流がおこなわれました。
以下に、石岡俊之大会長(埼玉県立大学保健医療福祉学部)による大会の報告文の一部をご紹介します。
特別講演「基礎科学の知と実践知をつなぐ:作業療法への期待」として京都大学こころの未来研究センターの吉川左紀子先生に講演をしていただきました.先生は,講演の中で作業療法という職業に関して,「学び続ける職業」であり,「人間観が必要とされる職業」,「熟達による技術向上が必要とされる職業」であると定義しておりました.その中の「熟達による技術向上」に関して行動分析学の手法を用いて熟達者の作業療法士と経験年数の少ない作業療法士とのクライエントとの質的な関わり違いを明確に提示していただきました.経験則で熟達するため,当事者では気付きにくい技術を他の学問を活用することで明らかにすることができることを解りやすく提示していただけたと思っております.また,臨床と基礎科学の関連性を発達科学を例に講演していただき,作業療法学においても同様に活用できることを示していただきました.本公演を通して臨床家と研究者が,互いに門戸を開いて歩み寄る姿勢が重要であることを再確認させていただきました. 全文はこちら
(「御礼 -第1回作業療法神経科学学術集会を終えて- 大会長 石岡俊之」より)
河合教授が「第3回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会 詩の朗読とインタビュー『谷川俊太郎さんに聞く-河合隼雄との思い出』」に登壇します(10/12)
河合俊雄教授が、2015年10月12日に河合隼雄財団の主催する「第3回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会 詩の朗読とインタビュー『谷川俊太郎さんに聞く-河合隼雄との思い出』」に登壇します。会場は、こころの未来研究センターのある稲盛財団記念館3階大会議室です。
当日は、谷川俊太郎さんが詩の朗読とトークをおこない、司会進行と聞き手を財団の代表理事でもある河合教授が務めます。河合隼雄京都大学名誉教授と日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんは、共著や講演会などさまざまな仕事を共にし、親交を深めていたそうです。そのあたりのお話は、河合隼雄財団のウェブサイトに詳しく紹介されていますので、あわせてお読みください。
現在、河合隼雄財団にて参加申込を受付中です。詳細は下記リンク先もしくは上のポスター画像をクリックしてご覧ください。
詩人・谷川俊太郎さんのイベントを開催します! | 河合隼雄財団ウェブサイト
なお、第3回河合隼雄賞は、2015年5月、物語賞が中島京子さんの「かたづの!」(集英社)に、学芸賞が大澤真幸さちさんの「自由という牢獄」(岩波書店)に決定し、7月に授賞式がおこなわれました。関連情報は下記のページをご覧ください。
鎌田教授が製作を務めた『久高オデッセイ第三部風章』上映&トークイベントが恵文社一乗寺店で開催されます(8/27)
鎌田東二教授が製作を務めた大重潤一郎監督作品『久高オデッセイ第三部風章』上映&トークイベントが、2015年8月27日、京都市左京区の恵文社一乗寺店で開催されます。
『久高オデッセイ第三部風章』は、2015年7月22日に69歳で亡くなった大重監督の遺作となりました。恵文社一乗寺店での上映&トークイベントでは、映画完成から旅立ちまで大重監督に寄り添った鎌田教授が登壇し、神の島と呼ばれる久高島で懸命に生き抜く人々のすがたを追った大重監督にかわって、映画にこめられた想いやみどころについてお話しする予定です。詳しくは、恵文社一乗寺店のイベント案内ページをご覧ください。
『久高オデッセイ第三部風章』上映&トークイベント | 恵文社ウェブサイト
※まもなく定員に達する見込みです。お早めにお申し込みください。
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《参考情報》
『久高オデッセイ第三部風章』に関する新聞記事
今回の作品は、久高オデッセイの結章(06年)、生章(09年)に続く3部作の完結編。これまでは年中行事やイザイホーによって神女になった女性たちの退任式などをとらえ、風章では、島で誕生した赤ちゃんや若い女性の成長ぶり、島民のライフスタイルに視点を置いた。同作品の製作を担当した、京都大学こころの未来研究センター教授の鎌田東二さんは「島の生活や自然が叙事詩のように表現されている」と語る。
(「水と緑の地球環境:離島の生活に根付く祭祀 大重潤一郎監督の記録映画『久高オデッセイ』第三部風章、完成」7月20日付・毎日新聞・ウェブ版より 全文はこちら)
遺作となった『久高オデッセイ第三部風章』は多くの人に支えられ、プロデューサーの鎌田東二(宗教学者)と助監督の比嘉真人の尽力によって、6月21日に久高島で誕生した。この作品を手に1ケ月後、半身不随でガンと生きてきた大重はニライカナイへと向かおうとしている。
(「大重潤一郎氏を悼む」須藤義人/7月21日付・琉球新聞・第14面より)
熊谷准教授が TEDxKyotoUniversity に登壇しました【動画をご覧いただけます】
2015年6月7日、京都大学芝蘭会館(山内ホール)にて開催されたプレゼンテーションイベント TEDxKyotoUniversity で、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)がスピーカーとして登壇しました。
TEDxKyotoUniversity には、山極寿一京大総長をはじめ、学術、エンターテイメント、アートなど様々な分野で活躍するスピーカーが参加し、プレゼンテーションをおこないました。熊谷准教授は、「Achieving Happiness through Wisdom(智慧を通じた幸福の実現)」というテーマで英語による講演をおこない、ブータン王国の国民総幸福政策を例として取り上げ、同政策の根底に存在する仏教哲学思想を紹介し、古き伝統知の応用可能性について論じました。さらに、国民総幸福(Gross National Happiness)の次なる概念として、地球総幸福(Gross Global Happiness)の重要性を訴えました。
同講演の動画は下記のリンク先で視聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=AhQFz5cYk9Q
河合教授と畑中助教が "4th Joint Conference of the IAAP and the IAJS" で講演・発表をおこないました
2015年7月9日〜12日、アメリカ・コネチカット州のイェール大学で開催された "4th Joint Conference of the IAAP and the IAJS" で河合俊雄教授が全体会で講演、畑中千紘助教が分科会で発表しました。
同カンファレンスは、ユング派分析家の学会・組織である国際分析心理学会(International Association for Analytical Psychology)と、ユング心理学に関する研究学会である国際ユング研究学会(International Association for Jungian Studies)が3年に1度合同で開催する大会です。今回の全体テーマは、"Psyche, Spirit and Science: Negotiating Contemporary Social and Cultural Concerns" でした。
河合教授は、"Loss and recovery of transcendence in Jungian psychology and Hua Yen (華厳) School of Buddhism" という演題で講演しました。ユングは赤の書のなかで、神話の喪失と神の再生を体験しましたが、身体的なイメージを通して超越を体験することを経て、神がファンタジーとして内面化されていきます。このような超越と喪失の統合のような体験は、対立するものを含みこむPleromaという概念で捉えられます。こうした考え方は、仏教の宗派のひとつである華厳の考え方に通じます。後半ではこのことを、個別具体的な事物が相互に関係し合い、無限に重なり合っていること、四法界という4つの実相に対する見方、真理そのものが働きを起こす「性起」などの概念と関連づけながら考察しました。
畑中助教の発表は、"Transformation of Jungian psychotherapy in the age of the loss of individual boundary and self-reproduction"というもので、現代における物語の意味を問い直すものです。この10年の間に(一見)想像力や意味を構成する力が弱まっているというこれまでの研究プロジェクトの成果を踏まえ、現在高い人気を獲得しているSNSや小説を題材に、現代を生きる人にとって自分の物語がどのような形でつくられているのかを分析し、またその展開の可能性について議論しました。
4th Joint Conference of the IAAP and the IAJS / IAAP Website
Conference Program (PDF)
(報告:畑中千紘助教)
吉川センター長が作業療法神経科学研究会第一回学術集会で講演します
吉川左紀子センター長が、2015年7月25日に北海道大学で開催される作業療法神経科学研究会第一回学術集会で基調講演をおこないます。
作業療法神経科学研究会は、臨床作業療法士と作業療法学を礎とした基礎研究者による研究会で、関連分野の研究者による研究成果の共有と意見交換の場として開催されます。吉川センター長は、「基礎科学の知と実践知をつなぐ:作業療法への期待」というテーマで講演する予定です。
基調講演の要旨(研究会ウェブサイトより)
講演者:吉川左紀子教授(京都大学こころの未来研究センター長)
講演タイトル:「基礎科学の知と実践知をつなぐ:作業療法への期待」
1990年代以後、人間の高次認知機能を含む脳科学(認知神経科学)の基礎研究が急速に進んできました。「脳と身体」を対象とした基礎研究の知見は、作業療法や心理療法の実践に携わる人にとってもいろいろな面で役にたつ、豊富な情報を提供しています。その一方で、基礎研究者が実践の現場で必要とされる知識や技法を十分に理解することや、実践家が直接、基礎研究に取り組むことは、実際上容易なことではありません。本講演では、こころの未来研究センターで行ってきたいくつかの例を紹介しながら、基礎研究の知見と作業療法の実践とを有効につなぐための道筋についてお話したいと思います。
現在、研究会では参加者を募集中です。詳細は下記リンク先をご覧ください。
Vinai Norasakkunkit 特別招へい教員が集中講義をおこないます(京都大学の学生・院生対象)
センターに滞在中の Vinai Norasakkunkit 特別招へい教員による集中講義(「英語で学ぶ全学共通科目 "Culture and Mental Health"」/京都大学国際高等教育院)が、2015年8月3日〜12日の日程でおこなわれます。対象学生は京都大学の学生(全回生・院生も可)です。
Culture and Mental Health
Vinai Norasakkunkit
This seminar is an attempt to survey an emerging field called cultural-clinical psychology, in which culture, mind, and brain constitute one another as a multi-level dynamic system. How we experience mental suffering is largely informed by the ideas and meaning systems that are accessible to us within the cultural context in which we live and participate. Cultural ideas can also change due to globalization and impact how mental illness is understood and experienced.
2015年8月3日(月)〜8月12日(水)
対象学生:全学向
対象学年:全回生
教室:吉田南総合館 共東 42 講義室
Aug 3rd - Aug 12th, 2015
Eligible students: All majors
Grade allotted: All students
Classroom: 42, East Wing, Yoshida-South Campus Academic Center Bldg.
詳しい時間割や申込方法は、右上の画像(PDF)をクリックして参照してください。
河合教授が日本ユング心理学会第4回大会で司会・シンポジストを務め、畑中助教が研究発表をおこないました。
2015年6月6日・7日、京都文教大学で開かれた日本ユング心理学会第4回大会において、河合俊雄教授が「東アジアのユング派心理療法」という国際シンポを企画し、台湾の心理療法家による箱庭事例のシンポジウムの司会・シンポジストを務めました。
台湾の事例は、性的非行の少女のものでしたが、箱庭療法の有効性を示すものでした。また中国、韓国のコメンターの発言は象徴解釈が多く、日本におけるイメージそのものを大切にするあり方との違いも感じられました。
また、同学会にて畑中千紘助教が、「大学生の室内画にみる現代の意識」という題目にて基礎研究発表(指定討論者:北口雄一氏)をおこないました。自己と友人関係についての質問紙と描画テストの関連を分析することから、現代の大学生の自分の捉え方はオープンなものになってきていることを指摘しました。
ベッカー教授が連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」(2015年7月23日・ 京都大学東京オフィス)に登壇します
京都大学東京オフィス(東京都港区)は、2015年7月9日、16日、23日、30日の4日間、連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ18を開催します。その第3回目にあたる7月23日にカール・ベッカー教授が登壇します。
今回の連続講演会は「生命・いのち -誕生から死まで-」というテーマでおこなわれます。ベッカー教授は、「『生老病死』に活きる日本人の経験智」 というテーマで、長年に渡る日本人の死生観に関する研究の知見を紹介します。倫理学、宗教学の視点から「生き」「老い」「病」を経て死ぬ過程について考えます。
連続講演会への参加申込は、京都大学のウェブサイトよりおこなえます。下記のリンク先をご覧のうえお申し込みください(無料・各回定員100名)。
鎌田教授が「久高オデッセイ第三部 風章」完成上映会&シンポジウム(2015年7月5日)に登壇します
鎌田東二教授が製作を務めた大重潤一郎監督作品「久高オデッセイ第三部風(ふう)章」がクランクアップし、2015年7月5日に東京両国のシアターX(カイ)にてNPO法人東京自由大学主催による完成上映会がおこなわれます。当日は、「神の島」と呼ばれる久高島の人々の暮らしや自然、神との共存を記録した映画の三部作全編を上映し、鎌田教授が司会を務めるシンポジウムもおこなわれます。
現在、予約受付中(要予約/有料)。興味のある方は、下記リンク先をご覧いただきお申し込みください。
第38回日本神経科学大会サテライトシンポジウム(2015年8月1日)が開催されます
船橋新太郎教授がオーガナイザーを務める「第38回日本神経科学大会サテライトシンポジウム/日中合同シンポジウム」("Satellite Symposium of the 38th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society / Japan-China Joint Symposium for Understanding Cortical Cognitive")が、2015年8月1日、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されます。
大会概要は以下の通りです。詳細は下記のリンク先をご覧ください。
Date: August 1st, 2015
Place: Inamori Center at Kyoto University, Kyoto, Japan.
Organizers:
Shintaro Funahashi (Kyoto University, Japan)
Bao-Ming Li (Nanchang University, China)
Sperkers:
Jacqueline Gottleib (Columbia University, USA)
Cheng-Yu Li (Shanghai Institute for Biological Sciences, CAS, China)
Akira Murata (Kinki University, Japan)
Satoshi Tsujimoto (Kyoto University, Japan)
Ken'ichiro Tsutsui (Tohoku University, Japan)
Liping Wang & Yong-Di Zhou (East China Normal University, China)
Tao Zhang (Institute of Psychology, CAS, China)
Yong-Di Zhow (East China Normal University, China)
※シンポジウムは英語でおこなわれます
鎌田教授のワンマントーク&ライブが5月21日恵文社で開催されます
2015年5月21日、鎌田東二教授のワンマントーク&ライブが京都市左京区の書店、恵文社一乗寺店で開催されます。
恵文社一乗寺店は、アートイベントや展覧会など様々な催しがおこなわれている人気の書店です。当日は、鎌田教授によるトークに加えて、神道ソングライターとしての演奏もあるそうです。詳細ならびにお申し込み方法は、下記リンク先をご覧ください。
あるときは宗教学者、あるときは大学の先生、またあるときは神道ソングライターやフリーランス神主として活躍する鎌田東二さんによる一夜限りのワンマントーク&ライブイベント。恵文社のある一乗寺は比叡山の麓に暮らしながら、東山の山々を自らの足で通い修行を続けている鎌田先生に、自らが体感した「聖地感覚」やそこから生ずる「生態智」についてお話頂きます。
鎌田東二ワンマントーク&ライブ
『森の声を聴く~アートと修行~東山修験道と歌による異種間コミュニケーションの可能性を探る』
2015年5月21日(木)
■開演:19時(開場:18時半)
■料金:1500円
鎌田東二ワンマントーク&ライブ『森の声を聴く~アートと修行~』 | 恵文社COTTAGE(コテージ)
鎌田教授が韓国・国立順天大学校で講義をおこないました
鎌田東二教授が2015年4月22日、韓国の全羅南道順天市にある国立順天大学校で講義をおこないました。鎌田教授は、同大学校の人文芸術大学日本語日本文化学科の招へいにて、約70名の学生に向け「アジア共同体論-アジア的思惟方式から考えるアジア共同体の未来」(通訳:韓正美氏・檀国大学日本研究所学術研究教授)という演題にてレクチャーをおこない、日本文化研究者や学生らと討論・交流しました。
鎌田教授が展覧会「スサノヲの到来」で講演し、同展が「美連協大賞」を受賞しました
2015年4月11日より北海道函館市の道立函館美術館にて展覧会「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」(主催:足利市立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会)が始まりました。鎌田東二教授は、昨年11月の足利市立美術館での講演に引き続き、本展覧会においても「スサノヲの時代」というタイトルにて開催初日の4月11日に講演をおこないました。また、本展覧会の展図録に解説記事「スサノヲという爆発ー放浪する翁童神のメッセージ」を寄稿しています。
「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」展は、美術館連絡協議会が優れた企画を顕彰する「美連協大賞」において、2014年の大賞を受賞すると共に、展図録に寄稿された江尻潔氏による論文「スサノヲの到来」が、同賞の「美連協カタログ論文賞」に選ばれました。
「神話のスサノオ題材 多彩な芸術 道立函館美術館で特別展」
日本の神話に登場するスサノオに関する芸術作品を集めた特別展「スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり―」が11日、函館市五稜郭町の道立函館美術館で開幕した。
同美術館など主催で、神話の中で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したとされるスサノオの姿を描いた絵画や、疫病を遠ざける神としてかたどられた彫刻など約220点を展示。民俗学者の研究史料、現代美術家の作品も紹介し、スサノオの持つ多面性を表現している。この日は「スサノヲの時代」と題した講演会も開かれ、京大こころの未来研究センターの鎌田東二教授(民俗学)が講演した。
函館美術館での展覧会は、5月24日までです。その後、6月には山形県の山寺芭蕉記念館で、8月には渋谷区立松濤美術館で開催されます。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。
展覧会の案内ページ→ 特別展 Special Exhibitions | 北海道立函館美術館
2015年までの開催地→ 展覧会紹介 | 美術館連絡協議会
河合教授が第23回内分泌糖尿病心理行動研究会で講演しました
河合俊雄教授が、第23回内分泌糖尿病心理行動研究会(2015年4月5日/於:グランフロント大阪)で講演をおこないました。
内分泌糖尿病心理行動研究会は、内分泌代謝領域全般における心理行動科学的アプローチに取り組む医療従事者の学際的交流の場として2004年に創設され、年2回の研究会を定期開催しています。23回目を迎えた研究会の全体テーマは「医療学」でした。
「医療学」とは、今回、特別講演をおこなった石井均奈良県立医科大学教授との対談で河合隼雄京都大学名誉教授が提唱したもので、病気を科学的に分析し処置をしようという近代医学とは異なり、個々の患者さんにどう関わっていくかに焦点を当てるもので、そのために個々の事例を大切にします。※参考:『病を引き受けられない人々のケア』(著:石井均/医学書院/2015年2月)。河合教授は、シンポジウム「医療学事始―糖尿病・甲状腺疾患より―」にて「身体疾患の治療とその個別的ケア」という演題で講演。主に甲状腺疾患の患者さんのカウンセリング経験と研究データから、身体疾患の患者さんのカウンセリングで身体疾患自体があまり焦点にならず、個々の患者さんの問題や関心がテーマになっていくこと、さらには関係のないような話をカウンセリングで深めていくことが、結果的に身体疾患の改善につながることが多いことを話しました。研究会は過去最高の参加者を記録し、テーマへの関心の高さ、新たな領域へのニーズをうかがわせるものでした。
畑中助教が金沢大学附属高等学校「同窓生による特別授業」で講演しました
畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、2015年3月14日、母校の金沢大学附属高等学校でおこなわれた「同窓生による特別授業」で講演しました。
講演は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)事業の一環で開催されたもので、「北陸から世界を変えるグローバル・リーダーの育成」を目的に、異なる領域から4つの講演がおこなわれました。畑中助教は「こころを知り、こころとつきあう仕事とは」というタイトルで講演し、京都大学について、研究者の仕事について、心理学という研究領域、こころの未来研究センターでの研究成果について話をしました。文理や性別、学年を問わず80名ほどの生徒さんが参加され、熱心に耳を傾けてくれました。
■「同窓生による特別授業」
・日時:2015年3月14日(土)10:45-12:35
・場所:金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校 有朋館
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
内田准教授がたちばな賞授賞式で研究発表をおこないました
第7回京都大学たちばな賞の研究者部門を受賞した内田由紀子准教授が、3月3日に京都大学楽友会館でおこなわれた授賞式に参列し、自身の取り組みを紹介する研究発表をおこないました。内田准教授は、学生部門を受賞した理学研究科の志達めぐみさんと共に山極壽一京都大学総長らから表彰を受け、「文化と幸福:日本における関係志向的幸福についての文化心理学的実証研究」という演題にて発表しました。
受賞した喜びと今後の抱負について、内田准教授は次のように話しています。
「こころの未来研究センターで研究をはじめてから丸7年、センター内外の多くの方々にご協力をいただき、文化と幸福、社会関係資本についての研究を進めてくることができました。このような素晴らしい賞を頂いたことを、これまでの歩みの中で得られた一つの成果とし、新たなるこころの科学を切り拓いていけるよう努力していきたいと思います。様々な形でご支援くださった皆様に心より感謝いたします」。
授賞式の詳細なレポートは、京都大学の公式ウェブサイトに掲載されています。下記リンクよりぜひご覧ください。
第7回京都大学たちばな賞(優秀女性研究者賞)表彰式を開催しました。(2015年3月3日)| 京都大学
鎌田教授が品川セミナーで講演します(3月6日開催)
京都大学附置研究所・センターでは、毎月1回、第1金曜日の夕方に、京都大学東京オフィス(JR品川駅前のインターシティー品川27階)で「品川セミナー」を開催しています。学問の最先端のようすを広く一般の方々にお届けするとともに、その声を直接お聴きするのが目的です。
2015年3月6日(金)、鎌田東二教授が品川セミナーで講演します。「神道と仏教から見た心のワザ学と日本文化」というテーマで、日本文化の「心のワザ学」を『古事記』や『日本書紀』や『古今和歌集』や空海著『秘蔵宝鑰』『秘密曼荼羅十住心論』などを紐解きます。こころの未来研究センターの研究者による関東での数少ない講演の機会です。鎌田教授が長年取り組んできた研究の知見をぜひ、品川キャンパスで学んでいただければ、と思います。
第58回品川セミナー
平成27年3月6日(金)17:30より
鎌田 東二 (こころの未来研究センター・教授)
神道と仏教から見た心のワザ学と日本文化
東日本大震災の時、神社の境内に駆け上がって助かり、お寺のお堂で避難所生活をした方々が大勢いました。神社と寺院は、突発的な自然災害時には緊急避難地や避難所となってきました。いわば、日本列島の地域的かつ精神的安全弁としての役割を果たしてきたといえます。「八百万の神」と言われる神道の「神」の多くは自然神格です。それに対して、仏とは悟りの智慧を身に付けた人間人格です。あえて図式的に言えば、自然の中に「カミ」を見、人間の中に「ホトケ」を見てきた日本人の「心」は、自然と人間生活の調和を図るためのさまざまな仕掛けやワザを開発してきました。今回の講演では、そのような日本文化の「心のワザ学」を『古事記』や『日本書紀』や『古今和歌集』や空海著『秘蔵宝鑰』『秘密曼荼羅十住心論』などを紐解きながら考えてみたいと思います。
(イベントページより)
セミナーはどなたでも聴講できますが、事前申し込みが必要です。下記リンクよりお申し込みください。
社会連携 東京オフィス「第58回品川セミナー」 |京都大学ウェブサイト
第58回品川セミナー 申込フォーム | 京都大学附置研究所・センター
鎌田教授の監修による「悲とアニマ」展が北野天満宮で開催されます
鎌田東二教授が研究代表者を務める「モノ学・感覚価値研究会」が主催する「悲とアニマ ー モノ学・感覚価値研究会アート分科会展」が、2015年3月7日から14日まで京都市上京区の北野天満宮で開催されます。同展は、現代アートの総合イベント「現代京都藝苑2015」のひとつに位置付けられています。
東日本大震災における「悲」をアニマ(霊魂・霊性)に触れることにより生きる力に変えようとの願いが企画意図に込められており、期間中は、北野天満宮の社務所、神楽殿、茶室、駐車場など境内の敷地内一帯にて様々なイベント、展示がおこなわれます。東日本大震災から4年目にあたる3月11日には、鎮魂茶会や移動舞台車上での鎮魂能舞などが上演され、能舞には鎌田教授みずからが出演します。
天神信仰と「悲とアニマ」展 開催に寄せて ー 京都大学こころの未来研究センター教授 鎌田東二
昨今、東日本大震災、近畿大水害、各所の台風被害、御嶽山噴火など、国内外で天災も人災も多発している。このような現状の中で、一つの芸術芸能による鎮魂供養の試みとして、一宗一派も宗教の違いも超える、「悲とアニマ」という広大無辺の大悲・大慈への普遍的な祈りと鎮魂を実現し、死者への供養と生の活力としたい。
「悲とアニマ」展における「3.11」開催の「鎮魂茶会」と「鎮魂能舞」は、豊臣秀吉が一五八七年に催した「北野大茶湯」や出雲の阿国が初めて歌舞伎踊を演じたという来歴を念頭に置いたもので、平安京・京都の地から伝統に基づく新たな表現を社会発信しようとするものである。企画趣旨をご理解いただき、ご参会いただきたい。
(『北野天満宮社報』新年号 VOL.5 より)
イベントについて詳しくは下記リンク先「現代京都藝苑2015」のウェブサイトをご覧ください。
悲とアニマ――モノ学・感覚価値研究会展 | 現代京都藝苑2015
北野天満宮オフィシャルサイト
内田准教授が男女共同参画推進センターの「Women and Wishフォーラム 1」に登壇。山極総長らと討論しました
2015年1月26日、男女共同参画推進センターの企画による「Women and Wishフォーラム 1」が芝蘭会館別館国際交流会館で開催され、内田由紀子准教授が話題提供者として参加しました。
男女共同参画社会の実現のための研究者支援のあり方や、現行の制度について考える同フォーラムでは、山極壽一総長が、新体制となった京都大学の「WINDOW構想」と男女共同参画推進活動への意気込みを話し、その後、内田准教授、楯谷智子京大白眉センター助教、小山真紀京大大学院工学研究科・医学研究科准教授らが支援制度の利用者として話題提供をおこない、活発なディスカッションが繰り広げられました。内田准教授は、妊娠・出産時に男女共同参画推進センターの研究・実験補助者雇用制度を利用できたことにより研究への気持ちを切らさずに復職できたこと、男性も含めて働き方を変えていく仕組みを、京都大学が率先して作り出していくことの必要性について提言しました。
(写真提供:男女共同参画推進センター)
□当日の詳しい様子はこちら↓
イベント記録「男女共同参画推進センターのサービスを利用して」"Women and Wish"フォーラム1 | 男女共同参画推進センター
□メディア掲載情報
毎日新聞(2015年1月25日付)に掲載されました。
「男女共同参画の学内状況を報告 京大で女性研究者支援考える」 | 毎日.jp
鎌田教授が大会会長を務めた「人体科学会 第24回大会」が開催されました
「人体科学会 第24回大会」(主催/人体科学会、後援/こころの未来研究センター、協力/身心変容技法研究会)が、2014年11月29日と30日の2日間、稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。大会会長を務めた鎌田東二教授は、初日の一般シンポジウム「身心変容と脳科学〜瞑想・太極拳・整体を事例として」の第一部「身心変容のフィールド学」と、2日目の一般公開若手パネル「湯浅泰雄の問いかけたもの」において司会進行を務めました。また、カール・ベッカー教授が初日のシンポジウムのコメンテーターとして、奥井遼研究員が2日目にパネリストとして登壇しました。
湯浅泰雄の重要な仕事の一つに「身心問題・身体論」と「修行論」がある。それは、瞑想や気の練成や身体操作による変性意識状態、ここでいう「身心変容」の問題に直結する。
本シンポジウムは、人体科学会が最初期から問題にしてきた中心的な課題を「身心変容」と捉え、それを瞑想と太極拳と整体についての事例的なフィールド研究と脳科学の両面から挟み撃ちにしつつ明らかにするという意図を持って企画された。道半ばではあっても、それはこのほぼ四半世紀に及ぶ人体科学会の課題の核心に正面から取り組む企画であると自負している。
(シンポジウム「身心変容と脳科学〜瞑想・太極拳・整体を事例として」企画趣意・鎌田東二 より)
(写真提供/村上和雄 心と遺伝子研究会)
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「人体科学会 第24回大会」身心変容と人体科学
▽日時:2014年11月29日(土)ー30日(日)
▽会場:京都大学稲盛財団記念館3階会議室
▽後援:京都大学こころの未来研究センター
▽協力:身心変容技法研究会
▽大会日程
○11月29日(土)
午前 一般演題(1)
昼休み・理事会
午後 公開シンポジウム「身心変容と脳科学~瞑想・太極拳・整体を事例として」
第一部「身心変容のフィールド学」 司会:鎌田東二(宗教哲学)、永澤哲(宗教学)/倉島哲(社会学)/藤守創(統合医療)/コメンテーター:カール・ベッカー(倫理学)
第二部「身心変容の脳科学」 司会:松田和郎(神経科学)、河野貴美子(脳科学)/齋木潤(認知科学)/コメンテーター:鮎澤聡(脳科学)
○11月30日(日)
午前 一般演題(2)
会員総会・湯浅賞授賞式
昼休み
午後 一般演題(3)
公開若手パネル「湯浅泰雄の問いかけたもの」 司会:鎌田東二(宗教哲学)、桑野萌(哲学的人間学)・杉本耕一(日本思想)・奥井遼(教育学)/コメンテーター:西平直(教育人間学)
鎌田教授が展図録『スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり』に解説を寄稿し、講演をおこないました
2014年10月18日より足利市立美術館にて展覧会「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」(主催:足利市立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会)が始まりました。足利では12月23日まで開催され、その後、2015年秋まで各地の美術館で開催されます。鎌田東二教授は、本展覧会の展図録に解説記事「スサノヲという爆発ー放浪する翁童神のメッセージ」を寄稿し、11月9日には、展覧会の開催地である足利市立美術館にて同タイトルの講演会で講師を務めました。
「スサノヲという爆発ー放浪する翁童神のメッセージ」鎌田東二
スサノヲは爆発である。泣き虫の爆発であり、きかん気の爆発であり、暴れん坊の爆発である。
また、スサノヲはスキャンダルである。アウトローであり、バガボンドであり、ヒッピーであり、ヒーローである。八頭八尾の八俣大蛇を退治することのできたスサノヲ自身が八頭八尾の怪物体である。異相の怪物神スサノヲ。
この多面多層体のスサノヲ神話は、確かに、折口信夫の言う貴種流離譚のプロトタイプである。
振り返ってわが人生を通観してみると、そのスサノヲとの遭遇の繰り返しであったと総括できる。まず、「オニ(鬼・大人)」を見ることから始まったわが人生で、初めて大きな社会発信をしたのが、一九七〇年五月、十九歳の時に、大阪の心斎橋で一ヶ月間『ロックンロール神話考』なるアングラ劇を作・演出したことにあった。(中略)
研究面だけではなく、私生活の方でもスサノヲに遭遇し続けた。
(解説より)
講演会の様子はこちら→ 鎌田東二さんによる講演会行われました | 足利市立美術館ブログ
展覧会の案内ページ→ スサノヲの到来 -いのち、いかり、いのり | 足利市立美術館
2015年までの開催地→ 展覧会紹介 | 美術館連絡協議会
【京大学部生・院生むけ】京都大学付属図書館のレクチャーシリーズ第4回(11月27日)で熊谷准教授が講演します
2014年11月27日に京都大学付属図書館1階ラーニング・コモンズで開催されるレクチャーシリーズ第4回 で熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)が講師を務めます。
テーマは「チベット・ブータンの宗教文化研究の紹介 〜文献研究およびフィールド研究の両側面から〜」です。仏教がインドから他国へとどのように伝播し、受容され展開していったかを、熊谷准教授がおこなってきた文献学やフィールド研究などに基づきながら解説します。
セミナーの対象は、京都大学の学部学生、大学院生です(無料・自由参加)。該当者で興味のある方は、下記ページに詳細が載っていますので、ご覧ください。
井筒俊彦生誕100年記念トークセッション(11月8日/慶應義塾三田キャンパス)に河合教授が登壇します
2014年11月8日に慶應義塾三田キャンパス(東京都港区)で開催されるイベント「井筒俊彦生誕100年記念トークセッション 『伝播する井筒俊彦』」(主催:三田文學会)に河合俊雄教授が登壇します。
世界的な思想家として知られる井筒俊彦の生誕100年にあたる今年、あらためて偉大な功績にスポットが当たっています。ユング心理学は井筒俊彦の思想活動の流れの中で強い関わりを持ち、互いに影響し合ってきました。今回のトークセッションには、井筒俊彦関連の書籍や雑誌等に多数の論考を提供している河合俊雄教授が、文芸評論家の安藤礼二氏や若松英輔氏らと共に登壇。今日と未来における井筒哲学の可能性について考えていきます。
現在、トークセッション参加者を募集中です(要事前申込)。下記リンクの主催者ホームページをご覧のうえお申し込みください。
内田准教授がウィーン大学日本学研究所とEAJS学会(スロベニア)で講演しました
内田由紀子准教授が、ウィーン大学での招待講演ならびに第14回 International Conference of European Association for Japanese Studies学会(スロベニア・リュブリャナ)での基調講演をおこないました。
ウィーン大学では日本学研究所にて、「How do we construct happiness and social capital? Evidence from community research in Japan」というタイトルで講演をおこない(2014年8月25日)、こころの未来研究センターの取り組み並びに農村・漁村地域のソーシャル・キャピタルに関する最新の知見について述べました。その後、社会学・経済学の立場から日本について研究する研究者や大学院生とのディスカッションをおこないました。
EAJS学会では、社会学・人類学のセクションにおける1時間半にわたる基調講演「Cultural construal of "interdependent happiness" in Japan: Cultural psychological theories and empirical evidence」をおこないました(2014年8月28日)。日本の幸福感についての様々なデータを呈示しながら、幸福と文化の関連についての理論的な枠組みを呈示しました。
ベッカー教授が「京都大学公開講座 秋季講義 生命と老化を考える」(9月27日開催)で講演します
カール・ベッカー教授が、9月27日に京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールで開催される「京都大学公開講座 春秋講義 生命と老化を考える」で講演をおこないます。
春秋講義は、京都大学における知的資源を広く学内外の人々に伝えるために、一般の方に無料開講しています。今回、ベッカー教授の講演テーマは「安心して終焉を迎える日本的な看取り:その準備、受容、意味」です。長年、日本人の死生観や死別の受容のプロセスについて研究を重ねてきたベッカー教授。講演では、現代人が死とどう向き合っているのか、古き日本の死生観からどのように変化してきたのか、超高齢化社会で死への不安にいかに対処し備えるべきなのか、これまでの研究をもとに参加者の皆さんと考えて参ります。同日の講義には、石川冬木生命科学研究科教授も登壇し、「老化からみた人の一生」という演題で講演します。
参加費、事前申込は不要です。京都大学を代表する時計台の大ホールで、第一線の研究者の知見にふれていただければ、と思います。
□詳しくはこちら
京都大学 お知らせ - 京都大学春秋講義(平成26年度 秋季講義)
河合教授がドイツ・ベルリンでの学会 International Society for Psychology as the Discipline of Interiority 2014 Berlin Conference で講演しました
河合俊雄教授がドイツ・ベルリンで開催された "International Society for Psychology as the Discipline of Interiority 2014 Berlin Conference" で講演しました。
Title: "Initiation and transcendence as substantiated goal or psychological difference: In reference to psychotherapy and Buddhism" by Toshio Kawai
( "The Psychological Difference" International Society for Psychology as the Discipline of Interiority 2014 Berlin Conference / Berlin, Germany July 19 - 21 )
http://www.ispdi.org/en/3-educational/conferences
河合教授は、今回の大会のテーマである"Psychological Difference"(心理学的差異)について講演をおこないました。たとえば震災後のこころのケア、ターミナルケアの事例などでは心の傷、死や喪失との直面と受容などがテーマになっていると思われがちですが、心理学的にみていくと、自然の脅威は大いなる力との遭遇として、死が我が家への帰還として体験されることがあるように表面的にみえるのとは全く別のプロセスが進んでいることが多くあります。
心理学的差異とは、上記の例にみられるような区別を semantic(意味的)な次元とlogical(論理的)な次元との差異としてギーゲリッヒ博士が特に強調している概念ですが、河合教授はユングの体験を前提に踏まえつつ、日本での心理療法や日本文化を例にこの概念の臨床的な意義についてわかりやすくお話をされました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
畑中助教がドイツ・ベルリンでのセミナー Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory) で発表しました
畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)が、ドイツ・ベルリンで開催された "Psychological Seminar (Dream Interpretation and Psychological Theory)" にて、大人の発達障害の夢についての発表をおこないました。
このセミナーはすでに出版されている夢セミナーの本の著者でもある Wolfgang Giegerich氏を中心に開催され、夢を中心とした発表とディスカッションが行われます。
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=11560
今回は、この中で大人の発達障害の事例でみられた夢について発表をおこないました。議論の中で、もはや失われてしまったものを保持しておこうとする神経症的なこころの動きに対して、夢を通じて次第に接近していくプロセスが明らかになっていき、夢の力について改めて実感させられるセミナーとなりました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで河合教授が講演しました
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、東京港区の京都大学東京オフィスでおこなわれました。第4回目は、2014年6月25日、河合俊雄教授が「主体性は超えられるのか? -心理療法における揺らぎと超越」という演題で講演しました。当日は、内田由紀子准教授が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に河合教授とディスカッションを行いました。
全4回に渡って開催された、こころの未来研究センターの研究者らによる「東京で学ぶ 京大の知」シリーズは、どの回も沢山の参加者にお越しいただき盛況のまま終了しました。普段なかなかお目にかかれない関東の皆さんに、こころの未来研究センターの取り組みや研究内容を知っていただくことができ、大変有意義な機会となりました。
京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか- 第4回を開催しました。(2014年6月25日) - 京都大学
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「主体性は超えられるのか? -心理療法における揺らぎと超越」
第3回「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」
▽日時:2014年6月25日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:河合俊雄(こころの未来研究センター教授)
▽内容:「 近心理療法で問題になるのは、気力がなくなり学校に行けなくなる、重い病気や災害に遭うなど、主体性の揺らぎです。その際に主体性を回復することと同時に、主体性を超えた次元との関係が大切であることを論じたいと思います。」
▽参加者数:143名
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで熊谷准教授が講演しました
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第3回目は、2014年6月11日、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部)が「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」という演題で講演しました。当日は、吉川左紀子センター長が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に熊谷准教授とディスカッションを行いました。
なお、第4回目は6月25日、河合俊雄教授による講演がおこなわれます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。
京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか- 第3回を開催しました。(2014年6月11日) - 京都大学
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「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第3回「求めるべき幸福とは -ブータンの国民総幸福政策とその根底に横たわる精神性」
▽日時:2014年6月11日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「 近年、ブータンの「国民総幸福」(GNH)は大きな注目を集めていますが、そもそもブータンの人々はどのような精神性を持ち、いかなる幸福を求めているのでしょうか。宗教学の視点から考えていきたいと思います。」
▽参加者数:103名
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで阿部准教授が講演しました
京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第2回目は、2014年6月4日、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部)が「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」という演題で講演しました。当日は、河合俊雄教授が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に阿部准教授とディスカッションを行いました。
なお、第3回目は6月11日、熊谷誠慈准教授による講演がおこなわれました。第4回は6月18日に開催されます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。
京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか- 第2回を開催しました。(2014年6月4日)- 京都大学
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「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第2回「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」
▽日時:2014年6月4日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「現代の社会で私たちは驚くほどたくさんの決断を迫られます。感情の赴くままに決めることもあれば、自分の気持ちを抑えて決めることもあるでしょう。心理学と脳科学の観点から、私たちがどのように迷い、決めているのか、そのメカニズムを考えていきたいと思います。」
▽参加者数:141名
第35回こころの未来セミナー「介護する家族と死別する遺族のこころを探る」を開催しました
第35回こころの未来セミナー「介護する家族と死別する遺族のこころを探る」を2014年6月3日、稲盛財団記念館3階大会議室で開催しました。
講師は現在、こころの未来研究センターの共同研究者として、京都の高齢者介護に努める家族についての研究に取り組んでいるジェイソン・デーンリ先生(Jason Danely)と、米国より来日した臨床心理士のジョン・ジョーダン先生(John Jordan)が務めました。ジョーダン先生は、自死や突然死に基づく遺族の悲嘆研究の第一人者です。講演は、デーンリ先生の受け入れ教員であるカール・ベッカー教授の企画・進行により、デーンリ先生からは、高齢者介護に努める家族の語りに見られる悲嘆をはじめ、介護者の精神的な発達についての検討からの考察について、実際の事例を通して見える介護者のこころについてお話がありました。ジョーダン先生からは、トラウマ的な突然死による『トラウマ的悲嘆』について、9.11や3.11で見られたような突然死からの悲嘆をどのように理解し対応できるのか、ということについてお話しいただきました。
[開催ポスター]
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第35回こころの未来セミナー「介護する家族と死別する遺族のこころを探る」
▽日時:2014年6月3日(火)15:00~17:30
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:Jason Danely, Ph.D
Assistant Professor, Rhode Island College (Anthropology):Visiting Researcher, Kokoro Research Center
John R. Jordan, Ph.D:Clinical Psychologist, Pawtucket, RI and Wellesley, MA, USA
▽参加者数:45名
河合俊雄教授が東京自由大学で「人類の知の遺産・河合隼雄」について講演しました
2014年5月11日、河合俊雄教授がNPO法人東京自由大学の開催する連続講義「人類の知の遺産」で、「河合隼雄」をテーマに講演をおこないました。
同連続講義は本年度、「人類の夢見と思考のマンダラ世界を旅する」をテーマとし全7回の講義がおこなわれます。その第1回が河合俊雄教授による「河合隼雄」講座でした。
河合隼雄財団のウェブサイトにそのレポートが掲載されています。下記リンクよりご覧ください。
鎌田教授が新日本研究所のシンポジウムに登壇。京都新聞、あやべ市新聞に掲載されました
鎌田東二教授が、4月19日に新日本研究所主催のシンポジウム「土・火・水・空(そら)を問う~世界連邦都市綾部から」にコーディネーターとして登壇しました。その模様が京都新聞(4月20日付)、あやべ市民新聞(4月23日付)に掲載されました。
シンポジウムは、日本で初めて世界連邦都市宣言をした綾部市の市民ホールを会場に、混迷する社会の問題を見つめ、現代社会における宗教の役割を考えることを目的に開催されました。会議全体をまとめる役割を担った鎌田教授は、島薗進東京大名誉教授らと共に宗教の歴史から現代の宗教をめぐる問題と課題、東日本大震災で宗教が果たした役割など、多岐に渡るテーマについて討論をおこないました。
○「宗教の枠超え協力を 綾部でシンポ 社会での役割考える」
宗教や哲学などの専門家でつくる「新日本研究所」(東京都港区)は19日、シンポジウム「土・火・水・空(そら)を問う~世界連邦都市綾部から」を綾部市並松町の市民センターで開き、社会における宗教の役割を考えた。(中略)
京都大こころの未来研究センターの鎌田東二教授をコーディネーターに、研究所代表で宗教学者の島薗進東京大名誉教授、興福寺国宝館の金子啓明館長、弁護士の紀藤正樹氏、綾部市の四方八洲男前市町が意見を交わした。(京都新聞・4月20日付/記事より抜粋)
○「宗教学の権威ら綾部に集結 宗教法人の社会貢献も促す」
混迷する日本社会の病巣を見つめ、新しいヒューマニズムを再構築しようーと日本を代表する宗教学者らが綾部に集結して19日、並前町の市民センターでシンポジウムを開いた。(中略)
神道の研究を始めた39年前に綾部を訪ね弾圧の跡地に立って国つ神の精神性を考え、誓いを立てたという鎌田さんは冒頭、パネリスト4人にシンポジウムの標題に沿って各自の活動紹介を求めた。(あやべ市民新聞・4月23日付/記事より抜粋)
河合教授が第9回京都大学附置研究所・センターシンポジウム(仙台)で講演。読売新聞に掲載されました
京都大学の附置研究所・センターによる第9回シンポジウム「京都からの提言〜21世紀の日本を考える/社会と科学者」が3月15日に仙台市で開催され、その模様が、4月5日付の読売新聞朝刊特別面に掲載されました。
こころの未来研究センターからは、河合俊雄教授が講演し、iPS細胞研究所の山中伸弥教授ら4人の講演者と共に討論および質疑応答をおこないました。河合教授は、「発達障害と現代の意識」という演題で講演。近年増加する発達障害の特徴について、分離や自立が困難な現代社会を反映したものと考察し、主体性を築くための心理療法の取り組みと具体的な事例を紹介しました。
第4回ブータン文化講座を開催しました
第4回ブータン文化講座が2月24日、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。今回は関西大学社会学部教授の草郷孝好先生をお迎えし、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)の司会進行で「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」というテーマで講演いただきました。
今や「GNH」(国民総幸福)という言葉は、ブータンという国の代名詞となっている感があります。第4回ブータン文化講座では、開発学がご専門の草郷孝好先生に、GNHについて、「ブータンの魅力」、「ブータンのGNH」、「GNHに対する世界の目」、「GNHと日本の取り組み」という4つの観点からお話をいただきました。
ブータンは1960年代からようやく開国を始めた小国として、いわば「最後尾からの近代化」という困難な事業に取り組まねばなりませんでした。その際、先進国の近代化をただ真似るのではなく、自ら「望ましい社会のあり方」を決め、その方向に沿って、適切な近代化の方策を自己決定する、その羅針盤として、GNHを掲げるに至ったのです。GNHは「公正な社会経済の発展」、「文化保存」、「よい政治」、「環境の保全」という4本柱からなっていますが、これらが現代の国際社会が目指す方向と合致していることは、GNHをテーマとする国際会議の開催や、国際幸福デーの制定からはっきりと知ることができます。また我が国とGNHとの関わりとしては、「量」から「質」への大胆なモデルチェンジが必要な時代が到来していること、それを受けて、兵庫県に代表される幾つかの自治体が「良質な」社会発展を目指し、長期的な見通しに立って、実際に政策の形成と導入を進めつつあることが指摘されます。
講演では、豊富な統計データに加え、ブータンの人々との交流など先生ご自身の体験や取り組みも交えて、分かりやすくお話しいただきました。会場からは、GNHが指標として独り歩きしてはいないのか、ブータンの実社会ではGNHがどのように認知されているのか、といった踏み込んだ質問が多数なされました。
<報告:安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)>
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第4回ブータン文化講座「ブータンの魅力とGNHの現在 ~世界はGNH社会を求めるのか~」
▽日時:2014年2月24日(月)17:00 ~ 19:00 (16:30開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講演者:草郷孝好(関西大学社会学部・教授)
司会進行:熊谷誠慈(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門准教授)
▽参加者数:101名
河合教授が明治大学の公開講座「南方熊楠の新次元」で中沢新一氏と対談しました
1月13日、明治大学野生の科学研究所公開講座「南方熊楠の新次元」第3回が明治大学リバティホールにて開催され、河合俊雄教授が中沢新一氏(野生の科学研究所所長、明治大学特任教授)と対談しました。
「明恵と熊楠」がテーマとなった講座では、河合隼雄京大名誉教授の著書『明恵 夢を生きる』(講談社/1995年)で広く知られるようになった明恵上人と南方熊楠を題材に、中沢氏の講演の後、河合教授が登壇し、中沢氏と対談をおこないました。
当日の模様は、河合教授が代表理事を務める河合隼雄財団のホームページで詳しいレポートが掲載されています。下記に一部を引用します。ぜひ続きはリンク先の記事をご覧ください。
講演の後、河合俊雄代表理事との約1時間にわたる対談が行われました。
熊楠とユングは、粘菌と錬金術からみてもおもしろいのでは(ネンキンとレンキン!)、などと河合隼雄も顔負けのダジャレ?!でありながら、同時に本質をついた問題提起に始まり、河合隼雄が明恵などを通じて考えていたヨーロッパとは異なる日本人なりの主体のあり方が「自然(じねん)」だったのではないか、など話題は多岐にわたりました。
河合教授が代表理事を務める河合隼雄財団が「<河合隼雄物語賞・学芸賞>記念講演会」を開催します
河合俊雄教授が代表理事を務める河合隼雄財団が、2月10日(月)、渋谷区の紀伊國屋サザンシアターにて「<河合隼雄物語賞・学芸賞>記念講演会 小川洋子×山極寿一公開対談」を開催します。
作家の小川洋子氏と山極寿一京都大学理学研究科教授が、『森に描かれた物語を求めて-ゴリラとヒトが分かち合う物語-』というテーマで対談します。小川氏は河合隼雄物語賞、山極教授は河合隼雄学芸賞の選考委員を務めています。
現在、チケット一般発売中です(1,500円、イープラスより)。詳しくは、主催者ウェブサイトをご覧ください。
河合隼雄財団ウェブサイト
http://www.kawaihayao.jp/ja/
新潮社「<河合隼雄物語賞・学芸賞>記念講演会」
http://www.shinchosha.co.jp/event/blog/20140210.html
河合教授が明治大学の公開講座「南方熊楠の新次元」(1/13祝・当日入場可能)に登壇します
河合俊雄教授が、1月13日(月・祝)に開催される明治大学野生の科学研究所公開講座「南方熊楠の新次元」に登壇します。昨年11月から始まった連続講座の第3回で、「明恵と熊楠」というテーマで中沢新一氏(野生の科学研究所所長、思想家、人類学者)と対談します。
河合教授と中沢氏は2009年に『思想家 河合隼雄』(岩波書店)を共同編集し、2013年より創設された河合隼雄物語賞・学芸賞(河合隼雄財団)では中沢氏が学芸賞部門の選考委員を務めています。講座では、河合隼雄京大名誉教授の著書『明恵 夢を生きる』(講談社/1995年)で広く知られるようになった明恵上人と南方熊楠を題材に、河合教授と中沢氏が語り合います。
会場は明治大学リバティホール(東京都千代田区)。予約不要(定員450名)、参加費:1,000円。詳しくは、下記の主催者ウェブサイトをご覧ください。
明治大学野生の科学研究所 公開講座「南方熊楠の新次元」
第3回「明恵と熊楠」
http://sauvage.jp/archives/1745
京都大学アカデミックデイ2013に参加しました
12月21日(土)、京都大学百周年時計台記念館にて、京都大学アカデミックデイ2013が開催されました。
◎京都大学アカデミックデイ2013とは?
京都大学アカデミックデイは、「国民との科学・技術対話」支援事業の一環として毎年京都大学で開催されるイベントです。市民・学生・研究者、文系・理系を問わず、誰もが学問を楽しみ、その魅力について語り合うコミュニケーションの場を提供しています。
(京都大学学術研究支援室の開催概要はこちら)
こころの未来研究センターからは、熊谷誠慈准教授(上廣こころ学研究部門)、清家理助教(上廣こころ学研究部門)、安田章紀研究員(上廣こころ学研究部門)、福島慎太郎研究員(上廣こころ学研究部門)、大学院生の富永仁志くん(内田由紀子研究室)が参加しました。
【お茶を片手に座談会】では、熊谷准教授が齊藤准教授( iPS 細胞研究所)と磯部准教授(京都大学学際融合教育研究推進センター)と「宇宙、生命、精神の交差点」 をテーマにトークライブを行いました。
【ポスター前で立ち話】では、時間ごとにポスターをはりかえて、「こころ学」への挑戦として出展しました。
清家特定助教 9時半-11時
福島研究員 11時-13時
富永くん 13時-15時
熊谷特定准教授・安田研究員 15時-17時
文系・理系によらず幅広い研究者が参加し、研究者それぞれのスタイルで市民のみなさまと「対話」することができる場となりました。
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京都大学アカデミックデイ2013
▽ 日時:2013年12月21日(土)10:00-17:00
▽ 場所:京都大学百周年時計台記念館2階
▽ 参加費:無料(申し込み不要)
主催:京都大学(学術研究支援室、研究国際部研究推進課、「国民との科学・技術対話」ワーキンググループ)
後援:京都府教育委員会、京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、奈良県教育委員会、滋賀県教育委員会
第3回日本情動学会大会がおこなわれました
船橋新太郎教授が大会長を務めた「第3回日本情動学会大会」が12月7日、稲盛財団記念館3階会議室で開催されました。本年度は「感情を探る」をテーマに、感情についての基礎理論を中心とする6つの講演と19の一般口演がおこなわれ、船橋教授が進行を務めました。
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第3回日本情動学会大会『感情を探る』
▽ 日時:平成25年12月7日(土)午前9時~午後6時
▽ 場所:京都大学 稲盛財団記念館3階会議室
▽ 参加費:2000円
▽ 大会長:船橋新太郎(京都大学こころの未来研究センター)
▽プログラム
1. 一般口演(午前9時~正午)
(大会議室、中会議室、小会議室1、小会議室2)
2. シンポジウム『感情を探る』(大会議室:午後1時~)
「感情の科学」福田正治(富山大学)
「感情の進化」藤田和生(京都大学)
「感情の発達」板倉昭二(京都大学)
「感情を表現する」石黒 浩(大阪大学)
「感情と病理」岡田尊司
「感情と教育」松村京子(兵庫教育大学)
3. 懇親会(中会議室:午後6時~)
詳細(日本情動学会のページ・プログラム詳細有り)
こころの未来講演会『死別悲嘆を巡る』を開催しました
こころの未来講演会『死別悲嘆を巡る』が、12月2日と5日、稲盛財団記念館大会議室でおこなわれました。
高齢化や自然災害、突然の出来事などで愛する人と死別したとき、その悲嘆からどうすれば立ち直れるのか?2011年に起こった東日本大震災を機に、いま「グリーフケア」(悲嘆のケア)の重要性が見直され、注目されています。今回の講演会は、長年、日本人の「生老病死」を見つめ続け、終末期医療や臨死体験、グリーフケアなどの研究に取り組んでいるカール・ベッカー教授が企画し、アメリカからの講師を招いての講義と、9.11同時多発テロをテーマにした映画の上映を含んだ講演会の二本立で2日間にわたって開催されました。
第1日目は、「薬品で悲嘆を癒せるか?縲廛SM-5の悲嘆研究」というテーマでカリフォルニア州チコ市のソーシャル・ワーカー、Susan McCue先生が講演をおこないました。米国の「精神障害の診断と統計の手引き」と言われる「DSM-5」が十数年ぶりに再編され、「死別悲嘆」が新たに精神疾患として薬物療法の対象となった経緯と実態について、McCue先生はDSM-5を研究し議論に関わってきた立場から報告すると共に、悲嘆の病理学と症例について解説しました。
第2日目は、「9.11からの回復過程」をテーマに、アメリカ同時多発テロで肉親や婚約者を失った遺族や現場で負傷した被害者ら5人のそれぞれの9.11以降の9年間を記録した映画『Rebirth』(リバース)を上映しました。『ロビン・フッド』等の代表作を持つジム・ウィテカー監督による『Rebirth』は、想定不可能な悲劇を体験した5人を9年間にわたって定期的に撮影し、彼らの変化と悲しみを受容してゆく過程を記録したドキュメンタリー映画です。現場で同僚を失った消防士、愛するフィアンセを失った女性、母を失った少年、ビル倒壊に巻き込まれ重度の火傷を負った中国系の女性、弟を失ったニューヨーク自治体の工事現場担当という5人の人物がそれぞれに喪失の悲嘆に襲われ、激変した人生と向き合う姿はあまりに過酷で生々しいものですが、歳月という時間の助けをかりながらRebirth(再生)していく姿は、観る者に強い感動と問いかけを与えてくれます。本作は、東京国際映画祭で注目を浴び、数々の映画賞を受賞しましたが、今回、監督の教育的配慮により、本学で無料上映する許可を受け、講演会のプログラムに加えることができました。
参加者には事前に登場人物の名前とプロフィール、それぞれの「感情の変容」「考え・思いの変容」「記憶や希望の変容」「何が要因で何を学んだ」かを書き込む用紙が配られ、映画を観ながらそれらをメモし、参加者自身の感情もどう変化し、どのような気付きや教訓を得たかを書き記しました。それをもとに上映後、ディスカッションがおこなわれました。
上映後の討論で、参加者からは「悲しい出来事を"忘却"するのではなく、人生の一部として取り込んでゆくことが癒しと再生につながることが分かった」「自分では体験しなかったことを映画で教えてもらえたことで、今後、同じ体験をした人にどう対処すべきか、自分がどう受けとめるべきかを教えてもらえた」「悲嘆を乗り越えた5人の背後には、数えきれない無言の被害者がいることも考えるべき」「9年経って、自分は幸せだと言った登場人物の言葉に救われた。しかしまだ完全に悲嘆を乗り越えたわけではないのでは?」といった感想や問いが寄せられました。ベッカー教授は、「忘却が悲嘆を乗り越える方法ではない。9年間という長い歳月のなかで、それぞれが自分の人生で経験を消化し、自分の人生の一部へと受け入れていったことが回復に繋がったといえる。この映画は9年間の撮影期間がかかっている。喪失経験をした人に対して『もう一年経ったから大丈夫でしょう』と言うことはできない。それだけ悲嘆を乗り越えるには長い時間がかかることも、ケアやサポートの中で考えていかなければいけない」と話し、講演会を締めくくりました。
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「こころの未来講演会『死別悲嘆を巡る』」
▽ 日時:(Part1)2013年12月2日(月) 15:00-17:30(Part2)12月5日(木) 15:00-17:30
▽ 場所:京都大学 稲盛財団記念館3F大会議室
▽プログラム
Part1 薬品で悲嘆を癒せるか?~DSM-5の悲嘆研究
講師:Susan McCue先生(カリフォルニア州チコ市ソーシャル・ワーカー)※通訳無しの英語講演。概要と質疑応答は邦訳。
Part2 9.11からの回復過程「Rebirth」上映を参考に
講師:カール・ベッカー教授(京都大学こころの未来研究センター)
▽参加者数:約30名
京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画「ワザとこころパートⅢ~天神信仰と天神の祭り」を開催しました
■「天神さんの祭り」に込められた「ワザとこころ」を探る
11月23日、京都府と京都大学こころの未来研究センターの共同企画による「ワザとこころパートⅢ~天神信仰と天神の祭り」が、稲盛財団記念館大会議室でおこなわれました。
こころの未来研究センターでは、鎌田東二教授が中心となり「こころとモノをつなぐワザの研究」プロジェクトを様々な分野の研究者と共に進めています。「ワザとこころ」シリーズで開催してきたシンポジウムは今年で3年目。2011年の「葵祭から読み解く」、2012年の「祇園祭から読み解く」に続き、2013年は「天神信仰と天神の祭り」をテーマに開催しました。京都・大阪を代表する「天神さんの祭り」に込められた「ワザとこころ」について、学術研究の場と信仰の場それぞれからテーマに即した問題提起や報告、ディスカッションが繰り広げられました。
はじめに、上田正昭京都大学名誉教授が「天神信仰と天神の祭り」という演題で基調講演をおこないました。歴史学の第一人者として勲二等瑞宝章、修交勲章崇禮章、京都市文化功労者、京都府文化賞特別功労賞、南方熊楠賞など数多くの功績と著書を持つ上田名誉教授は、天神信仰と祭りのルーツとなった菅原道真の人物像や道真公を天神へと至らしめた歴史的背景と経緯について、様々な角度から考察を展開されました。86歳というご年齢にも関わらず、講演のあいだ何度も席を立ってホワイトボードに重要なポイントを記入しながら天神信仰と祭りの本質と変遷を、数々の事例をもって壮大なスケールで説明くださいました。
鎌田教授は上田名誉教授の講演のまとめとして、「モノ学・感覚価値研究会」ホームページにおいて、「強く印象に残ったのは次の3点。① 「天神」には3種の別あり。1)中国の天上皇帝の「天神」、2)日本の「天つ神」「国つ神」の「天神」、3)菅原道真公の「天神」② 御霊信仰に2種別あり。1)支配者の御霊信仰は鎮魂=みたましづめ、2)民衆の御霊信仰は鎮魂=みたまふり。とりわけ、民衆は、怨霊として貴人を殺すほどの力があるならば、それを人民の守護と幸せに転じてほしいと願ったという指摘。③ 「和魂漢才」の典型・体現者。11世紀初頭に紫式部が「才を本としてこそ大和魂の世に用ひらるる方も強ふ侍め」と述べたことを道真公は体現していた。」と振り返っています。(詳しくは「モノ学・感覚価値研究会 研究問答」の後半部分をお読みください)。
その後、3名の講師による事例報告がおこなわれました。まず、大阪天満宮の寺井種伯宮司による「大阪天満宮の天神祭と天神信仰のワザとこころ」という演題での報告がありました。浮世絵師・五雲亭貞秀が描いた「浪速天満祭」の木版画を携えて登壇した寺井宮司は、何度も火災焼失などに襲われながら復興を繰り返した大阪天満宮の歴史と人々に愛され支えられた天神祭の歴史、現在も続く様々な祭事について、詳細な記録や年表、資料と共に紹介しました。続いて北野天満宮の加藤迪夫権宮司が登壇し、「北野天満宮の天神さんの祭りと天神信仰のワザとこころ」という演題にて報告。天神信仰発祥の地として菅原道真公の神霊を祀り北野天満宮が創建された経緯、神社祭祀の三要素、祀りの地、祀りを司った歴史的人物の解説、北野天満宮の主要な祭りの紹介など、詳細な資料と鮮やかな画像が盛り込まれたパワーポイントと共に分かりやすく説明しました。
報告の締めくくりとして、竹居明男同志社大学文学部教授が「天神の祭りと天神信仰のワザとこころ」という演題にて、天神菅原道真公が国家鎮護の神、文学の神として存在感を示して様々な祈願の対象となった歴史を解説し、天神信仰とそれをめぐる文化や祭りがいかに多様で都の人々の暮らし、政治と密接に関わり合ったかを日本史研究の視点から紹介しました。3名の報告後にパネルディスカッションがおこなわれ、鎌田教授がそれぞれの報告者に対して質問を投げかけ、より詳しい解説を仰ぎながら天神信仰への理解を深めていきました。
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京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画「ワザとこころパートⅢ~天神信仰と天神の祭り」
▽日時:2013年11月23日(土・祝)13:00-17:00(受付開始12:30~)
▽会場:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽プログラム
13:00-13:10 趣旨説明:鎌田東二(かまたとうじ)(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学、民俗学)
13:10-14:10 基調講演:上田正昭(うえだまさあき)(京都大学名誉教授、歴史学)「天神信仰と天神の祭り」
14:10-14:20 休憩
14:20-14:50 報告1「大阪天満宮の天神祭と天神信仰のワザとこころ」寺井種伯(てらいたねのり)(大阪天満宮宮司)
14:50-15:20 報告2「北野天満宮の天神さんの祭りと天神信仰のワザとこころ」加藤迪夫(かとうみちお)(北野天満宮権宮司)
15:20-15:50 報告3「天神の祭りと天神信仰のワザとこころ」竹居明男(たけいあきお)(同志社大学文学部教授、日本史)
15:50-16:00 休憩
16:00-17:00 パネルディスカッション 司会:鎌田東二
▽主催:京都府/京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:124名
『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ』で福島研究員が話題提供しました
京都府立図書館主催の『本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ:第四弾「つながり」をたどる』で福島慎太郎 研究員(上廣こころ学研究部門)が話題提供しました。
▽ 日時:2013年9月21日(土曜日)13:00~16:30
▽ 会場:京都府立図書館 3階マルチメディアインテグレーション室
▽ 主催:京都府立図書館
▽ 共催:井戸端サイエンス工房
「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的としています。【第四弾:「つながり」をたどる】は、2013年9月21日(土)京都府立図書館にて開催されました。
ワークショップは、大きく二つのパートからなっていました。
1)研究者のお話を聞く、新しい視点との"出会い" の時間
2人の研究者のお話を聞きながら、この日のテーマ「つながり」へのイメージを膨らませる時間でした。
1人目は、地域における人々の研究をしている福島慎太郎さん。東日本大震災以降、重視されてきた「つながり」「きずな」(信頼関係)ですが、福島慎太郎さんは、このつながりを大きく二つに分けて調査しています。二つの信頼(不特定の他者に対する信頼&自分が知っている特定の他者に対する信頼)を指標として、日本の農村地域と都市部とで、つながりにどのような違いがあるのかをお話しされました。
2人目は、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さん。森の健康状態を、窒素(硝酸)を手がかりに調査しています。窒素の流れをたどることによって森だけでなく、森を流れる川、川の近くの里や川が流れ着く海が、それぞれお互いにどのように影響しているのかをお話しされました。
2人のお話を聞いて、「つながり」に対する新しい見方が発見できたはず。
2)参加者同士で語り合う、本との"出会い" の時間
研究者からの話題提供も参考にしながら、グループで「つながり」に関するイメージやアイディアを出し合う時間をとりました。付箋を使ってキーワードをどんどん挙げながら。ここで出したキーワードも頭に置きつつ、図書館内を探検して、「つながり」に関連しそうな本を集めてもらいました。
探しにいってすぐに選んで帰ってくる人、なかなか決められなかった人。一冊だけ厳選して選んできた人、選びきれなくてたくさんの本を選んできた人。本の選び方だけでもそれぞれ全く異なっていました。
みんなが持ち帰った本をグループで共有した後は、グループ内で『これはよい出会いだった!ベスト1』の本を決めます。そして、他のグループの人にプレゼンです。最後は、2人の研究者からこれが読みたい!という本を選んで、ゲスト賞を出してもらいました。
みんなでつくった『つながりの本棚』。ワークショップ後の1週間は、京都府立図書館で展示されます。
(もちろん、この本棚に並んだ本は、来館者の方が借りてかえることができます。)
「身心変容技法の比較宗教学」国際シンポジウムを開催しました
9月24日-26日の3日間、「身心変容技法の比較宗教学」国際シンポジウムを稲盛財団記念館3階大会議室にて開催しました。今回は、中国から国際的に著名な健身気功専門家であり、中医学、養生学専門家、峨眉丹医養生学十四代伝人、中医新九針療法学術継承人として世界で活躍する張明亮老師(通訳:山元啓子氏)をお招きし、連日に渡り講演ならびに実修指導を行っていただきました。全日程の司会進行は研究代表者の鎌田東二教授が務め、参加者数はのべ310名という大変盛況なイベントとなりました。
初日、24日は研究者を対象とした「第14回身心変容技法研究会」が行われました。同研究会は、毎回、国内外における様々な「身心変容技法」について、研究者、専門家が各自の研究成果をもとに分析・考察・議論し、参加研究者との討論を加えてより融合的・総合的な研究成果へと展開させています。今回は、張明亮老師が「中国峨眉丹道医薬養生学派派の身心変容技法研究」について2時間に渡りレクチャー。峨眉丹道医薬養生学の成立・内容・伝承までを「峨眉山について」「丹道について」「医薬について」「養生学について」「峨眉丹道医薬養生学派」という構成で、明晰かつ体系的に説明されました。質疑応答と討論の時間には、永沢哲京都文京大学准教授、濱野清志京都文教大学教授らによる質問を中心に活発なディスカッションが繰り広げられました。当日の詳細なレポートは、鎌田教授が身心変容技法研究会HP「研究問答」で公開しています。ぜひご覧ください。第14回身心変容技法研究会レポートはこちら
2日目の25日は、一般参加者を対象とした国際シンポジウムが開催されました。全国よりお越しになった175名の参加者で稲盛財団記念館の大会議室が埋まり、はじめから終わりまで大変な熱気に包まれました。冒頭、配布された「国際シンポジウム挨拶文」にもとづき、鎌田教授がシンポジウムの企画趣旨・背景・経緯・開催目的などを説明。続いて、張明亮老師の表演がありました。静寂のなか、深い集中状態でゆっくりと表演を始めた老師。鳴り始めた音楽と共に見せた身体の動きと発する「気」で会場は独特の高揚感と心地よい緊張感に包まれ、参加者は食い入るように見入っていました。基調講演は、前日の発表内容をベースに、気功とは何か、日々、気功を実践するうえで大切にしなければならないという基本的な考え方を大変分かりやすく参加者に示してくださいました。例えば武術との違いを説明しながら、気功とは「外から見える形を目的としない、自分自身の心と体の鍛錬法」であり、「心と体をコント―ロールすることのできる能力を養うための手段」あるいは「自分自身の気血を調節する能力を作ること」など。他にも、養生学における「反俗」の側面を説き、「順は凡、逆は仙」という丹道の中庸について紹介があったほか、全員で気のめぐりを高める気功方法を実践する時間も持ち、参加者全員が老師の指導のもと身体を動かしました。
続いて、指定討論者とのディスカッションの時間が設けられました。濱野清志京都文教大学教授は、気功の中で他者性と向かい合うことのありよう」について、倉島哲関西学院大学准教授からは、太極拳の大衆化を例に挙げながら気功の大衆化とスポーツ化について、アルタンジョラーワザ学共同研究員からは、気功修行における信仰と伝承のありようについての問いかけがありました。国際シンポジウムのより詳細な報告は、鎌田東二教授のレポートをぜひご覧ください。国際シンポジウムレポートはこちら
3日目の26日は、一般の参加申込者を対象とした峨眉丹道医薬養生学派気功実修が行われました。張明亮老師による実践的な内容をふまえたレクチャーと実修を受講できるとあって全国から申し込みがあり、当日は100名の参加者にお越しいただきました。日々、気功を実践する人、気功の指導者、学術的に気功を学ぶ人など、様々なタイプの方による参加があったようです。午前中に鎌田教授に案内され東山の大山祇神社と白幽子跡を参拝・見学した張明亮老師は、3日目の疲れも全く見えない元気な様子で、訪問の印象を話しました。禅修行が過ぎて難病となった白隠禅師が、白幽子より「内観法」を伝授された意味とはたらきを述べると共に、これから取り上げる功法「峨眉五臓小煉形」の中でも「肺臓小煉形」との関係について指摘されました。続いて、実修指導がおこなわれ、肺の気血のめぐりをよくし、肺を強靭にしていく功法として、歌=咒の方法を教示し、参加者は席から立って指導を受けながら様々な実践方法を学びました。鎌田東二教授による老師との東山訪問レポートおよび実修の報告もぜひ合わせてお読みください。気功実修レポートはこちら
◎張明亮老師プロフィール
(中国峨眉丹道医薬養生学派第十四代伝人) 1970年山西省生まれ。国際的に著名な健身気功専門家、中医学、養生学専門家、峨眉丹医養生学十四代伝人、中医新九針療法学術継承人。幼少の頃、峨眉気功の四人の老師に見出され、気功・鍼灸・推拿・医薬・養生などの英才教育を施される。峨眉丹道医薬養生学派第十四代伝人として全伝を受け継ぐ。中国国家体育総局で制定された四大功法の編纂に主導的役割を果たす。現在の中国気功界で最も注目されているホープ。2008年北京オリンピック聖火ランナー、スイス丹道中医学院院長、フランス丹道中医学院院長。著書『五臓の音符――中医五臓導引術』『健身気功への道』など多数。中国国家体育総局より「創編健身気功貢献賞」「健身気功普及優秀者賞」受賞、武漢市人民政府より「科学技術進歩賞」受賞、また「common welfare O'Brien Award」賞受賞。
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科研:「身心変容技法の比較宗教学」国際シンポジウム 2013年9月24日~26日
◇第14回身心変容技法研究会(研究者対象)
▽日時:2013年9月24日(火)13時~17時30分 (受付開始:12時30分~)
▽講義:張明亮老師「中国峨眉丹道医薬養生学派派の身心変容技法研究について」13時~15時
▽休憩:15時~15時20分
▽峨眉派気功実技指導15時20分~16時20分
▽総合討論 16時20分~17時30分
▽通訳:山元啓子 司会:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
▽参加者数:35名
◇国際シンポジウム(一般公開)
▽日時:9月25日(水)13時~17時30分(受付開始:12時30分~)
▽企画趣旨説明:鎌田東二(科研「身心変容技法の比較宗教学」研究代表者)13時~15時10分
▽基調講演:張明亮老師(峨眉丹道医薬養生学派第十四代伝人・中医師・北京黄亭中医薬研究院院長・山西大学体育学院客員教授・中国国家体育総局健身気功協会常任委員)13時10分~15時 テーマ「峨眉丹道医薬養生学派の気功と武道における身心変容技法研究」通訳:山元啓子
▽休憩:15時~15時20分
▽指定討論者:濱野清志(京都文教大学教授・臨床心理学・気功家)、倉島哲(関西学院大学准教授:身体論・中国拳法)、アルタンジョラー(京都大学こころの未来研究センターワザ学共同研究員・文化人類学、モンゴルシャーマニズム研究)
▽総合討論:16時30分~17時30分 司会:鎌田東二
▽参加者数:175名
◇峨眉丹道医薬養生学派気功実修(一般公開)
▽日時:2013年9月26日(木)13時~17時30分(受付開始:12時30分~)
▽実技指導:張明亮老師 通訳:山元啓子
▽司会:奥井遼(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定研究員・臨床教育学)・鎌田東二
▽参加者数:100名
※いずれも場所は、京都大学稲盛財団記念館3階大会議室、主催:京都大学こころの未来研究センター:科研(基盤研究A)「身心変容技法の比較宗教学」
河合教授が「第60回日本病跡学会総会」で「ユング『赤の書』シンポジウム」を開催。シンポジストを務めました
河合俊雄教授が「第60回日本病跡学会総会」(2013年7月27・28日開催/大阪国際会議場)で「ユング『赤の書』シンポジウム」をコーディネートし、シンポジストとして登壇しました。
病跡学(びょうせきがく)は、傑出した歴史的人物を精神医学や心理学の知識を用いてその個性と創造性を研究し、疾病の意義を明らかにしようとする学問です。第60回を迎えた日本病跡学会総会では、南方熊楠、ドゥルーズ、モーツァルト、中島みゆきなど様々な人物をテーマに扱った講演およびセッションが開催されるなか、河合教授がコーディネートした「ユング『赤の書』シンポジウム」が2日目に開催されました。
座長を務めた河合教授は、冒頭、『赤の書』の全体像をプレゼンテーションし、セッションでは野間俊一先生(京都大学大学院医学研究科)が「『赤の書』に見られる身体性の変容過程」、河合教授が「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」という演題で講演し、川戸圓先生(川戸分析プラクシス)が指定討論者を務めました。
以下、河合教授による報告です。
○「ユング『赤の書』シンポジウム」
『赤の書』は、ユングが40歳前、そして第一次世界大戦直前にヨーロッパが洪水に襲われるなどの恐ろしい幻覚を見て精神的危機に陥り、その後にわきあがってきたヴィジョンを元に、自分でイメージを積極的に喚起して、イメージとの対話をはかったのを記録し、それにさらにコメントと絵をつけたものです。ユングの心理療法や心理学の元になった体験とみなされ、ずっと秘伝の書ともされてきましたが、2009年に公刊され、日本では河合が中心となって監訳しました(2010年)。
このシンポジウムでは、短いイントロをつとめ、また自分の発表「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」では、イメージの太古的ですさまじい内容にもかかわらず、観察する自我の構造は保たれているていて、全く精神病的な体験ではないことを強調しました。さらには内容的には、生贄などの身体を巻き込んだイメージにリアルさがあって、死者との関係が、われわれにとっても示唆するところが大きいことを述べました。野間俊一先生は、『赤の書』の全体をていねいに紹介してくださり、やはり身体性に焦点を当てていました。指定討論の川戸先生は、この本が秘密であった意味について述べられていました。(河合俊雄)
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第60回日本病跡学会総会「シンポジウム:-ユング「赤の書」について-」
▽開催日時:2013年7月28日(日)9:25~10:55
▽場所:大阪国際会議場
▽プログラム:
座長:河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
指定討論者:川戸 圓(川戸分析プラクシス)
S1:「『赤の書』に見られる身体性の変容過程」野間俊一(京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座精神医学教室)
S-2「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
第60回日本病跡学会総会のホームページ
朝日新聞デジタルの記事:「半世紀経てユング『赤の書』理論を裏付ける日記刊行」
『赤の書』オフィシャルサイト(創元社)
福島研究員が京都府立図書館のワークショップに話題提供者として参加します
福島慎太郎研究員が、9月21日(土)に開催される京都府立図書館のワークショップ【本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾 「つながり」をたどる】に話題提供者として参加します。
「本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ」は、研究者からの話題提供や参加者同士のコミュニケーションを通じて、ひとつのテーマに対して多様な角度から知識や考えを深め、より能動的な読書へのきっかけをつくることを目的とした場です。
今回のテーマは「つながり」です。私たちのまわりに存在する様々な「つながり」をたどると、その先には?ー「つながり」に思いをはせてみませんか。
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本を楽しむ、科学と遊ぶワークショップ 第四弾
「つながり」をたどる
平成25年9月21日(土曜日)13時開始
京都府立図書館にて
応募締め切り:9月8日(日曜日)
_
ワークショップは、大きく2つのパートからなります。
1.新しい視点との"出会い"の時間
地域における人々の研究をしている福島慎太郎さんと、森と里と海のつながりを研究している福島慶太郎さんのお二人に、それぞれの観点から「つながり」について話題を提供していただきます。
「つながり」に対する新しい見方が発見できるはずです。
2.本との"出会い"の時間
図書館の書架の間を歩きながら、今回のテーマ「つながり」に関わる本を集めてきます。
もちろん、お気に入りの本と出会うことができたら、図書館から借りて帰ることもできます。
1人で探しても出会えなかった本との出会いが待っているはずです。
【日時】
平成25年9月21日(土曜日)13時00分縲鰀15時30分
(受付開始:12時30分)
【場所】
京都府立図書館 3階マルチメディア室
【お話をする研究者】
福島 慎太郎さん
京都大学こころの未来研究センター 研究員
福島 慶太郎さん
京都大学フィールド科学教育研究センター 特定研究員
【参加費】
無料
【定員】
30名(事前申込み制)
*応募者多数の場合には、抽選となります。
【対象】
どなたでも参加できます。
【申込み方法】
以下のいずれかの方法で、「ワークショップ申込」と明記の上、お名前・連絡先(メール、FAX番号等)をお伝えください。
なお、申し込み先は、「京都府立図書館」です。
*個人情報は今回の催し運営にのみ使用いたします。
1)Eメール:tosyokan-shiryou@pref.kyoto.lg.jp
2)FAX:075-762-4653
3)京都府立図書館のカウンターにて受付
【応募締め切り】
平成25年9月8日(日曜日)
【参加の可否についてのご連絡】
9月13日(金曜日)までに、京都府立図書館からお知らせします。
【お問い合わせ先】
京都府立図書館 総務課企画調整係
TEL:075-762-4655(代)
【主催】
京都府立図書館
http://www.library.pref.kyoto.jp/
【共催】
井戸端サイエンス工房
http://islkyoto.web.fc2.com/
井戸端サイエンス工房は "科学の多様な楽しみ方を提案する" というコンセプトのもと、様々な企画を立案・運営していこうとする、京都大学の学生が主体となった団体です。
河合教授が代表理事を務める河合隼雄財団が「第一回河合隼雄物語賞・学芸賞」授賞式を開催しました
河合俊雄教授が代表理事を務める河合隼雄財団による「第一回河合隼雄物語賞・学芸賞」授賞式が2013年7月5日、京都ホテルオークラにて行われました。
第一回の物語賞受賞作は、作家の西加奈子氏の『ふくわらい』(朝日新聞出版)に決定。学芸賞は京大人文科学研究所准教授の藤原辰史氏の『ナチスのキッチン「食べること」の環境史』(水声社)が選ばれました。
受賞発表や受賞式の模様は、多くのメディアで紹介されました。下記リンクよりご覧ください。
第一回 河合隼雄物語賞・学芸賞の授賞式が行われました:河合隼雄財団
「河合隼雄賞」京都で授賞式:YOMIURI ONLINE
河合隼雄物語賞に西加奈子氏 学芸賞は藤原辰史氏:朝日新聞DIGITAL
今年新設された"独立系"文学賞「河合隼雄物語賞」に注目:NIKKEI TRENDY NET
第一回河合隼雄物語賞・学芸賞が決定しました:新潮フラッシュニュース
国際チベット学会で"Bhutanese Buddhism and Its Culture"を開催。熊谷准教授、安田研究員、松下研究員が口頭発表を行いました
2013年7月23日、モンゴル国立大学で開催された国際チベット学会において、熊谷誠慈准教授の企画による "Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)と題する研究部会を開催し、計8名が口頭発表を行いました。こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門からは、熊谷准教授、松下賀和研究員、安田章紀研究員の3名が以下の題目で口頭発表を行いました。
熊谷准教授は「ブータンにおける宗教マイノリティの研究」、松下賀和研究員は「ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介」、安田章紀研究員は「ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究」という演題での発表でした。詳しい英語タイトル、全ての発表者の演題は下段の「発表者と演題」をご覧ください。
また、本研究部会ではセンター外からの発表者として、ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長)、デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員)、デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教)、リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生)、エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生)ら5名の研究者が口頭発表を行いました。
ブータンに対する注目は世界的に高く、本研究部会にも非常に多くの研究者が聴講に訪れ、活発な議論が取り交わされました。本研究部会の発表者を中心に、近日中に論文集を刊行する予定です。本会議への参加には上廣倫理財団からのご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。
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▽研究会名:"Bhutanese Buddhism and Its Culture"(ブータン仏教と文化)
▽場所:モンゴル国立大学(国際チベット学会会場)
▽日時:2013年7月23日
▽企画者:熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)
▽発表者と演題:
・熊谷誠慈准教授(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study on the Religious Minorities in Bhutan"(ブータンにおける宗教マイノリティの研究)
・松下賀和研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "Introduction on the Theory of Mahamudra by the Founder of Drukpa Kagyu: Tsangpa Gyare Yeshe Dorje (1161-1211)"(ドゥク派開祖ツァンパギャレーのマハームドラー理論の紹介)
・安田章紀研究員(こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門) "A Study of rGyu bu chung discovered by Pema Lingpa"(ペマリンパに発見されたギュブチュン文献の研究)
・ルンテン・ギャツォ(王立ブータン大学言語文化研究所・所長) "A Note on the Concept of Happiness and Prosperity Beyond the Radar of 'Deluded Self'"(幸福という概念と惑った自己の探知機を超えた繁栄)
・デンドゥプ・チューペル(王立ブータン研究所・研究員) "Byis pa'i dpa' bo: The Dance of Youthful Heroes"(若き英雄の舞踏について)
・デヴィッド・ディヴァレリオ(ウィスコンシン大学・助教) "Who was Drukpa Kunle?"(ドゥクパ・クンレとはいかなる人物か?)
・リアンサラ・クヤカノン・クナップ(ケンブリッジ大学・大学院生) "Mountain Closure Practice, Buddhist Sacred Sites and Ecological Knowledge in Eastern Bhutan"(閉山儀礼:東ブータンにおける仏教聖地と生態学的知識)
・エリザベス・モンソン(ハーバード大学・大学院生) "Alternative Voices: The Case of the Imperfect Saint, Kun dga' Legs pa"(破天荒な言説:不完全な聖者クンガレクパのケース)
(報告:熊谷誠慈准教授/こころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門)
内田准教授が「京都流議定書2013」パネルディスカッションに登壇しました
内田由紀子准教授が、7月19日・20日・21日に開催された「京都流議定書2013」(主催:京都流議定書2013イベント実行委員会、共催:京都市)のパネルディスカッションに登壇しました。
「こころが繋ぐ資本」というテーマのディスカッションに参加した内田准教授は、冒頭、こころの未来研究センターと自身の研究の紹介を行い、「研究活動を通して、人々のこころ、からだ、社会をつないでいきたい。ともすれば個人主義から"孤人"主義へと移り変わっている現代社会において、"つながり"を再検討して地域モデルの再生を目指したい」と、ビジョンを話しました。続いて、ファシリテーターの公益財団法人信頼資本財団の鴨崎貴泰氏の司会進行のもと、グリーフケアを専門に被災地での遺族ケアや各地での研修に取り組む一般社団法人リヴオンの尾角光美氏、「社会資本」としてのオープンな寺の実現をめざし、未来の住職を育成するためのプログラムなどを実践している一般社団法人お寺の未来の松本紹圭氏と共に、日本文化の幸福感の特徴、現代社会が失いつつある「人と人がつながる場」の再生、経済の発展だけではない新たな価値観を持つ若者が増える現状と今後あるべき日本人の生き方などについて、意見交換を行いました。
主題となった「こころが繋ぐ資本」を今後どう増やしていくか、という問いに対して内田准教授は、「つながりの資本は、"増やす"というよりは、すでにあるもの。それらを連鎖し、広げていくためには、各人が身近に持つ『つながり=資本』を再評価し、つなげていくことが大切」と、社会や地域の仕組み、ネットワークづくりから考えていくことの重要性を強調。異なる分野に身を置くパネリストそれぞれが、自身の活動経験と専門領域から考える「つながり」「こころ」「社会」について、真摯に意見を交わし、参加者に問いを投げかけたパネルディスカッションでした。
□京都流議定書2013公式ウェブサイト
http://kyotostyle.jp/
内田准教授が「京都流議定書2013」(7/19開催)パネルディスカッションに登壇します
内田由紀子准教授が7月19日(金)から21日(日)に開催される「京都流議定書2013」(主催:京都流議定書イベント実行委員会、共催:京都市、於:ハイアットリージェンシー京都)の初日・シンポジウムのパネルディスカッションに登壇します。
「京都流議定書」は、「日本の縮図とも言える京都を研究し、その資産を分析し、その強みを皆で再認識して新たな価値創造を行ない、京都から日本を変え、日本独自の価値観を世界に発信していく事」を目指し、2008年より行われているイベントです。2013年は「人をつなぐ、人を生かす、地域、町、未来」というテーマで3日間に渡り開催され、門川市長をまじえた鼎談、講演、トークセッション、ワールドカフェ形式イベントなど、様々なスタイルで進行します。内田准教授は、19日(金)午後4時30分から開催される『こころが繋ぐ資本』というパネルディスカッションで、日本文化におけるつながり構築について話題提供を行う予定です。
ただいまイベントでは参加申込を受け付けています。興味のある方は、下記リンクより公式サイトにアクセスのうえお申し込みください。
□「京都流議定書2013」
http://kyotostyle.jp/index.html
清家助教が「認知症の予防と治療」パネルディスカッションに登壇します
清家理助教(上廣こころ学研究部門)が、7月15日に開催されるセミナー「認知症の予防と治療」(主催:杉浦地域医療振興財団、場所:京都テルサ)の第二部パネルディスカッション「多職種による認知症の困難事例の対応」に登壇します。
医療倫理学・社会福祉学を専門とする清家助教は、本年4月よりこころの未来研究センター・上廣こころ学研究部門の助教に着任し、終末期患者に対する支援や倫理的観点に基づく認知症介護改善に関する研究などを進めています。本セミナーのパネルディスカッションでは、「多職種による認知症の困難事例の対応」をテーマに、座長を務める荒井秀典京都大学大学院医学研究科教授らと共に、認知症患者の困難事例をみながら幅広い知見によるディスカッションが行われます。
セミナーについて詳細は、主催者のページをご覧ください。
□杉浦地域医療振興財団
http://sugi-zaidan.jp/index.html
「身殻と身柄―<ひと>をめぐって」河合俊雄教授が日本ユング心理学会第2回大会プレコングレスに登壇しました
■変化する「所有感」とこころの病が映し出すもの。
6月15日、京都大学時計台100周年記念ホールで開催された日本ユング心理学会第2回大会プレコングレスに、河合俊雄教授がパネリストとして登壇しました。
河合隼雄京大名誉教授の七回忌記念を冠した第2回大会のプレコングレスでは、河合名誉教授との共著書『臨床とことば』(朝日文庫)があり親交の深かった哲学者の鷲田清一大谷大学教授が、「身殻と身柄―<ひと>をめぐって」という演題で講演を行いました。
哲学者の視点から、社会をみつめ、人々と対話し、幅広いフィールドで批評活動を行っている鷲田教授は近年、現象学・身体論を通して医療、介護、教育の現場と哲学とをつなぐ「臨床哲学」にも取り組んでいます。講演では、近代西洋哲学における「所有」をめぐる考え方について、ロックの労働所有論からカント、ヘーゲルを経て、現代におけるガブリエル・マルセルまでの所有論の変遷と議論を紹介しながら、「人々に浸透した『自分を意のままにしてよい』という所有感が、『かけがえのない自分』としての脅迫観念にみちたアイデンティティの模索へと繋がり、現代人を閉じた方向へと至らしめている」と考察。90年代にベストセラーとなった村上龍の小説『ラブ&ポップ - トパーズ2』や、故・長井真里氏の「物のすりかわり体験」などにふれながら、現代社会における人々の所有感に揺らぎが生じ、変化を遂げている点を指摘しました。鷲田教授は、これからの新しい考え方として、「人の生身の身体と別の人格が行き来する、モノとしての身体の可能性も含めた『演劇的モデル』の可能性」について話し、「身体は固有のもの」という狭い考え方から移行すること、日本語の『身』という言葉が本来、"身殻"や"身柄"など、心と身体双方を意味する豊かな言葉であったことに言及しながら、新たな身体と所有への考え方の方向性を提示しました。
続いて行われたパネルディスカッションでは、河合俊雄教授と伊藤良子学習院大学教授がパネリストとして登壇。伊藤教授は、自閉症患者とのプレイセラピーの事例を紹介し、セラピーのなかで自己認識へのプロセスを経験していった自閉症児との歩みと鷲田教授の話を重ねながら、「人間は他者との出会いにおいて自分に出会う。しかしその結果、他者に同一化することで抜け落ちるものがあり、『見える身体』と『見えない身体』との二重性が生まれてくる」と考察。神経症や心身症にまつわる数々の具体的な症例を挙げながら、「夢や箱庭療法から、クライエントの無意識の声に耳を傾けている」と話すと共に、「私を超え、現実的な他者を超えることが『魂の水準』へと至り、より大きな他者へと繋がっていく道なのではないか」とコメントしました。
河合教授は、「80年代に多く見られた、欲しいものに対して『今すぐ手に入れなければ』と求めてしまう境界性人格障害が減っていくなど、所有に対する人々の『闘い』はすでに終わりを見せているのかもしれない。テクノロジーの世界でも、コンピュータソフトウエアのソースを世界で共有するなど、所有感の変化を感じる」と述べながら「区切られた近代のリアリティを乗り越えて、今の限界をどう超えるのか考えていくことが大きなテーマではないか」と提言しました。さらに話題は、ヘーゲルとマルセルの所有感の比較、共同注視、現代人のこころの病理から見られる自傷行為等に及び、会場からの岩宮恵子島根大学教授による「90年代の所有に関する心の病のその後として、解離の人に見られる身体や皮膚感覚への異常なこだわり、異性に対する際限のない求め方など、現代の問題だと感じる部分がある」というコメントを受け、「バイオロジカルな境界の薄らぎ」「自傷行為のその先」等について、ディスカッションが重ねられました。鷲田教授による「ファッション的に病を判断することの危険性」についての指摘に対し、河合教授は「時代を反映する典型的な病として発達障害などが語られがちだが、言説に踊らされて周囲や本人がそれと思い込むケースもある。そこを専門家が見極めていくことが必要」と応じました。
哲学者のまなざしからの様々な問題提起と、時代を反映した心の病についての一連のディスカッションを経て、多くの一般参加者を集めた公開シンポジウムは終了しました。河合教授はシンポジウムの司会進行を務めたほか、学会2日目に行われた事例研究発表に指定討論者として登壇しました。
□ 日本ユング心理学会(JAJP)のホームページ
http://www.jajp-jung.info/
鎌田教授が公開セミナー「京都の庭園と庭 ~人と自然の調和~」(センター後援)のパネルディスカッションに登壇します
鎌田東二教授が、6月6日に開催される公開セミナー「京都の庭園と庭 ~人と自然の調和~」(主催:京都伝統文化の森推進協議会、共催:京都市、後援:こころの未来研究センター 他)第2部のパネルディスカッションにコーディネーターとして登壇します。
東山,北山,西山と三方を美しい山に山並みに囲まれ,豊かな自然の残る京都では,豊かな自然景観を借景として活かす作庭技術が発達してきました。これら先人の知恵としての作庭技術等の紹介を通じて,人が自然と調和して生きることについて一緒に考えていきます。
▽日 時:平成25年6月6日(木) 午後2時30分から午後5時30分まで(開場:午後2時)
▽場 所:京都大学稲盛財団記念館 3階 大会議室
▽内容
14:30~ 第1部 講演会
講演1:「日本庭園の自然観」尼﨑 博正(京都造形芸術大学 教授)
講演2:「自然と調和する庭園を育む」加藤 友規(植彌加藤造園(株) 代表取締役社長)
16:25~ 第2部 パネルディスカッション
コーディネーター 鎌田 東二(京都大学こころの未来研究センター 教授)、パネリスト 尼﨑 博正(京都造形芸術大学 教授)、加藤 友規(植彌加藤造園(株) 代表取締役社長)
▽主 催:京都伝統文化の森推進協議会、共 催:京都市、後 援:京都大学こころの未来研究センター、京都新聞社、KBS京都、NHK京都放送局,FM京都
▽参加方法:事前申し込み必要(先着100名)
▽参加費:無料
▽参加申込・問合せ先:京都市産業観光局農林振興室林業振興課 ℡:222-3346,FAX:221-1253
(公式ホームページより)
□京都伝統文化の森推進協議会ホームページ
http://www.kyoto-dentoubunkanomori.jp/news/250606.html
ベッカー教授が第36回品川セミナーで講演しました
第36回品川セミナーで、5月10日(金)にカール・ベッカー教授が講演しました。
▽日時:2013年5月10日(金)17:30~
▽場所:京都大学東京オフィス
▽講師:カール・ベッカー(こころの未来研究センター・教授)
▽『生老病死に対する日本人の経験智と自己決定』
「日本の伝統文化では、在宅で大家族に囲まれながら、死の看取りを行ってきました。ところが、過去数十年の間、死の看取りは在宅から病院、大家族から医療従事者へと渡りました。患者自身の死に対する不安などを話せなくなったばかりか、遺族の悲嘆を消化する場もなくなりつつあります。納得できない死別や、消化できない悲嘆は、精神的な後遺症に及ぶという深刻な問題に対して、本公演では、縁者のカウンセリングや看取りの体験をベースに、日本人の経験智に基づき、死別の受容のプロセスを再検討・再評価したいものです。なお、自己決定という名の下で、現代医学が可能にしてきた様々な治療法を、一般市民の患者まで選択する時代となりましたが、その「自己決定権」をどのように実行すれば良いかについても一緒に考えたい。」
▽HP:http://www.kuic.jp/top_sinagawa36.html
本講演では、現代人の抱える死別の問題に、日本人の経験値から学び再評価することで、これから私たち自身が、どのように死と向き合っていくかについて考えました。
死に至る要因はストレスにあるという話題から始まり、和食・運動・瞑想など、かつて日本人は伝統文化の中で、独自にストレスを回避してきたことを指摘するベッカー教授。また、近代以前死を看取ってきた日本人にとって身近であった「死」も、看取る経験をほとんどしていない現代の日本人にとって、未知ゆえの恐怖の対象となっています。医療の発達により、様々な治療法の選択肢が増えましたが、肝心の一般市民が「自分で選択する(自己決定)」という責任を負えていません。
グリーフケアやホスピスを、日本人の経験智から再評価していくだけでなく、「迷惑をかけない手続き」として、自分自身にしかできない死の準備(自己決定)について、具体例を踏まえながら一人一人が自分自身の問題として考えるセミナーとなったようです。
■受講者の感想(抜粋)
・「いかに生きるか」を考えるときに、「いかに死と向き合うか」が大切であることに気付かされた。死生観と宗教(信仰)をいかに統合できるか、現代史学と生死観を一つにできると良いと思われた。
・日本人の持つ生老病死に対する考え方、行動を、先生が日本人以上に鋭い視点で分析され日本人の良さを日本人以上に理解していただいていることに驚きました。これを機会に、自分の生老病死に対する考え方を見直し、整理したいと思います。
・迷惑をかけないための生前の自己決定の大切さを学びました。
・グリーフケアが、法事等に関係していることを聞いて、納得しました。グリーフケアという名を聞く前に、残された人たちは死んだ人の悲しみをのりこえてきたからです。
□京都大学附置研究所・センターのページ
http://www.kuic.jp/index.html
河合教授が日本ユング心理学会第2回大会でシンポジストとして登壇します
河合俊雄教授が、6月15日(土)・16日(日)に開催される日本ユング心理学会第2回大会初日のプレコングレスでシンポジストとして登壇します。
日本ユング心理学会の第2回大会は、「河合隼雄先生七回忌記念大会」として京大百周年記念時計台記念館で行われます。プレコングレスは一般公開シンポジウムの形で開催、「身殻と身柄――<ひと>をめぐって」というテーマで哲学者の鷲田清一大谷大学教授が講演し、続いて河合教授と伊藤良子学習院大学文学部教授を交えてのディスカッションが行われます。
現在、プレコングレスへの参加申し込みを受付中です(定員になり次第締め切り)。詳しくは、下記リンク先の案内をご覧ください。
日本ユング心理学会「日本ユング心理学会 第2回大会―河合隼雄先生七回忌記念大会― プレコングレス一般公開のご案内 鷲田清一氏『身殻と身柄――<ひと>をめぐって』」(PDF)
□日本ユング心理学会のホームページ
http://www.jajp-jung.info/
鎌田教授が「俳句、この不思議なるもの『京大俳句会』五十回 句会記念イベント in 西部講堂」で講演&ライブを行います
鎌田東二教授が、5月18日(土)に京大西部講堂で行われる「俳句、この不思議なるもの『京大俳句会』五十回 句会記念イベント in 西部講堂」で講演とライブ演奏を行います。
「俳句、この不思議なるもの 『京大俳句会』五十回 句会記念イベント in 西部講堂」
▽日時:五月十八日(土) 十三時~十八時三十分
▽場所:京大西部講堂
▽主催:京大俳句会
▽入場料:一〇〇〇円(学生五〇〇円)
▽イベント終了後、懇親会あり(五〇〇円)
▽プログラム
13:00-13:30 講演 鎌田東二(京大こころの未来研究センター教授)「言霊あるいは言語遊戯としての俳諧」
13:40-16:00 公開句会「あなたの好きな俳句を選ぼう」
16:15-17:40 ライブ 仲田コージ & Boogie Baby Band
京都で唄い続けて四十年、地元屈指のブルーズマン
鎌田東二(神道ソングライター)
17:50-18:30 映像 連句アニメーション「冬の日」川本喜八郎監督・二〇〇三年 -松尾芭蕉七部作「冬の日」のアニメーション作家三五名のコラボ-
※参加申し込みの必要はありません。詳しくは、下記リンク先の主催者までお問い合わせください。
□イベント案内ページ(京大俳句会)
http://blog.goo.ne.jp/kyodaihaiku/e/8876721eafe27f2b771e708b65e5aa55
「人はなぜハマる?」2013年6月11日(火)船橋教授が京都大学東京オフィスで講演します
■「人はなぜハマる?」船橋教授が神経科学の分野から「やめる脳、やめられない脳」に切り込みます
京都大学東京オフィス(港区・品川インターシティ)では、一般を対象に多彩なテーマでイベントが行われています。5月からは、連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ11「人はなぜハマる?」が開催中です。第3回目にあたる6月11日(火)には、船橋新太郎教授が「やめる脳、やめられない脳」という演題でレクチャーします。
主催者の京大東京オフィスでは、ただいま参加者を募集しています。下記案内ページよりお申し込みください。
第3回 6/11(火)「やめる脳、やめられない脳」
船橋新太郎 こころの未来研究センター教授
「趣味や楽しみとして何かにハマることにより、人生に目的が生まれ、人生をより楽しくすることができますが、それも限度を越えると問題になります。私たちの脳には限度を越えようとするときにある種の警告を発する仕組みがあります。この仕組みを考えてみようと思います。」
*右上の画像をクリックすると案内ポスターのPDFファイルが開きます
□京都大学 東京オフィス 連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ11 人はなぜハマる?
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2013/130625_1.htm
河合教授が代表理事を務める河合隼雄財団が村上春樹公開インタビューを開催しました
河合俊雄教授が代表理事を務める河合隼雄財団が、「村上春樹 公開インタビュー in 京都 ―魂を観る、魂を書く―」を5月6日、京都大学百周年記念ホールで開催しました。
河合隼雄物語賞・学芸賞の創設を記念して行なわれた今回のインタビューイベントには、全国より多数の応募があり、会場には約500名の参加者が集まりました。村上春樹氏は前半の講演で、河合隼雄先生との出会いと親交のエピソードを紹介。「同じ時間と、"物語"を共有できた唯一の人。小説家として暗く深い場所で創作する僕と、臨床家として患者と共に深い場所へ行く河合先生は、互いに通じ合っていた」と、異なる分野に身を置く二人が心の交流を重ねていた当時を振り返りました。村上氏が河合隼雄先生のダジャレを披露すると、会場には笑いが広がりました。
後半には、編集者・評論家の湯川豊氏が聞き手となり、インタビューが行なわれました。インタビューのなかで大切なテーマとなった"物語"について村上氏は、「人間は二階建ての家。人が文章を書いたり音楽をつくるのは地下一階。でも本当の"物語"は、さらに下に抜けた地下二階以下にある」と話し、人々がそれぞれ持つ物語を相対化しモデルとして提供することが小説家の役割であり、そこに共感が生まれることで感動のネットワークが生まれる、と話しました。過去の村上作品の変遷や、4月に出版され100万部を既に売り上げた長編作品『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』がどのように生まれたか、半年に渡る執筆期間を振り返りました。
イベントの最後には、河合俊雄教授が壇上に立ち、「昨年、財団を立ち上げ、今年、河合隼雄物語賞・学芸賞を創設した理由として、父の仕事のキーコンセプトであった "物語"を伝え、進めていきたいという思いがありました。財団を作るにあたり、父が関わった多くの人と会ったことは、私にとっては巡礼だったといえます。昨日、河合隼雄の家を訪れ、焼香し、1967年に作られた面接室や書斎を初めてご覧になった村上さんにとっても、今回の会が大切な巡礼だったのではないでしょうか。そして、お集まりの皆さんにとっても、ここに来たことが良き巡礼になることを祈って、終わりたいと思います」と、締めくくりました。
河合隼雄物語賞・学芸賞の第一回選考会は、5月20 日、授賞式は7月5日に行なわれます。
□河合隼雄財団のホームページ
http://www.kawaihayao.jp/
□『村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―』河合俊雄著
http://www.shinchosha.co.jp/book/330861/
河合教授が "The 2013 Zurich Lecture Series"(10月4日・5日/スイス・チューリッヒ)でレクチャーします
河合俊雄教授が、2013年10月4日・5日にスイスのチューリッヒで行なわれる "The Zurich Lecture Series in Analytical Psychology"でレクチャーを行ないます。
"The 2013 Zurich Lecture Series"は、毎年、世界の第一線で活躍する研究者が2日間に渡って講義を行ない、その講義録は後日、Spring Journal Books社より出版されます。河合教授は今回、"Haruki Murakami and Japanese Medieval Stories: Between Pre-Modern and Postmodern Worlds" という演題で講演。村上春樹作品と日本の中世における物語について、プレモダンとポストモダンをキーワードに、ユング心理学の第一人者として独自の手法で読み解いていきます。
レクチャーについて詳しくは"The 2013 Zurich Lecture Series"のウェブサイトをご覧ください(英語)。下記画像をクリックすると、主催者ホームページへ移動します。
◆"The 2013 Zurich Lecture Series"
http://www.springjournalandbooks.com/cgi-bin/ecommerce/ac/agora.cgi?cartlink=zurich_lecture_series.html
ベッカー教授が品川セミナーで講演します(5/10開催)
京都大学附置研究所・センターでは、毎月1回、第1金曜日の夕方に、京都大学東京オフィス(JR品川駅前のインターシティー品川27階)で「品川セミナー」を開催しています。学問の最先端のようすを広く一般の方々にお届けするとともに、その声を直接お聴きするのが目的です。
5月10日(金)、カール・ベッカー教授が品川セミナーで講演します。「生老病死に対する日本人の経験智と自己決定」という演題で、高齢化社会を生きる日本人の多くが向き合っている課題、「人生の最期」について、本人や家族がいかに死を受容すべきか、自己決定権についての問題とどう向き合うのか、ベッカー教授が長年取り組んできた死生観や倫理観に関する研究の知見を紹介しながら、参加者の皆さんと共に考えます。
セミナーはどなたでも聴講できますが、事前申し込みが必要です。下記リンクよりお申し込みください。
第36回品川セミナー
・日時:2013年5月10日(金)17:30縲鰀
・場所:京都大学東京オフィス アクセス
・講師:カール・ベッカー(こころの未来研究センター・教授)
『生老病死に対する日本人の経験智と自己決定』
日本の伝統文化では、在宅で大家族に囲まれながら、死の看取りを行ってきました。ところが、過去数十年の間、死の看取りは在宅から病院、大家族から医療従事者へと渡りました。患者自身の死に対する不安などを話せなくなったばかりか、遺族の悲嘆を消化する場もなくなりつつあります。納得できない死別や、消化できない悲嘆は、精神的な後遺症に及ぶという深刻な問題に対して、本公演では、縁者のカウンセリングや看取りの体験をベースに、日本人の経験智に基づき、死別の受容のプロセスを再検討・再評価したいものです。なお、自己決定という名の下で、現代医学が可能にしてきた様々な治療法を、一般市民の患者まで選択する時代となりましたが、その「自己決定権」をどのように実行すれば良いかについても一緒に考えたい。
□京都大学附置研究所・センターのページ
http://www.kuic.jp/index.html
河合教授が代表理事を務める河合隼雄財団が「村上春樹 公開インタビュー」を開催
河合俊雄教授が代表理事を務める河合隼雄財団が、5月6日に京都大学百周年記念ホールで「村上春樹 公開インタビュー in 京都 ―魂を観る、魂を書く―」を開催します。河合隼雄物語賞・学芸賞の創設を記念して行なわれるものです。4月15日(月)まで入場抽選受付中です。詳しくは、河合隼雄財団プレスリリース(PDF)をご覧ください。
□河合隼雄財団のホームページ
http://www.kawaihayao.jp/